８月に突入。猛暑が日本列島を覆っているが、劇場の中も熱のこもった話題作でいっぱいだ。４日（金）公開の３作を紹介しよう。



　まずは『しん次元！　クレヨンしんちゃんTHE MOVIE　超能力大決戦 　～とべとべ手巻き寿司～』。2020年秋、2021年夏の変則公開を経て、通例のゴールデンウィーク公開に戻るかに見えた劇場版『クレヨンしんちゃん』だが、今年は第１作、第29作同様に夏興行となった。３ＤＣＧを全面採用、制作プロダクションの筆頭に白組が立ち、「モテキ」など実写コメディ畑の大根仁が監督を務めるという、31作目にして従来の路線から大きく踏み出したかたちだ。ヌスットラダマスの予言どおり、宇宙からふたつの光が飛来した。白い光を浴びたしんのすけは超能力に目覚める。同時に黒い光を浴びた暗黒のエスパーも誕生して……。



　続いて『特別編　響け！　ユーフォニアム　～アンサンブルコンテスト～』。強豪高校吹奏楽部の人間模様を描く武田綾乃の小説をアニメ化した人気シリーズの最新作だ。部長となった黄前久美子、彼女の最初の大仕事は、少人数で挑むアンサンブルコンテストの代表を決めるための校内予選。チーム作りに揺れる部内にトラブルはつきないようで……。監督は石原立也、脚本は花田十輝、アニメーション制作は京都アニメーション。60分弱の中編だ。



　最後がディズニー・ピクサーの新作『マイ・エレメント』。火・水・土・風のエレメントたちが暮らす世界を舞台に、火のエレメント・エンバーと水のエレメント・ウェイド、相容れない同士の“化学反応”の行方は？　監督は『アーロと少年』のピーター・ソーン。同時上映は短編『カールじいさんのデート』。

　特集上映についても触れておこう。
　４日（金）～７日（月）まで、東京・国立新美術館にて「イントゥアニメーション８」が開催される。アニメーション作家を中心とした団体・日本アニメーション協会の主催で、会員作品の上映や90年代アニメーション作品の特集など盛りだくさんの内容だ。タイムスケジュールなど詳しい内容は公式サイトにて。
　もうひとつ、11日（祝・金）～27日（日）まで、国立映画アーカイブにて「アニメーション作家　山村浩二」と題した特集上映が組まれている。世界的なアニメーション作家であり、東京藝術大学教授である山村浩二。中高時代から、最新作『幾多の北』まで、その歩みを一望できるプログラムになっている。詳しいタイムスケジュールは、国立映画アーカイブのサイトを見てもらいたい。

≪劇場アニメリスト≫
2023年８月２日現在、編集部調べ