COLUMN

第901回 『沖ツラ』制作話~3話を解説

『沖ツラ』第3話は、カチャーシーあり、エイサー祭りありと高カロリー話数!

になります。今、コンテを見直してみると第3話もコンテから結構修正したようです(コンテに俺の画ばっかり)。ちなみに今作は総監督制で、設定発注以降は田辺(慎吾)監督に一度預けるかたちでしたが、コンテに関しては誰のモノでも、俺の方で直接手を入れてあります。これは以前にも軽く説明したと思いますが、つまり各話コンテマンの上がりを監督が一度手を入れてから総監督が調整程度にチェック~ではなく、監督のコンテも含めて全部、コンテを直す作業は板垣しかやっていません。傲慢に思われるかも知れませんが、ウチの会社(ミルパンセ)にはコンテに関してキャリア的にも技術的にも未熟な人しかいません故、俺が全面的に面倒見るしかないし、外(フリー)の量産コンテマンに撒くくらいなら、社内の若手スタッフにチャンスを上げて、コンテの経験値を詰んだほうが“会社力”も付きますから。前作『いせれべ(異世界でチート能力(スキル)を手にした俺は、現実世界をも無双する)』でも、その御祝儀的(?)意味合いで板垣~連名は載せていないものの、実質的には今作と同じで、

コンテは必要な限り俺のほうで直す(修正する)!!

スタイルでやっています。ただし、(これまた前述かと思いますが)修正箇所に関してはコンテ担当者本人に向かって直接「なぜ、こう修正したか?」「ここは費用対効果的にこうしたほうが作画しやすい」など、ちゃんと理屈で説明しています。これも持論ですが、作画でもコンテでも、

他者の上りを修正する立場の人間は、修正理由も必ず理屈で説明できるべき!

だと思っています。逆に理屈で説明できない感覚的・感性的な画の積み方をしたいなら、最初から自分で描くべきってことです。
 で、3話“シーサー大好きなてーるー”編(?)。無邪気に「シーサー可愛い」言ってるてーるーは本当に純朴で良い奴ですよね。シーサーが“シーサー顔(ぢらー)”の解説文を怒りに任せて踏みつけ~ばら撒くカットは、前半CGで後半作画です。元々は全部CGで上がってきたのですが、そのラッシュ(撮影上り)を見ると、“踏むだけ踏んで、最後に一欠片拾って投げる~”でした。それだと「パンチが足りない!」訳で、監督(演出)とCG監督に「ごめん、後半作画で描き直すわ~」と奪って、俺の方で全部原画(動画の中割りは1~2枚だったハズ)にしたのが現状のモノになります。後、“画面手前からIN↖して、門に立つ雄(オス)シーサーをオーバーアクションで説明する喜屋武さん”の原画を全修したのは板垣で、“雌(メス)シーサーを説明する比嘉さん”の修正は、入社3年目のメインアニメーター市川(真琴)さん。

 で、また『キミ越え』に戻る時間!(汗)。