COLUMN

第872回 夢のアニメ

 庵野秀明監督が『宇宙戦艦ヤマト』の新作を作ると発表されたそうです! 凄い! ゴジラ・ウルトラマン・仮面ライダーに続いて、何十年経っても“ヤマトが作りたい!”って、本当に凄い、と。特に、我々よりひと回り上の世代の方々にとっての『ヤマト』は相当“特別なアニメ”だということが伺えます。自分らの世代に、そういう作品ってあるのでしょうか!? うん。まぁ、他の人は知りませんが、

俺にはない!!!

とハッキリ言えます!
 たとえば『あしたのジョー』? 仕事として依頼があれば、もちろんやると思うし面白がって作るでしょう。でも自分に取って『ジョー』は出﨑(統)監督のアニメ版が好き過ぎて、何がなんでも自分が作りたい! って気持ちは正直ないのです。
 そう言えば以前も触れたかも知れませんが、『コップクラフト』(2019)の時、原作イラストの村田蓮爾先生と(酒を)飲んだ時、「板垣さんはやりたいことないんですか?」と振られて、

いやぁ~、自分はアニメ始める前から “永遠の出﨑憧れ”なので、自分オリジナルとか世間に伝えたい思想とかより、“どんな企画でもこなす”職人がモットーでして……

とお茶濁し的な返しをしたら、「じゃあ、やりたい原作とかでもいいじゃないですか~」と、言われた時、「強いて言うなら『がんばれ元気』(原作・小山ゆう)です……」と。

小学生の頃に一度、りんたろう監督・東映動画(現・東映アニメーション)制作でアニメ化されたんですが、りんさんの第一話が良いんですよ!出﨑さんの『ジョー』と違うテンポで拳闘を描いてて! そして最後までアニメ化されてない! でもやるなら、あくまで“昭和”舞台で! 喜怒哀楽のハッキリした感情爆発の濃いドラマを!

と、熱っぽく語ったのを覚えています。それでも『がんばれ元気』は「終わりまでアニメ化が作られてないから、誰もやらないなら」って理由があるし、ま、“語ってワクワクする夢”ってとこです。
 『がんばれ元気』同様、途中で終わったアニメ化原作で言うと『おれは鉄兵』(原作・ちばてつや)も? アニメ化されていないで言うと『まんが道』(原作・藤子不二雄A)とか、神様・手塚治虫を中心に戦後~昭和のマンガ家青春群像として——全部“昭和”……。

しかし、どれも庵野さんの『ヤマト』熱とは比べものになりません!

で、仕事に戻ります。