COLUMN

第355回 才能と手柄

巷はゴーストライターの話題で持ちきりです! 嘘はよくありません!!

 うちらアニメの世界でも、たまたま目にしたアニメがたまたま面白かった場合、本来その話数の脚本なりコンテなりか、そもそも原作に手柄があるはずなのに、大概の場合、なぜか原作者でもなく脚本もコンテもやってない監督が持っていきます。少なくとも監督に仕事を振ってる立場の方々から見ると「手柄の大半は監督に」というわけで掛け持ち監督を増やし続けてるんです(その分ダメな作品になった場合の批判も大半は監督に向く事になるんですが)。でもアニメの場合はスタッフロールに名前が焼き込まれる故、観る人が観れば誰の手柄かすぐ分かるし納得できるけど、話がゴーストライターになると別! 完全なる「嘘」ですから。ま、ゴーストライターとクラシック音楽の話は偉い評論家の方に任せるとして、今回は手塚治虫神話の陰に消えた男——酒井七馬先生のお話。前にも軽く触れたんですが、この本

「謎のマンガ家・酒井七馬伝——『新宝島』伝説の光と影」(中野晴行・著/筑摩書房・刊)

面白い! というか、最後は感動して泣けました。
 誰もが知る手塚治虫単行本デビュー作「新宝島」のもう1人の著者・酒井七馬氏のお話——