大変遅くなったが、昨年12月に配信スタートした作品を振り返ろう。
　まずは、立て続けに公開された「ポケモン」シリーズの作品をまとめて紹介する。



　８日より「プロジェクトカビゴン」のInstagramとTwitter（現・Ｘ）にてショートアニメ『カビゴンとカラカラ』の公開が始まった。ひとりぼっちのポケモン・カラカラとよく食べよく眠る大きなポケモン・カビゴンの出会いと心温まる交流を描いた３ＤＣＧアニメだ。２匹が出会う森の四季折々の描き方にも注目。アニメーションを手掛けたのはポリゴン・ピクチュアズ。ポケモン公式のYouTubeチャンネルには全４話を一挙視聴できる「総集編」も公開されている。



　13日にはYouTubeでゲーム「ポケットモンスター　スカーレット・バイオレット」を元にしたオリジナルアニメ『放課後のブレス』最終話（４話）が配信開始。校長先生からアカデミーのＰＲ動画の制作を任されたオハラ、アキリス、ホーマの３人はついに動画を完成させる。３人のアイデアが盛り込まれた動画は、アカデミーを越えてパルデア中に広がっていく。原作の人気キャラクター・ナンジャモの登場も話題となった。引き続きWIT STUDIOが制作を担当している。



　年末28日には、ポケモンの世界をストップモーションで描いた『ポケモンコンシェルジュ』がNetflixに登場。『どーもくん』などのコマ撮り作品で知られるスタジオ・ドワーフがアニメーション制作を務めている。ポケモンたちが自由に過ごす島「ポケモンリゾート」に新米コンシェルジュとしてやって来たハル。忙しない社会人生活から一転した環境に戸惑いながらも、ポケモンやユニークなコンシェルジュの先輩と触れあい大切なものに気づいていく。Netflix配信作品そのものは有料だが、YouTubeで本作品のメイキング映像を見ることができる。

　ＭＶアニメ作品でも、YOASOBIによる「ポケットモンスター　スカーレット・バイオレット」へのインスパイアソング「Biri-Biri」や、「ポケモン」のゲームサウンドをサンプリングし初音ミクが歌うプロジェクト「ポケモン feat. 初音ミク Project VOLTAGE 18 Types/Songs」など、昨年後半から「ポケモン」に関する映像が続々と公開されている。



　ここからは「ポケモン」以外の国内制作アニメを２本取り上げよう。Amazon prime videoにて『ツイヤバ』が公開中。ＴＶアニメ『僕の心のヤバイやつ』のスピンオフで、原作者の桜井のりおがTwitter（現・Ｘ）に不定期で上げているショートマンガや小ネタをアニメ化したものだ。メインスタッフはＴＶシリーズと同じ。加えて、一部の話数の絵コンテ・演出には『デ・ジ・キャラット』シリーズの桜井弘明が参加している。



　同じくAmazon prime videoで『BURN THE WITCH #0.8』が29日深夜から配信スタート。2020年10月に劇場およびAmazon Primeで公開された『BURN THE WITCH』の前日譚にあたるエピソードで、久保帯人による同名マンガの読み切り版をアニメ化したものだ。並行世界のロンドンで活躍する２人の魔女の過去を描く。今回も監督の川野達朗率いるteamヤマヒツヂとスタジオコロリドがアニメーション制作を務める。同日には前作とまとめてＴＶ放映もされた。

　12月は各有料動画配信サービスで海外の長編作品も多く公開された。



　まずは８日にAmazon prime videoで『リトル・バットマン　クリスマスの大冒険』が配信開始。米国のＤＣコミックスの人気キャラクター・バットマンの息子を主人公にした90分強の作品。ゴッサム・シティの悪党と戦うためにクリスマスイブも出かけるバットマン。１人で留守番することになった息子のダミアンは、父親への憧れを胸にバットマンの真似事をし始める。やがてダミアンは、クリスマスを「盗もう」とするジョーカーたちの企みに巻き込まれていき……。監督、製作総指揮、原案はマイク・ロス。なお、リンクの予告編は英語版のものだ。



