さて、
『沖ツラ』の制作話、何処までやったか忘れたので、取り敢えず駆け足で第1話から?
実は、最初の方の数話分に色が付き始めた頃までは“作画監督”制はありました。ただ、仕上がりが良くなかったので、総ざらいで頭から直していったのです。どの辺りが良くなかったのか? は以前も説明したとおり、“表情・ポーズ・芝居”全てが硬く、レイアウトの締まりがなかったのです。それは決して、板垣の傲慢からくるモノではなく、委員会チェックレベルで、です。作画の覇気、芝居のテンポ、カット割り&カメラワーク、そしてテロップの出し方……それら全てが「コンテは面白く見えたのに、板垣さんこれで正解なんですか?」的な問い合わせだけでなく、正直リテイクとしていただきました。
これは、俺が責任取るしかない!
と。
キャラの表情はできるだけ豊かに! 美術は実在する“沖縄”をもう一回見直してウソのないモノに! そして、イメージ背景やテロップの色数も増やし、撮影処理もやり直し多数! 久々に大暴れさせていただきました。今回『いせれべ』と違い、音響は選曲も含め全て納谷僚介さんにお任せできたので、その分こちらは画作り(直し)に集中することができ、本当に有り難かったです。
音響監督の納谷さん始め、鬼頭明里さん、ファイルーズあいさん、大塚剛央さんらキャストの皆さん、方言指導の譜久村帆高さん、劇伴の石川智久さん・片山義美さん・金城綾乃さん、そして主題歌のHYさん——全て纏めて“音”面は本当に良かったと思います。納谷さんも「音段階は面白くできたから、あと“画”頑張ってください」とおっしゃってましたし、監督の立場からもアフレコ・ダビングの時点ですでに十分笑わせてもらいました。だから、ちゃんと画を直さなければ! と尚のこと思った次第です。
1話冒頭うちなーぐち(沖縄方言)をまくし立てる喜屋武さんのテロップはオープニングのスタッフテロップと同様の出し方で、とV編にお願いしました。つまり、後で比嘉さんによって通訳されるうちなーぐちはOP同様に“台詞発音と同時になめ出しテロップ”で。それに対して翻訳テロップと同時にのせられるテロップはフォントのバリエーションを豊富に、且つ“ポン置き”にし、
テロップも画の一部として“楽しく視認してもらえる”ように!
と、ある程度のルールを指示しました。
で、アフレコ後の芝居にのせて作画を直して行くにつれ、いつしか俺はこうスタッフ皆に言う様になっていたのです。