COLUMN

040 iPadで「週刊少年ジャンプ」を読む(2014年10月2日)

 「週刊少年ジャンプ」を子どもの頃から読んでいる。この25年間くらいは、ほぼ全号を購入しているはずだ。「週刊少年ジャンプ」は連載で読みたい作品が常に数本はあるのだ。
 その「週刊少年ジャンプ」が電子書籍化された。「少年ジャンプ+」である。「少年ジャンプ+」には「電子版少年ジャンプ」以外のコンテンツもあり、そちらも充実しているようだが、今回のコラムでは「電子版少年ジャンプ」についてのみ触れることにする。
 「電子版少年ジャンプ」では「週刊少年ジャンプ」と「ジャンプNEXT!!」を単体購入、あるいは定期購読することができる。「週刊少年ジャンプ」は単体購入だと300円。定期購読は月900円で「週刊少年ジャンプ」だけでなく「ジャンプNEXT!!」も読める。月900円なら、ある月に発売される号を紙の雑誌で全部買うよりも安い。
 そして、ここが重要な点であるのだが、「電子版少年ジャンプ」は購読期限が設定されておらず、いつでも読むことができる。つまり、定期購読をはじめた以降の号なら、後でダウンロードし直して読むことができるのだ。購入したタイトルが後から読めるのは電子書籍としては当たり前に思えるが、週刊マンガ雑誌の刊行ペースと各号のボリュームを考えると、これは大きい。読み切れない号を部屋の隅に積み上げることもなくなるし、ひとつの連載をまとめて読み返すこともできる。「電子版少年ジャンプ」がずっと続くなら、数年前の号をダウンロードすることだって可能になるはずだ。
 早速、定期購読を始めて、iPadで最新号の「電子版少年ジャンプ」を読んだ。ダウンロードはスピーディだし、操作も快適。ページ数が多いだけに、目次から各連載に瞬時に跳べるのもありがたい。これも考えてみれば当然のことだが、本誌の紙の色は再現していない。1色ページは、白地にマンガが印刷された体になっており、誌面は単行本の印象に近い。パラパラとページをめくる感覚が弱いのは、どの電子書籍も同様だ。単行本はともかく、雑誌はパラパラとめくる感覚がほしいのだが、それはこちらが慣れるしかないのだろう。
 「電子版少年ジャンプ」には、紙版にある記事ページは収録されていない。巻末の作者コメントもない。「電子版少年ジャンプ」オリジナルのコンテンツも用意されるようだ。最新号では通常の「NARUTO」と別に、同じ回に色をつけたオールカラー版の「NARUTO」が掲載されていた。
 自宅でベッドに横になりながら、続きが気になっている連載の最新エピードを読むことができる。これはちょっとした贅沢だ。今後は発売日に買い逃して、売れ残っている店を探して街を彷徨うこともなくなるのだ。
 「電子版少年ジャンプ」が成功し、多くの読者が購読するようになれば、出版物のあり方が変わるきっかけのひとつになるかもしれない。自分としては、いずれ「やっぱりあの厚みがないと『ジャンプ』じゃないよ」とか「色のついた紙に印刷されてこそのジャブだよ」などとわがままを言い出すかもしれないが、今のところは満足している。

■関連リンク
少年ジャンプ+
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