ANIME NEWS

ニュースで振り返るアニメ界2018
女性スタッフの活躍とアニメビジネスの光と影

 年末に発表されたアニメ産業レポートは、昨年(2017年)関連産業含め全体で2兆円超の規模になったと報じている。華々しい数字の背景にはスマートフォン向けゲームの伸張と東アジアを中心とする海外向けの配信の増加がある。
 そんな中、『Phantom in the Twilight』のパッケージソフト発売中止は、ひとつの事件だった。北米配信大手NetflixがI.G、ボンズと業務提携を発表しており、パッケージから配信へとアニメビジネスの転換が着々と進んでいる。その象徴とも言える出来事だ。昨年の『ヘボット!』、今年の『異世界居酒屋 ~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~』と、最低受注数を設定したうえで完全受注生産を謳う作品も登場している。パッケージは、一部のファンのための嗜好品という性格をますます強めていくことになるのだろう。
 中堅制作会社ジーベックが制作部門をサンライズへ譲渡したのもファンに衝撃を与えた。同社は『BLUE SEED』の制作スタッフが創業したもので、パッケージビジネスの時代の象徴ともいえる存在だっただけに、どうしてもビジネスの趨勢を重ねてしまう。
 興行ビジネスで注目を集めたのが、DLEとマッドハウスが制作した『劇場版 若おかみは小学生!』。初日からの観客動員が伸びず、短命に終わると見られたが、SNSでのファン活動の盛り上がりによって劇的な回復を果たす。実写の話題作「カメラを止めるな!」と合わせ、興行におけるSNSの力を改めて示した。
 『若おかみ』で脚本を務めた吉田玲子の大活躍も今年の話題だ。昨年の『夜明け告げるルーのうた』『映画 かいけつゾロリ ZZのひみつ』の勢いをそのままに、今年も『リズと青い鳥』『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』と脚本を担当した劇場作品が相次いで公開され、いずれもが高水準の仕上がり。まさに無双のごとき仕事ぶりだ。
 その『リズと青い鳥』の山田尚子監督をはじめ、女性監督の活躍が目立ったのも特筆すべきだろう。『宇宙よりも遠い場所』のいしづかあつこ、『さよならの朝に約束の花をかざろう』の岡田麿里、『BANANA FISH』の内海紘子と優れた作品を生み出した。方向性はまったく違うが、『Back Street Girls ―ゴクドルズ―』の今千秋も挙げられよう。
 一方、TVメディアの可能性を開拓してみせたのが『ポプテピピック』だ。TVの特徴は多数が同時にリアルタイムの出来事を体験することにある。クセの強い原作をさらにひねった形でアニメ化。自ら「事件」となることで、視聴者を引きつけることに成功した。
 アニメにおける開拓者=パイオニアといえば高畑勲監督だ。『太陽の王子ホルスの大冒険』『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』などを通じ、彼によって切り拓かれたものは数知れない。まさにアニメの祖とも言える存在だ。アニメーションとは何かを常に問い続けた先駆者の死を悼みたい。(B)

