なんとなく前回言い足りず重ねますが
「ほどほどに」です!!
俺の理想のデジタル化は。なんでもカンでも無条件に「デジ最高!!」ではなく、作品を面白くするため、制作費を効率よく使うために、我々制作者側は新しい技術に対して、単に好き嫌いではなく研究して勉強して「これ、作品作りに使える!」と思ったらほどほどに使ってみる姿勢って大事なのではないでしょうか? と。別に「全編CGでキメるべき!」と言いたいわけでも「手描き作画はすべて滅ぶ!」とアニメーターの危機感を煽りたいのでもありません。
「ほどほど」の割合で折り合いがつくのが理想!
と思うだけ。いくら世の中デジタル化だっつったって、すべてが0か1、もしくは「ある・なし」で片づくはずはないでしょう。作画アニメに一部CGまたはその逆でも、要は「効果的に使えているか?」が問題なのだと思います。
で、『ベルセルク』は最終回を迎えたわけですが、今まで監督してきた作品とは違った意味で疲れましたし、それと同時に楽しませてもらいました。何しろ、ここでも何度か報告したとおり、コンテは昨年末で最終回まで上がっており、今年始めにはCGの発注がいつでもできる状態。そんな中、作画パートをコツコツ進めつつCGを発注し、かなりの時間差で上がってくるモーションをチェック。これがまた当たりもあれば「アレ?」な上がりもあり一喜一憂。とにかく良くも悪くも自分の思ったように上がってこない。もちろん素晴らしいアクションカットもいっぱいありました! それらが上がってきた時は「CG凄えっ!」と興奮します。が、上手くいってないものが上がってくる時もままあるわけ。その時は当然「リテイクお願いします!」とはなるものの……これはCGアニメーターさんが悪いわけではないんですが
上手くいってないカットほど納品ギリギリ!!
でモーションの修正ができないんです。「レンダリング時間的に無理です!」となり、あとは撮影処理で対応するしかありません。まあでも、2クールで詰め込めるだけ詰めた内容だけに、CGスタッフの皆さんもパッツンパッツンの余裕がまったくない状態で本当によく頑張っていただきました。現場をヒーヒーにしてしまったのはすべて自分の力不足によるものです。スタッフの皆さん、申し訳ありませんでした。そして、
お疲れさまでした!!