いよいよ梅雨明けが迫ってきた。夏休みを迎え、劇場アニメも夏本番。ファミリー向けを中心に多数の作品がスタートする。
　19日（金）上映開始は４作品。



　『怪盗グルーのミニオン超変身』はイルミネーション制作の３ＤＣＧ作品。「怪盗グルー」シリーズの第４作め。かつてのライバル・マキシムに命を狙われることになったグルー。安全のため家族とともに新たな町に隠れ住むが、そこで思わぬトラブルに巻き込まれてしまう。シリーズ１、２作のクリス・ルノーが監督を務める。



　続いて『化け猫あんずちゃん』。小学生のかりんは借金まみれの父に連れられ、実家である田舎の寺へとやってきた。そこでは、原付バイクにまたがり、人の言葉を話す、化け猫が住み込みで働いていて……。いましろたかしの同名マンガが原作で、脚本もいましろが務める。「リンダ　リンダ　リンダ」「天然コケッコー」で知られる実写畑の山下敦弘と、『クレヨンしんちゃん』等で活躍してきた久野遥子が共同で監督を務める。久野はこれが初監督で、キャラクターデザインも担当。ロトスコープがベースだが、久野らしいメタモルフォーゼ感覚が予告からもうかがえる。アニメーション制作はシンエイ動画とフランスのMiyu Productions。



　３本目が『劇場版すとぷり　はじまりの物語　Strawberry School Festival!!!』。配信を中心に活動する人気ユニット・すとぷり初の劇場作品だ。タイトルにあるように彼らの「はじまり」を描くという。リーダー・ななもり。自身が制作総指揮を務める。監督は『ライアー・ライアー』の松浦直紀、脚本は涼村千夏、アニメーション制作はライデンフィルム。



　４本目が『ヤマトよ永遠に　REBEL3199　第１章　黒の侵略』。『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクシリーズの最新作だ。イスカンダルとガミラス本星の消滅から２年、謎の巨大物体が太陽系に出現、地球へと侵攻を始める……。かつての劇場『ヤマトよ永遠に』をベースに、全26話（全７章）で構成。総監督・シリーズ構成を福井晴敏が務める。監督はヤマトナオミチ。アニメーション制作はstudio MOTHER。
　翌週26日（金）からは３作品がスタート。



　まずは『劇場版　モノノ怪　唐傘』。江戸時代風の世界を舞台に、怪異退治を生業にする謎の薬売りの活躍を描き、鮮烈なビジュアルが評判を呼んだＴＶアニメ「化猫」。ＴＶシリーズ化された『モノノ怪』に続き、今回は劇場長編として登場。天子の世継ぎを産むため、美女を集めた女の園“大奥”。女中として招かれたアサとカメは、そこにうごめく黒い影を見る……。中村健治監督待望の新作にして、初の劇場作品だ。制作はツインエンジンEOTA。



　続いて『めくらやなぎと眠る女』。映像作家・音楽家として活躍するピエール・フォルデスが村上春樹の「かえるくん、東京を救う」など６つの短編を長編へと再構成。何かが起こったようで起こっていない、日常と非日常のあわいを描き出す。実写をベースにした映像で、登場人物のポーズなどが生々しい。日本に住む人間からすると違和感がある日本の風景も独特の異郷感を醸し出している。フランス、ルクセンブルク、カナダ、オランダの合作だ。



　最後に『パウ・パトロール　パウ・パーティー　ｉｎ　シアター　2024』。カナダ制作の３ＤＣＧＴＶシリーズで、未就学児を中心に大人気の『パウ・パトロール』。日本で未放映のエピソードにダンスコーナーなどを加えて劇場上映。

≪劇場アニメリスト≫
2024年７月17日現在、編集部調べ