●1月

▼【出来事】東映アニメーション大泉スタジオ新オープン(1日)
 大泉スタジオの建て替えが終了。光が丘の仮スタジオより移転。
▼【ビジネス】吉本興業が日本動画協会に入会(1日)
 関西を拠点とする芸能事務所の雄が準会員として加わった。
▼【TV】『宇宙よりも遠い場所』放映開始(2日)
 いしづかあつこ監督、マッドハウス制作のオリジナル。
▼【訃報】津田延代(5日)
 声優・俳優。96歳。アニメでは老婆役多数。
▼【TV】『ポプテピピック』放映開始(7日)
 Bパートを再放映に見立て、Aパートと同じ内容のものをキャストを変えて放映するなど、実験的な作りが話題に。
▼【出来事】竹達彩奈の脅迫容疑で男性逮捕(10日)
 声優・竹達彩奈を脅す内容のメールを所属事務所に送りつけたとして、警視庁は静岡県の30代の男性を逮捕。
▼【出来事】鶴ひろみを送る会(13日)
▼【TV】『ありふれた職業で世界最強』放映延期(15日)
 4月放映を予定していたが、「諸般の事情により」2019年に延期。昨年12月2日にアニメ化決定の告知が出たばかりだった。
▼【イベント】第72回毎日映画コンクール発表(18日)
 アニメーション映画賞に『こんぷれっくす×コンプレックス』、大藤信郎賞に『夜明け告げるルーのうた』が選ばれた。小規模公開の短編がアニメーション映画賞に選ばれるのは異例のこと。
▼【イベント】東京アニメアワード功労賞部門発表(22日)
 大杉久美子、芝山努、杉井ギサブロー他が選ばれた。
▼【訃報】伊藤叡(25日)
 虫プロダクション元代表取締役。株式会社虫プロダクション倒産後、新たに設立された虫プロダクション株式会社を長く経営。同社は旧虫プロの著作物の管理も引き継いでいた。
▼【出来事】『ISLAND』キャスト交代(29日)
 制作中の『ISLAND』の伽藍堂紗羅役が村川梨衣から山村響に変更。村川側から内容に対する変更の要請が相次いだためだという。
▼【ビジネス】NetflixがI.G、ボンズと業務提携(31日)
 米国配信大手Netflixが、プロダクションI.G、ボンズと包括的な業務提携を結んだと発表。提携にはI.GグループのWITスタジオも含まれる。
▼【ビジネス】角川ロックミュージアム着工へ(31日)
 KADOKAWAグループの角川文化振興財団が所沢に角川ロックミュージアムを建設すると発表。図書館、美術館、博物館などが一体となった施設にするという。
▼【ビジネス】東映アニメーション株式分割を実施(31日)
 1株を3株とし、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図る。

●2月

▼【訃報】高木弘樹(2日)
 アニメーター。56歳。『WXIII 機動警察パトレイバー』『BLEACH』などで活躍。
▼【出来事】ミルキィホームズ解散発表(3日)
 ミルキィホームズはブシロードが主導する人気声優グループ。来年2月にラストライブを行う。
▼【TV】『Hugっと! プリキュア』放映開始(4日)
 佐藤順一が古巣の東映アニメーションに久々に復帰。共同ながらシリーズディレクターを務めた。
▼【訃報】木下としお(4日)
 漫画家、アニメーター。肺炎にて。93歳。日本動画社に参加後、漫画家に転身。のち虫プロ、竜の子プロ、ナック等でアニメーターとして活躍。長くきのプロの社長を務めていた。
▼【訃報】久保進(6日)
 青二プロダクション会長。82歳。声優事務所の草分けである同社の創業者。
▼【出来事】浅野真澄結婚(12日)
 声優の浅野真澄が結婚を報告。相手はマンガ家の畑健二郎。2人は『それが声優』などで共に活動していた。他にも声優では、4月に羽多野渉と橋本まい、6月に藤東知夏、7月に氷上恭子が結婚を発表。9月には能登麻美子が結婚と妊娠を報告している。
▼【TV】ブルマ役に久川綾(15日)
 『DRAGON BALL超』のブルマ役を久川綾が引き継ぐと発表。鶴が演じたブルマは2月18日放映分までとなる。
▼【出来事】シグナル・エムディがtwitter上のスタッフの問題発言に対し表明(16日)
 「当社作品の監督名義によるSNS上での一連の発言につきまして」と題し、「いかなる民族的、歴史的差別又はそれらを支援、助長する活動」も支持しない」と表明。同社制作の『ネト充のススメ』を監督した柳沼和良がtwitter上で反ユダヤ的な発言を繰り返したことに、特に海外から強い懸念の声が上がっていた。
▼【出来事】アニメ制作のデジタル制作導入ガイド報告会(20日)
▼【イベント】TAAF2018のアニメオブザイヤー発表(21日)
 劇場映画部門は『この世界の片隅に』、TV部門は『けものフレンズ』が選出。
▼【出来事】梶浦由記が独立(21日)
 人気作曲家の梶浦由記が所属事務所スペースクラフトプロデュースを退社、独立を宣言。彼女がプロデュースしていたKalafinaも活動休止となった。
▼【劇場】『さよならの朝に約束の花をかざろう』公開(24日)
 脚本家・岡田麿里の初監督作品。
▼【出来事】スタジオ・ワンパック解散(28日)
 ワンパックは大阪の老舗アニメスタジオ。代表の山田浩嗣が1月2日に死去したことから。

