ネット配信されているアニメーションは、海外の大手資本によるものから、国内のアマチュア作家によるものまで千差万別だ。このコーナーでは国内の制作会社が元請けの商業作品でストーリー主体のアニメを中心に取り上げていく。もちろん、海外の制作会社が制作し大手配信元が扱っている作品にも目を配り、個人作家の作品やＭＶなどであっても、必要があると判断すれば触れていくつもりだ。アニメーション映像が各所で頻繁に用いられている昨今だからこそ、幅広く作品をチェックしていきたい。なお、今回の記事中で掲載している映像はすべて予告編だ。本編については巻末リストのURLをたどってほしい。

　16日、劇場『ブラッククローバー　魔法帝の剣』が公開と同時にNetflixで配信開始となった。ＴＶアニメ化もされた人気作初の長編で、復活した歴代４人の魔法帝と主人公・アスタが所属する魔法騎士団による王国の存亡をかけた戦いを描く、原作にもないオリジナルな展開だ。監督はＴＶシリーズ後半より引き続き種村綾隆が担当する。キャラクターデザインはＴＶシリーズと同じく竹田逸子。アニメーション制作はstudioぴえろ。

　29日よりスタジオディーン制作の新作アニメ『大奥』が全話一挙配信。原作はよしながふみによる人気マンガで、ＮＨＫでの実写ドラマも話題になった。アニメ化は今回が初となる。流行り病で男性の人口が激減し女性優位の社会となった江戸を舞台にした、男女逆転の時代劇だ。『BORUTO　ーボルトー　NARUTO NEXT GENERATIONS』の阿部記之が監督を、『殺し愛』の佐藤陽子がキャラクターデザインを務めた。

月末には海外の長編『ニモーナ』が配信スタート。こちらは『スパイ in デンジャー』のトロイ・クアンとニック・ブルーノ監督タッグによる新作だ。舞台は中世の雰囲気を残した近未来の王国。女王殺しの濡れ衣を着せられた騎士バリスターは、王国側に追われながら真犯人を見つけ出そうとする。そんな彼の前に変身能力を持つ謎の少女ニモーナが現れ、協力したいと申し出るが……。アクションやキャラクターの豊かな表情といったビジュアル面に加え、価値観の多様化を踏まえた描写などにも注目したい。

　ＯＶＡについても触れておこう。今年３月に劇場公開されたユニバーサル・スタジオ×ドリームワークス『長ぐつをはいたネコと９つの命』のBlu-rayとＤＶＤのセットが６月に発売。短編『三叉の矛』と、未公開シーン「トイレ休憩」「愛と死」「ヘビの壁」等を含めた映像特典が計60分超の大ボリュームで収録されている。現在もAmazonなどで購入可能だ。

≪2023年６月配信のアニメリスト≫
2023年８月29日現在、編集部調べ

≪2023年６月に発売されたＯＶＡのリンク≫
2023年8月29日現在、編集部調べ

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