2017年6月11日(日)
午前3時45分に事務所入りはいつものこととして(超朝型なのです)、午前7時から堺三保さんと打ち合わせ。午後はオールナイト関連で確認する事があって『カラフル』を鑑賞。いやあ、面白かった。初見時よりも楽しめた。物語の語り手として腰が据わっているところが素晴らしい。今、原恵一監督の劇場作品でどれが一番好きかと聞かれたら『カラフル』と応えてしまうに違いない。
2017年6月12日(月)
新宿バルト9で『KING OF PRISM PRIDE the HERO』を鑑賞。午前8時40分の回だった。今回は尺も長いし、広げた風呂敷を畳まなくてはいけないという事もあり、1作目『KING OF PRISM by PrettyRhythm』とは作りがやや違う。僕的には1作目に感じた驚きはなかったけれど、トンデモない映画であるのは間違いないし、ファンの期待に応えた作品になっているはず。
昼間は「設定資料FILE」の構成。夜は会食。業界の先輩のある方に、5月3日の「第130回アニメスタイルイベント アニメ様のイベント 雑誌デザインのこだわり編」のトークに感銘を受けたと言っていただく。「小黒君は本当に『編集』が好きなんだね」とのこと。酔っ払いが好き勝手に話したイベントだったので、呆れられたと思っていた。よかった。
2017年6月13日(火)
午前中から夕方まで「設定資料FILE」の構成。設定資料と縮小コピーにまみれる。
2017年6月14日(水)
朝6時からのTOKYO MXの『母をたずねて三千里』1話を観る。ドラマづくりが大人目線で驚く。これは高畑勲監督の作品が客観的であるのとは、また別の話なのだろう。この年齢になって観ても『母をたずねて三千里』は凄い。
午後は『山村浩二 右目と左目でみる夢』の試写会に。全9本で約57分の短編集。僕が内容を理解できたのかどうかは置いておくとして、贅沢な時間を味わった。気に入ったのは「古事記 日向篇」と「干支 1/3」。
2017年6月15日(木)
東京アニメセンターの「ポッピンQ展 POP IN MUSEUM」に行く。展示は設定資料、絵コンテ、原画など。原画は原画マンが描いたもので、僕が見たかった作監修正原画ではない模様。ただ、レイアウト段階での作監修正を元にして原画が描かれているはずで、展示されていた原画から作監修正の線がどんなものかを想像してみた。
2017年6月16日(金)
新宿ピカデリー『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』最終上映が朝の8時50分からで、観に行こうかと思ってサイトで確認したら、すでに完売していた。朝なのに。
病気で休まれてた藤原啓治さんが、仕事を再開されることになったそうだ。ああ、よかった。ずっと心配していた。また新作であの声を聞ける日が楽しみだ。
池袋に改装中のビルがあり、少し前から「すごいTSUTAYAができる」と掲示されていた。すごいTSUTAYAってなんだ? 店舗の大きさから考えて「レンタルの在庫が日本一ですごい」はないだろうなあと思っていたのだが、どうやら、アイドル&アニメ&コミック専門の店舗らしい。池袋だから、乙女ロード的な意味で女性ファンに特化した店ができるのではないかと予想していたのだけど、外れたかな。
2017年6月17日(土)
早朝、24時間営業の山下書店大塚店で雑誌を数冊買い込む。「EX大衆」7月号は「サンライズ栄光の全史」という記事の富野由悠季監督インタビューが目当て。『無敵超人ザンボット3』についてのコメントが印象に残った。
夜はオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 94 アニメファンなら観ておきたい200本 原恵一監督のアニメーション映画」。原恵一監督は缶のハイボールを片手に楽屋入り。トークは公開10周年を迎えた『河童のクゥと夏休み』がメインで、進めているうちに『河童のクゥ』から『ドラえもん』の話に流れた。『河童のクゥと夏休み』は「平凡な日常に非日常が入ってくる」という意味では『ドラえもん』と同じ。かつて、アニメ業界に『ドラえもん』を子どものものだからと馬鹿にする人達がいて、それがあったので『ドラえもん』のリアリティを増したものを作りたいという気持ちがあったのだそうだ。原さんが若手演出家として『ドラえもん』に参加していた頃、子ども騙しの作品ではないという意気込みで臨んでいたのも、それとリンクしている。それから、30数年前の僕との出会いの話になり「小黒さんは見るからに胡散臭かったけど、最初に自分の仕事を取り上げてもらったので恩を感じている」と言っていただいた。
聞こうと思って用意していた話のいくつかは聞けなかったけれど、リラックスムードで気持ちよく話ができたので、僕的には満足。復帰が決まった藤原啓治さんについても話ができたし、トークの最後に原さんが「トイレ行きたくなっちゃった」と言って、慌てて席を立ったのも可笑しかった。用意していた質問はまたの機会に。
明け方に新文芸坐に戻って、オールナイトの終了を見届ける。