●3月

▼【ビジネス】東宝、STORYと業務提携(1日)
 STORYはアニメ事業室長を務める古澤佳寛と、ヒットメーカーとして知られる川村元気という東宝の2人のプロデューサーが、同社からの出資を受け昨年9月に立ち上げた企画会社。
▼【イベント】第41回日本アカデミー賞(2日)
 最優秀アニメーション作品賞に『夜は短し歩けよ乙女』。
▼【イベント】第12回声優アワード発表(3日)
 主演男優賞、主演女優賞に豊永利行と黒沢ともよが選ばれた。
▼【イベント】第68回芸術選奨発表(7日)
 メディア芸術部門で山村浩二が大臣賞に選ばれた。
▼【TV】『メルヘン・メドヘン』放映変更(8日)
 「作画クオリティの改善のため」8日、15日に1、2話を再放映。11、12話の放映は未定。
▼【イベント】東京アニメアワード開催(9日)
 「アニメ オブ ザ イヤー」は『この世界の片隅に』と『けものフレンズ』。コンペティション部門ではグランプリに長編で台湾のサン・シンイン監督『オン ハピネス ロード』、短編でフランスのマックス・ポーター、ルー・クワハタ監督『ネガティブ・スペース』が選ばれた。
▼【出来事】エイケン50周年(10日)
 TCJから続くアニメーション制作会社の老舗。
▼【イベント】文化庁メディア芸術祭大賞発表(16日)
 アニメーション部門大賞に『この世界の片隅に』『夜明け告げるルーのうた』。
▼【訃報】楠葉宏三(20日)
 『アルプス物語 わたしのアンネット』以降、世界名作劇場で監督を数多く務める。代表作に『愛少女ポリアンナ物語』『ロミオの青い空』等。リニューアル後の『ドラえもん[新]』の総監督を長く務めた。
▼【イベント】AnimeJapan 2018(24日)
▼【出来事】東芝『サザエさん』スポンサー降板(25日)
 この日の放映で番組スポンサーを降板。1969年の放映開始以来、長年スポンサーを務めてきた。
▼【出来事】『ねこねこ日本史』でお詫び(27日)
 『ねこねこ日本史』64話について公式サイトでお詫びを掲載。「断りなく」肖像を使用したとしてデーモン閣下より抗議を受けていた。
▼【ビジネス】bilibili米株式市場に上場(28日)
 中国の動画共有サイトbilibiliが北米のNASDAQに株式上場を果たした。
▼【ビジネス】DMM music設立(30日)
 DMM.comが音楽レーベルDMM musicを設立。アニメ・ゲーム事業と連携するほか、A-Sketchと組み、声優アーティストオーディションを共同開催。

●4月

▼【TV】『ゲゲゲの鬼太郎』放映開始(1日)
 6度目のアニメ化(『墓場鬼太郎』を除く)。目玉おやじに1・2期で鬼太郎を演じた野沢雅子を起用。
▼【出来事】国立映画アーカイブ設立(1日)
 国立近代美術館フィルムセンターが独立した機関に。
▼【ビジネス】バンダイナムコHD再編(1日)
 バンダイビジュアルとランティスが合併、バンダイナムコアーツに。サンライズの宮河恭夫社長がバンダイナムコHDの執行役員に新任。
▼【訃報】高畑勲(5日)
 演出家。82歳。肺がんのため。大学卒業後、東映動画に入社し、『太陽の王子ホルスの大冒険』で監督デビュー。退社後に『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』を監督、TVアニメの可能性を切り拓き、多大な影響を与えた。スタジオジブリの設立に参画、『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』などを手がけた。
▼【TV】『メガロボクス』放映開始(7日)
 「あしたのジョー」連載開始50周年企画として、森山洋監督らが大胆に翻案。近未来を舞台に架空のスポーツを描く。
▼【劇場】『名探偵コナン ゼロの執行人』公開(13日)
 興収が90億を超え、超社会現象とも言える大ヒットに。
▼【TV】『ちびまる子ちゃん』でおばあちゃんが2人(15日)
 「中野さん、さくら家に泊まる」の巻で1画面におばあちゃんが2人映るミスが発生。
▼【劇場】『リズと青い鳥』公開(21日)
 京都アニメーション制作、山田尚子監督の新作劇場作品。『響け!ユーフォニアム』シリーズの一作だが、ビジュアルを大胆に変更。繊細かつ個性的な仕上がりに。
▼【出来事】ジブリパーク2020年開業へ(25日)
 愛知県とスタジオジブリの間で合意に至ったと報道。
▼【訃報】木下忠司(30日)
 作曲家。102歳。老衰のため。木下恵介監督の実弟で、映画音楽を数多く手がけた。アニメの代表作に『白蛇伝』『安寿と厨子王丸』『ちびっ子レミと名犬カピ』など。『日本名作童話シリーズ 赤い鳥のこころ』ではプロデューサーも務める。
▼【訃報】東海林修(30日)
 作曲家。85歳。悪性リンパ腫により。歌謡曲から放送音楽まで、作編曲に広く活躍。シンセサイザー奏者としても活躍。アニメの砕氷作に『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』『コブラ』等。
▼【イベント】藤本賞に『名探偵コナン から紅の恋歌』製作陣(31日)
 藤本賞は劇場作品製作者を中心に顕彰するもの。

