『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる(沖ツラ)』のOP話は、前回巻きかけて終わらせたところで、「次EDの~」とも思ったのですが、それどころではない現状なので、今回はその“現状”の話。
ハッキリ言って、ラストの追い込み中でバッタバタ!!
です。この原稿を書いているデスクトップには、作画修正カットが並べられたクリスタ(CLIP STUDIO)が同時に開かれているくらい……。
今作は総監督という一種総合的な監修職には到底止まらない仕事量です。まず当然、脚本・コンテのチェック、特にコンテは殆どの話数、半分以上直しています。あと、編集や音響対応も。
そして何より作画! 今回役職名も“作画プロデューサー”とあるとおり、画直し(作監修正)の総指揮をとっています。コンテ時の演出意図に沿って作画スタッフ(メインアニメーター)に直しの指示をし、残ったカットは全部“俺が拾う”! それを基本一発で修正しまくり、先に振った作画スタッフが手持ち分を終わらせられたら、こちらに戻ってもらい、ササっと入れた俺のラフを拾って修正してもらう、と。
よって、全話半分近く(話数によっては以上)、板垣の画が何某かのっていることになります。つまり、各話ひととおり修正をのせられるように、どうとでも対応可能な自分が構えているのです。
正直言うと、今の若いスタッフは我々世代より平均的に描くスピードが落ちているんです。あ、俺自身は決して手が速いほうではありませんよ。それはテレコム時代の先輩方ならよ~くご存じのはずです。その速くない俺から見ても、今の若手は“手が遅い”と感じます。
もちろん、若手でも量産できるアニメーターもいるし、遅い人はそれなりの理由があるのも分かります。例えば、
ハイビジョンに耐えられる作画や、それに付随して各キャラの増え続けるパーツやディティール、そしてデジタル作画ツールに神経を多く使う分遅くなる!
というくらいのことを考慮した上ででも“遅い人”が増えているのは確かかと思います。他社の社長や制作プロデューサーらに訊いても同様の返答が返ってくるからです。「今の若いアニメーターは(描くのが)遅い」と。
まぁでもウチは皆、社員給なので「まずは良い原画を描く」のが第一、そして「その上で手が速ければ尚良し」くらいに考えるようにしています。
と言う訳で、また作画修正に戻ります!