2023年2月12日(日)
「第201回アニメスタイルイベント 作画を語る上で重要なこと・改」を開催した日。2022年12月19日の「第198回アニメスタイルイベント 作画を語る上で重要なこと」に僕が参加できなかったので、改めて沓名健一さん、夏目真悟さんに来てもらって、イベントをやり直した。話したい内容について話すことができた。
新宿駅構内の書店が閉店していたのが、軽くショックだった。新刊のチェックがしやすくて、よい店だった。
2023年2月13日(月)
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』TVエディションの1話を録画で観る。いやあ、画がコッテリしてるなあ。『閃光のハサウェイ』と同じく、テレビで観ると非常に贅沢だ。『水星の魔女』もTVシリーズとしては充分に贅沢だったんだけど。
15時から「アニメスタイル017」で『モブサイコ100 III』の立川譲総監督の取材。盛り沢山で楽しい取材になった。
2023年2月14日(火)
仕事の合間に、新文芸坐で「線は、僕を描く」(2022/106分/DCP)を鑑賞。プログラム「認めて、受け入れて、強くなる青春」の1本で、もう1本の上映作品は「メタモルフォーゼの縁側」だった。「線は、僕を描く」は題材も面白いし、役者も映像もいい。中盤から、映画としてちょっと弱くなった印象。終盤は分かりやすいエンタメ演出で盛り上げてしまって、ちょっとのれなかった。主人公の青山霜介(横浜流星)はいかにも今どきの男の子で、それがよかった。自分の年齢のこともあって、師匠の篠田湖山(三浦友和)に感情移入した。篠田が青山を弟子にしたのは才能もあるんだろうけど、青山の人柄を可愛いと思ったからではないかと思った。
衛星劇場の「はばたけ!真理ちゃん」を録画で2回分流し観。児童文学を天地真理主演でドラマ化したものをメインにしたバラエティ。画質はかなり粗いのだけど、むしろ、よく映像が残っていたと思うし、これ放映しているのも凄い。ちなみにパベットのキャラクターの声はピッピ(人間の女性)がつかせのりこさん、バッハ(犬っぽい動物)が富田耕生さん。『魔法の天使 クリィミーマミ』のマミのアイドル像って天地真理さんっぽいところがあるかも、と思った。
2023年2月15日(水)
『PLUTO』制作決定PVが公開された。期待以上の仕上がりだ。ちなみに僕は企画書制作で少しだけ関わっている。企画書を作ったのはかなり前だ。
16時から「アニメスタイル017」で『モブサイコ100 III』の亀田祥倫さんの取材。亀田さんは、僕がこれから入院することを知っていて、プレゼントを用意してくれていた。こちらも、バレンタインのチョコを用意しておけばよかった。立川総監督と同様に、楽しい取材になった。
「線は、僕を描く」のことを思い出す。意識していなかったが、自分に刺さっていたようだ。篠田の自宅兼仕事場がよかった。弟子達との暮らしもよかった。ある意味において理想的な暮らしだと思った。
2023年2月16日(木)
朝から病院Bに行く。この日は入院前の検査で、採尿、採血、レントゲン、歯の検査、エコー検査、入院前問診等。検査が多かったので会計がなかなかの額に。移動時と病院の待ち時間に、小野寺史宜 の「ひと」を紙の文庫本で読了。帯に「本の雑誌が選ぶ2021年度文庫ベストテン第1位」とあって、それで読む気になった。流行の本を読んでみる試みのひとつだ。面白いし、巧いと思った。ただ、何となく若い人の恵まれない境遇を娯楽として消費している気がして、居心地が悪かった。
「熱風」の高橋望さんのインタビュー連載を読む。これはいいなあ。自家製本でもいいので単行本にするべきだと思った。
植竹須美男さんが亡くなったことを知る。植竹さんは脚本家だが、僕と彼の関係はアニメ雑誌編集者と脚本家ではなく、アニメファン仲間だった。町田知之さんに紹介してもらったのだと思う。その町田さんも既にこの世の人ではない。心よりご冥福をお祈り致します。
https://twitter.com/koyamatakao194/status/1626092172243238912?s=20
2023年2月17日(金)
新文芸坐で「秘密の森の、その向こう」(2021・仏/73分/DCP)と「アフター・ヤン」(2021・米/96分/DCP)を鑑賞。プログラム名「記憶の森を散歩する」の2本立て。最初は「秘密の森の、その向こう」だけ観るつもりだったけれど、新文芸坐さんの「手前味噌ですが、ちょっと凄い2本立てだと思います。どうぞ映画館で…。」のツイートを読んで「アフター・ヤン」も観ることにした。ああ、なるほど。これは上映プログラムを組んだ人がニヤリとする2本立てだ。「秘密の森の、その向こう」は少女が森の中で、自分と同い年の母親と出会うという筋立てで、「アフター・ヤン」は起動しなくなった家庭用アンドロイドの記憶を探っていく、という内容のSF。モチーフは全然違うのだけれど、センスのよさ、短編小説的なまとまりなど、なんとなく似ている。どちらも親子がカメラに対して真正面に座った、カメラ目線のカットで終わるのも同様。家が主な舞台なのだけど、家の外見をほとんど見せてないのも同じだった。
昨夜の『うる星やつら』(18話)の「き・え・な・い ルージュマジック!!」の冒頭では、サブタイトルの元ネタになった「い・け・な・い ルージュマジック」を流して、ラムが口紅を作っている様子をセリフ無しでじっくりと見せた。「い・け・な・い ルージュマジック」を流したことよりも、フィルムとしてのユルい感じが新鮮だった。そのユルさが1980年代的だと思った(旧TVシリーズ『うる星やつら』にそういったユルさがあったわけではない)。
アニドウが出版したマンガ雑誌「月刊ベティ(Betty)」について確認したいことがあって「確か倉庫にしまってないよなあ。よく事務所内で見かけたような」と思ったら、自分が作業している後ろのラックに立っていた。探し始めて、15秒くらいで見つかった。速い時は速い。
そろそろ、うちの会社(株式会社スタイル)も設立から20年くらい経つなあと思って確認したら、去年で20周年だった。
2023年2月18日(土)
昼飯はワイフと『ガールズ&パンツァー』コラボ開催中の「肉汁餃子のダンダダン 池袋東口店」に。コラボメニューをいただいた。
レイトショー「【新文芸坐×アニメスタイル vol. 156】名作再見!クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」を開催。ゲストは本郷みつる監督と茂木仁史プロデューサー。トークは細かいネタに触れつつ、作品の総括もありで、充実したものに。お客さんは『ヘンダーランドの大冒険』を初めて観る方が25%~30%、ビデオやTV放映では観たことがあったけれど、劇場での鑑賞は初めてだった人が50%以上。トークの後に本郷さんによる同人誌の手売りがあり、大変な行列。本郷さんが持ってきてくれた資料の展示もあり、盛り沢山でハッピーなイベントだった。
『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』でス・ノーマン・パーが言った「彼氏、手抜きのアニメみたいにぼーっと突っ立てんじゃないよ」はアニメ史に残る名セリフだと思う。「お前は止め画のモブキャラみたいだよ」とアニメキャラが言っているわけだ。10年前のオールナイトでも話題にしたかもしれないが、この日のトークで、それが原恵一さんが創り出したセリフであると本郷さんが証言してくれた。雛形あきこさんが演じた雛形あきこさんが、何度も出てきてその度に同じセリフを言う理由についても判明。