●5月

▼【訃報】浦野光(2日)
 声優、ナレーター。86歳。吹き替え草創期より活躍。「世界の料理ショー」のグラハム・カーの吹き替えや「ウルトラマン」「ウルトラセブン」のナレーターとして知られる。海外アニメーション『ポパイ』のポパイの声が有名。
▼【劇場】『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』完結(5日)
▼【訃報】黒岩よしひろ(8日)
 マンガ家。55歳。心筋梗塞により。アニメ化作品に『鬼神童子ZENKI』。
▼【出来事】梅原裕一郎休業(10日)
 声優の梅原裕一郎が病気のため休業すると所属事務所が発表。7月30日に退院し、無事復帰。6月には相坂優歌が、11月には大野柚布子が、体調不良などを理由に同じく休業を発表している。
▼【出来事】アニメディア6月号重版(11日)
 表紙が『名探偵コナン ゼロの執行人』のコナンと安室の2ショット。編集部によれば、『おそ松さん』人気の沸騰していた2016年2月号以来2度目。
▼【訃報】西城秀樹(16日)
 歌手。63歳。急性心不全のため。『ちびまる子ちゃん[第1期]』の「走れ正直者」、『∀ガンダム』の「ターンAターン」などで歌を担当。『坊っちゃん』『姿三四郎』では声優も務めた。
▼【出来事】園田健一、クラウドファンディングでのアニメ制作を発表(18日)
 「ガンスミスキャッツ」等で知られるマンガ家の園田健一が、シカゴのアニメイベントAnime Centralにて、自身が総監督を務める『ビーン・バンディット』を発表。クラウドファンディングにて資金を調達、まずは短いパイロットの制作を目指すという。
▼【ビジネス】ブシロード役員に元タカラ・トミー社長(23日)
 カードゲーム大手のブシロードの取締役に元タカラ・トミー社長のハロルド・ジョージ・メイが就任。最高戦略責任者に就く。
▼【出来事】リメイク版『ブギーポップは笑わない』公式サイトにお詫び(28日)
 再アニメ化を発表した『ブギーポップは笑わない』公式サイトにお詫びが掲載。KADOKAWA社内の情報伝達ミスにより、イラストレーター・緒方剛志の確認を得ないまま設定素材が公表されてしまったという。