　Netflixでは15日に『チキンラン　ナゲット大作戦』がスタート。日本では2001年に劇場公開された『チキンラン』の23年ぶりの続編だ。前作で養鶏場から無事脱出した雌鶏・ジンジャーは人間の手の及ばない島で家族と暮らしていた。幸せな日常も束の間、近くには新たな養鶏場の施設が！　そこに娘のモリーが迷い込んでしまい……。我が子と仲間を救うため、今度は自ら養鶏所に侵入する。前作に引き続き『ひつじのショーン』のアードマン・アニメーションズが制作。



　Disney+でも22日に長編作品『グレッグのダメ日記　どうかしてるよ！』が公開。原作は米国のマンガ家のジェフ・キニーによる児童書で、これまで実写劇場作品が４本制作されているものの、アニメーション化は初めて。野心家の少年・グレッグの陽気で悲惨な中学デビューと学校生活を３ＤＣＧで描く。監督はルーク・コーミカン。原作のジェフ・キニーが脚本とキャラクターデザインを兼任している。



　米国で2023年６月に劇場公開された『ルビー・ギルマン、ティーンエイジ・クラーケン』が、27日より日本でもU-NEXT他にて視聴できるようになった。日本語吹き替え版も合わせて公開。普通の女子高生として生活していた少女・ルビーは、自身がクラーケンの王位継承者であることを知る。秘密にしていた親との確執、クラーケンの歴史、そして友人の驚きの正体。ルビーはやがてクラーケンとしての運命に立ち向かうことになっていく。『長ぐつをはいたネコと9つの命』のドリームワークス・アニメーションが制作。現状では定額課金で視聴できるのはU-NEXTのみで、Amazon Prime videoなど各動画配信サービスでは購入またはレンタルでの視聴となる。なお、リンクの予告映像は英語版だ。

　ヨーロッパ発のビジュアル重視のＭＶアニメーションも紹介しておこう。



　５日にYouTubeに公開されたピンク・フロイドの楽曲「狂気日食（原題：Exlipse）」のＭＶ。こちらはドイツのアニメーターYosh Baueが同バンドのアルバム「狂気」リリース50周年を記念したコンペティションのために制作したものだ。ミュシャの影響が見受けられるビジュアルと、楽曲のサイケデリックな部分への表現が楽しめる。



　18日に公開されたフランスのテクノ系ミュージシャン、Irene Dreselの楽曲「Glam」のＭＶはより官能的な絵作りとなっている。教会からネオン街を練り歩く花や、楽曲のリズムに乗った登場人物の動きにも注目だ。

　最後に、昨年12月に発売されたＯＶＡ作品をまとめてお伝えしよう。偶然だが、全て20日に発売となった。



　2023年夏放映のＴＶシリーズ『好きな子がめがねを忘れた』のBlu-ray第１巻が発売中。映像特典としてショートアニメ「心頭滅却ＲＴＡ」「怖い夢」の２本を収録している。「心頭滅却ＲＴＡ」は現在YouTubeにて限定公開中だが、「怖い夢」はBlu-rayでのみ観ることができる。同じかたちで、第２巻、第３巻にもショートアニメを２本ずつ収録予定。



　こちらも昨夏のＴＶアニメに関する商品だ。荒川弘のマンガ「百姓貴族」８巻に、ＴＶシリーズ全12話と未放映エピソード「漫画家・荒川」前後篇を収録したＤＶＤが付いた特装版が発売された。Blu-rayではないとはいえ、ＴＶシリーズ全話、新作映像、原作最新刊がセットで税別4520円という驚きの価格だ。



　2021年にＴＶ放映された『ゆるキャン△　SEASON２』のBlu-ray BOXに、新作アニメーション『ミステリーキャンプ』『旅するしまりん』の２本が同梱。今年４月に放映予定のSEASON３に向けて、SEASON２と新作ＯＶＡをまとめて観て振り返るのはいかがだろうか。

　本リストは、収集した情報を基に、編集部独自の基準によって作成している。そのため、全ての作品を網羅しているとは限らないことをあらかじめお断りしておく。

≪2023年12月配信のアニメリスト≫
2024年１月24日現在、編集部調べ

≪2023年12月発売のＯＶＡリスト≫
2024年１月24日現在、編集部調べ

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