10月末の劇場作品を紹介しよう。
　今週末10月25日（金）からは２作品が上映スタート。



　『がんばっていきまっしょい』は、高校女子ボート部を描いた敷村良子の小説が原作。３度目の映像化であり、初めての劇場アニメ化。村上悦子はどこか冷めた気分を抱えた高校２年生。だが、ボート部を作ろうとする転入生の梨衣奈の熱意に押され、名義貸しを引き受けることに。原作とは登場人物もストーリーも異なるので、ボート部を作ろうと奮戦する女子高生たちという大枠を借りたかたちだろう。監督は『あした世界が終わるとしても』の櫻木優平。脚本は大知慶一郎、キャラクターデザインは西田亜沙子。レイルズと萌が制作を担うセルルックの３ＤＣＧ作品だ。



　『こまねこのかいがいりょこう』はdwarfが手がけるストップモーションアニメ「こまねこ」の最新短編。初めて海外旅行に出かけることになった、猫のこまちゃんだが……。「はじめのいっぽ」「こまとラジボー」「ほんとうのともだち」の３作と合わせ、50分のプログラムになっている。原作・監督は合田経郎。

　映画祭の話題にも触れておこう。10月末から11月頭にかけて、映画祭が各地で催される。28日から東京国際映画祭が開幕。昨年からアニメーション部門が大きく変わり、海外の話題作の上映が急増。『ルックバック』や『窓ぎわのトットちゃん』など国内のラインナップも充実している。すでにチケットが売り切れているものもあるが、まだ余裕のある作品も多い。公式サイトで確認してほしい。



　31日からはキネコ映画祭が開催。東京・二子玉川を舞台にした親子向けのイベントだ。韓国の絵本をもとに西尾大介が監督を務め、ダンデライオンアニメーションスタジオが制作した３ＤＣＧ作品『あめだま』が上映予定だ。
　翌日11月１日からは新千歳空港国際アニメーション映画祭が開催。空港内の施設を使い上映する国際的にもユニークな映画祭だ。日本の商業作品から、海外の実験的な短編まで幅広く扱う点が特徴。メイキングトークなど入場無料のイベントも多い。詳細は公式サイトで確認してもらいたい。
　同じく11月１日から４日にかけて「ドキドキ・アニメーションエニェ2024」が開催。スペイン語圏のアニメーションイベントだ。『スルタナの夢』（スペイン）、『オオカミの家』（チリ）、『アザーシェイプ』（コロンビア）といった、近年の映画祭で紹介された長編を特集上映。東京のインスティトゥト・セルバンテス東京にて。

≪劇場アニメリスト≫
2024年10月23日現在、編集部調べ