●6月

▼【出来事】『二度目の人生を異世界で』アニメ化中止(6日)
 10月よりTVアニメ化の予定だった。「小説家になろう」出自の人気小説が原作だが、原作者・まいんのSNS上でのヘイト発言を指摘する声が相次ぎ、アニメ化発表以来、その声が出演予定者にも及んでいた。
▼【ビジネス】ラセターの今年中のディズニー退社を発表(8日)
 ジョン・ラセターはピクサーの創業メンバーであり、立役者。昨年よりセクハラ行為の告発を受けていた。
▼【ビジネス】アジアアニメーションパートナーズ破産(8日)
 スタジオ九魔の関連会社。昨年末に九魔代表の隈部昌二が死去。いくつかの事業は他社に引き継がれ、九魔自体は事業を停止していた。
▼【出来事】アニメージュ40周年、ニュータイプ400号(9日)
 ともに本日発売の7月号にて。アニメディアは37周年。
▼【出来事】Wake Up,Girls!解散発表(15日)
 同名アニメ企画とともにスタートした人気声優ユニットだが、2019年3月をもって解散する。
▼【訃報】金子満(15日)
 プロデューサー、シナリオライター。79歳。エムケイ代表として、『ラ・セーヌの星』『大空魔竜ガイキング』『アニメーション紀行 マルコ・ポーロの冒険』『名犬ジョリィ』『太陽の子エステバン』など数々の作品で企画・原作・脚本を手がける。特に『子鹿物語』『SF新世紀レンズマン』など、CGの導入に初期から熱心に取り組んだ。後年は東京工科大学の教授として活躍。
▼【訃報】浅賀孝郎(16日)
 バンダイネットワークフロンティア事業部(バンダイビジュアル)、KSS、ジェンコ等でプロデューサーとして活躍。『HAPPY☆LESSON』『魔法少女 俺』等。
▼【イベント】『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』がアヌシーで表彰(17日)
 『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』がアヌシー国際アニメーション映画祭にてTV部門のクリスタル賞を受賞。
▼【出来事】米アカデミー新会員に新海誠、細田守、片渕須直ら(25日)
 アメリカの映画芸術科学アカデミーが招待する新会員を発表。新海誠、細田守、片渕須直や菅野よう子らが加わった。
▼【出来事】森功至の事務所が破産(27日)
 声優・森功至の事務所・オフィスもりが東京地裁より破産開始決定を受けた。13日で事務所は閉鎖、森はプラスワンカンパニーに移籍していた。
▼【出来事】沢城みゆきが出産・育児休業(28日)
 声優の沢城みゆきが出産・育児のため休業を発表。『ポチっと発明 ピカちんキット』では37話から46話まで白石涼子が主演・エイジの代役を務めた。
▼【TV】矢島晶子がしんのすけ役を降板(29日)
 矢島晶子が、この日の放映を最後に『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけ役を降板。「役としての自然な表現がしづらくなった」と自身から申し出たという。後任に小林由美子が選ばれた。
▼【出来事】明坂聡美、「BanG Dream!」白金燐子役を卒業(30日)
 BanG Dream!は、ブシロードが主導するアニメ・ゲーム・ライブを横断した女性声優によるバンドグループプロジェクト。今年3月に突発性難聴を発症。再発の危険を考えての決断。

●7月

▼【出来事】『ラブライブ! サンシャイン!!』マンホールを傷つけた容疑で高校生2人を逮捕(2日)
 マンホールは静岡県沼津市がファンドを募って設置したもの。5月27日に2つのマンホールが深い傷をつけられていることが発見され、6月1日に沼津警察署へ被害届を提出していた。
▼【ビジネス】エイベックス・ピクチャーズとグラフィニカが企画会社設立(2日)
 エイベックス傘下の映像製作・販売会社エイベックス・ピクチャーズとCGスタジオのグラフィニカが企画会社FLAGSHIP LINEを設立。アニメ、ゲーム及びVR等の企画開発・制作を手がけるという。
▼【ビジネス】アニプレックス決算、売上・利益とも倍増(4日)
 アニプレックスの3月期決算が告示。前年に比べ、売上・利益とも倍増したことが明らかに。モバイル用ゲーム「Fate/Grand Order」の大ヒットが大きな要因と見られる。
▼【出来事】ガンダム実写化発表(5日)
 レジェンダリー・ピクチャーズが『機動戦士ガンダム』の実写化を手がけるとアニメエキスポで発表。サンライズと共同製作する。
▼【TV】『BANANA FISH』放映開始(6日)
 吉田秋生原作のかつてのヒットマンガを、内海紘子監督、MAPPA制作で舞台を現代に移してアニメ化。
▼【出来事】大川透復帰(6日)
 病気療養のため休業中だった声優の大川透が仕事を再開。所属事務所のマウスプロモーションが明らかにした。
▼【配信】『約束の七夜祭り』配信延期(7日)
 XFLAG製作のオリジナルアニメ『約束の七夜祭り』が制作の遅れにより配信延期。上映会イベントも中止に。8月3日に配信開始。「当初配信を予定していた内容に、この度の『平成30年7月豪雨』を連想させるシーンが含まれていたため、一部変更して配信」したという。
▼【劇場】『劇場版 ポケットモンスター みんなの物語』公開(13日)
 湯山邦彦が劇場版の総監督から初めて外れ、矢嶋哲生が監督を務めた。
▼【訃報】常田富士男(18日)
 俳優。81歳。数ヶ月前から脳出血で入院していた。『まんが日本昔ばなし』の語り手として著名。
▼【劇場】『未来のミライ』公開(20日)
 細田守監督のオリジナル劇場新作。
▼【TV】『進撃の巨人 Season3』放映開始(23日)
 人気作がシリーズ途中でキー局を民放からNHKへ異例の移籍。
▼【出来事】TVドラマ「この世界の片隅に」に関して表明(24日)
 TBSのドラマ「この世界の片隅に」ついて、劇場版『この世界の片隅に』の製作委員会が「一切関知しておりません」と異例の表明。ドラマのテロップでは「special thanks to 映画『この世界の片隅に』製作委員会」と表記されていた。
▼【出来事】東映アニメーションミュージアム、オープン(28日)

●8月

▼【出来事】山寺宏一・田中理恵離婚報告(3日)
 7月に離婚届を提出したと互いのtwitterで報告。同月には声優の石井マークと榎本温子も離婚を報告している。
▼【ビジネス】クランチロール、AT&T傘下に(7日)
 アニメ配信大手のクランチロールが、北米通信大手のAT&T傘下に。すでにAT&T傘下のワーナー・メディアの下に組み込まれる。
▼【劇場】シュヴァンクマイエル引退作「蟲」公開(8日)
▼【ビジネス】『ひもてはうす』で投資型クラウドファンディング(10日)
 10月スタートの新番組『ひもてはうす』に関連して、ソニー銀行が投資型クラウドファンディングを設置。
▼【訃報】石塚運昇(13日)
 声優・俳優。68歳。食道がんのため。『ポケットモンスター』のオーキド博士とナレーション、『カウボーイビバップ』のジェット等で知られる。
▼【訃報】エドゥアルド・ウスペンスキー(14日)
 ロシアの児童文学作家。80歳。『チェブラーシカ』の原作者。
▼【訃報】阿部邦博(15日)
 アニメーター。50歳。メカ作画監督として、ガンダムシリーズ等で活躍。
▼【訃報】さくらももこ(15日)
 マンガ家。53歳。乳がんのため。『ちびまる子ちゃん』『さくらももこ劇場 コジコジ』の原作者。TVアニメの脚本を多数執筆し、通常の原作者の立場を越えて、深くアニメにコミットした。
▼【劇場】『ペンギン・ハイウェイ』公開(17日)
 自主制作作品『フミコの告白』で知られる石田祐康監督の初長編。森見登美彦の人気小説が原作。
▼【ビジネス】福島ガイナックス、木下グループ傘下へ(20日)
 福島ガイナックスが木下グループ傘下に。株式会社ガイナ(スタジオガイナ)として出発する。
▼【ビジネス】東映アニメーションとダンデライオンが資本提携(22日)
 東映アニメーションとダンデライオンアニメーションスタジオが資本業務提携を発表。ダンデライオンはキャラクター創出とCG制作に力を入れるスタジオとして知られる。
▼【TV】『Steins;Gate 0』放映延期(23日)
 テレビ愛知での19話の放映が延期に。また20話の放映が各局とも1週間延期、19話を再放映する。
▼【イベント】第17回広島国際アニメーションフェスティバル開催(23日)
 コンペティションのグランプリはセルジウ・ネグリチ監督「ザ ブリスフル アクシデンタル デス」に。
▼【劇場】『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』公開(25日)
▼【訃報】麻生美代子(25日)
 声優。92歳。老衰により。『サザエさん』の初代フネ役で知られる。『アルプスの少女ハイジ』のロッテンマイヤーなど代表作多数。近年では「和風総本家」のナレーションでも知られる。
▼【出来事】今井由香引退(31日)
 声優の今井由香が引退を表明。昨年より休業を続けていた。同じく声優の今村彩夏も6月に体調不良を理由に引退を発表している。

●9月

▼【出来事】TBSアニメ事業部社員逮捕(2日)
 静岡県警は未成年者誘拐の疑いで余卿容疑者を逮捕。容疑者はTBSテレビの映画・アニメ事業部の社員。
▼【出来事】『けものフレンズ2』新ユニットオーディションでトラブル(2日)
 『けものフレンズ』の2期発表にあわせてスタートした新ユニットのオーディションで、応募用の規定セリフが無断転用であることが発覚。お詫びに至った。
▼【劇場】『フリクリ』続編連続公開(7日)
 『フリクリ オルタナ』『フリクリ プログレ』の2作が連続公開。
▼【出来事】アニメージュ10月号より電子書籍配信開始(10日)
▼【劇場】『若おかみは小学生!』公開(21日)
 スタートダッシュに失敗するも、SNSでの口コミが大きく盛り上がり、巻き返しに成功。異例の復活劇として注目を集めた。
▼【出来事】『Phantom in the Twilight』Blu-ray発売中止(21日)
 公式サイトにて告知。理由について「諸種の事情により」としている。11月11日より全4巻の発売が予定されていた。
▼【出来事】平野綾が追突事故(21日)
 平野綾は声優・ミュージカル俳優。
▼【訃報】宮田光(23日)
 急性大動脈解離のため。87歳。声優・俳優として多くのアニメ、TVドラマで活躍。最近では『NARUTO』『BORUTO』で長老ホムラ役を演じていた。
▼【訃報】西野聖市(25日)
 ナック創業者。『いじわるばあさん』を皮切りに、『ドン・チャック物語』等を製作。
▼【TV】『BEATLESS Final Stage』放映(25日)
 1月より全24話予定でスタートしたものの、総集編や特別番組をはさみ20話を放映したところで一旦放映終了。関東圏のネット局であったTBSでは放映されず、TOKYO MXで放映するという異例の事態に。

●10月

▼【ビジネス】CloverWorks法人化(1日)
 A-1 Picturesから分社化。A-1傘下ではなく、アニプレックス100%出資の子会社となる。4月にA-1 Pictures高円寺スタジオをCloverWorksへ改称、ブランド化を図ると発表したばかり。
▼【TV】『ゾンビ ランド サガ』放映開始(4日)
 境宗久監督、MAPPA制作のオリジナル作品。佐賀県を舞台にゾンビがご当地アイドルとして活躍するエキセントリックなコメディとして話題に。
▼【TV】『それいけ! アンパンマン』30周年(5日)
 1988年10月に放映スタート。30周年記念として「アンパンマンとみんなのえがお」を放映。
▼【ビジネス】プロダクションアイムズ破産(3日)
 東京地裁にて破産決定。6月7日より整理手続きに入っていた。
▼【訃報】ウィル・ビントン(4日)
 ストップモーション・アニメーションの監督として活躍。『クローズド・マンデイ』でアカデミー賞短編賞を獲得。長編『マーク・トゥエインの冒険』やカリフォルニアレーズンのCMで知られる。
▼【TV】『ポケットモンスター』『BORUTO』放映日時変更(7日)
 地上波ゴールデンタイムのアニメが『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』のみに。
▼【TV】『SSSS.GRIDMAN』放映開始(7日)
 円谷プロの特撮作品を雨宮哲監督が大胆にアレンジしてアニメ化。
▼【ビジネス】CAAnimation設立(17日)
 ネット関連企業サイバーエージェントがアニメレーベル・CAAnimationを設立。子会社Cygamesがアニメ事業を手がけていたが、子会社であるAbemaTVとの連携も視野に親会社自らオリジナルアニメの制作に乗り出す。
▼【訃報】辻谷耕史(17日)
 声優。56歳。脳梗塞のため。『無責任艦長タイラー』のジャスティ・ウエキ・タイラー、『犬夜叉』の弥勒など代表作多数。近年は音響監督としても活躍し、『昭和元禄落語心中』は特に話題となった。
▼【訃報】田中信夫(17日)
 声優。83歳。食道がんのため。海外ドラマ「コンバット!」のサンダース軍曹役、バラエティ「川口浩探検隊」のナレーション等で知られる。アニメでは『科学忍者隊ガッチャマン』の総裁X、『アニメ三銃士』のリシュリューなど。
▼【劇場】『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』公開延期(19日)
 ヒット作『この世界の片隅に』に新規カットを追加した長尺版。正式タイトルとともに12月公開が本年7月に告知されていた。
▼【訃報】木村圭市郎(19日)
 アニメーター。80歳。心筋梗塞のため。初期の東映動画に入社。後、ネオメディアを設立。『レインボー戦隊ロビン』『サイボーグ009』『タイガーマスク』等で、キャラクターデザイン、作画監督を務めた。
▼【出来事】普通科高校にアニメ科目(24日)
 東海大学山形高校がアニメーション科目を新設すると発表。テレコム・アニメーションフィルムと白組の協力を得て。2~3年生が週4時間学ぶかたち。「アニメの作品作りを通じて、ものの見方や考え方を学んでもらう」という。
▼【イベント』ボンズ20周年記念展開催(26日)
 東京アニメセンターにて1ヶ月にわたり開かれた。
▼【ビジネス】drop破産(26日)
 映像制作会社dropが東京地裁から破産開始決定を受けた。『グラマラス ヒーローズ』『クリオネの灯り』などを手がける。8月より事業を停止していた。
▼【TV】『けものフレンズ2』2019年1月スタート告知(29日)
 監督は前作のたつきから『アイカツ! アイドルカツドウ!』『ポチっと発明 ピカちんキット』の木村隆一へ、制作はヤオヨロズからトマソンへ変更。昨年9月にたつき監督自ら降板を明かし、KADOKAWAの井上伸一郎専務が調整に乗り出すなど大きな騒動となっていた。

●11月

▼【イベント】原恵一に紫綬褒章(3日)
 紫綬褒章は学術研究や芸術文化の分野で活躍した人に贈られる。
▼【訃報】後藤哲夫(6日)
 声優。68歳。食道がんのため。『ゼロの使い魔』のデルフリンガー、『古代王者 恐竜キング Dキッズ・アドベンチャー』のDr.ソーノイダなどで知られる。
▼【出来事】大野柚布子休業(7日)
 声優の大野柚布子が健康上の理由により休業。所属事務所のマウスプロモーションより発表。
▼【劇場】『ANEMONE HI-EVOLUTION』公開(10日)
 「HI-EVOLUTION」と銘打った『交響詩篇エウレカセブン』の総集編第2弾。単なる総集編の枠を超えた大胆な読み換えがファンの度肝を抜いた。
▼【訃報】スタン・リー(12日)
 アメリカン・コミックス界の大立者。マーベルコミックスの原作者、編集者として長年活躍。『ファンタスティック・フォー』『ハルク』『スパイダーマン』など数々のヒーローを生み出す。晩年は『HEROMAN』『THE REFLECTION』など日本のアニメにも参画した。
▼【訃報】成田賢(13日)
 歌手。73歳。肺炎により。『サイボーグ009[第2作]』の主題歌で知られる。
▼【出来事】ディズニーの初期作品発見(13日)
 ディズニーが初期に制作した「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」シリーズの1本で、喪われていたとされた『Neck’n'Neck』が神戸映画資料館に所蔵されていることが判明。アニメ史研究家の渡辺泰が高校生の頃に購入した16ミリフィルム。
▼【ビジネス】ジーベック、サンライズ傘下へ(20日)
 サンライズが新子会社を設立し、ジーベックの映像制作事業を譲り受ける。本年4月に創業者でプロデューサーの下地志直からアニメーターの羽原信義へ社長が交代したばかりだった。
▼【TV】『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』7話放映延期(20日)
 21日から順次放映予定だった7話を放映延期、6話を再放映すると発表。「制作進行上の都合により」という。
▼【出来事】『ガーリッシュナンバー修羅』制作中止(22日)
 2017年4月に続編を発表していたが、「当初予定していたスタッフの確保が厳しくなり、クオリティ、スケジュールについての保証が難しいと判断」したという。
▼【訃報】宮崎晃(25日)
 脚本家。胆管がんのため。84歳。「男はつらいよ」シリーズの脚本などを担当。アニメの代表作に『あらいぐまラスカル』『ペリーヌ物語』など。
▼【訃報】前田憲男(25日)
 作曲家・ジャズピアニスト。肺炎のため。83歳。「ミュージックフェア」など、数々のTV番組のテーマ曲を手がける。アニメの代表作に劇場版『クラッシャージョウ』がある。
▼【訃報】山本優(25日)
 脚本家。71歳。『銀河旋風ブライガー』から始まるJ9シリーズのシリーズ構成・原案を務める。
▼【訃報】中邨靖夫(25日)
 アニメーター。慢性骨髄性白血病にて。78歳。1959年より長く親しまれた『ヤン坊マー坊天気予報』のキャラクターの生みの親。
▼【訃報】スティーブン・ヒレンバーグ(26日)
 クリエイター。57歳。筋萎縮性側索硬化症により。『スポンジ・ボブ』の原作者として知られる。
▼【訃報】辻村真人(27日)
 声優・俳優。88歳。老人役が多く、アニメの代表作に『忍たま乱太郎』の学園長など。また「仮面ライダー」シリーズの怪人役を多数演じた。
▼【出来事】DLEで不正会計(27日)
 9月14日に財務諸表に疑義があると公表。この日、調査結果が明らかに。第三者委員会から粉飾決済を指摘され、役員報酬の減額や一部役員の辞任に至った。

●12月

▼【TV】男性プリキュアが登場(2日)
 『HUGっと! プリキュア』42話「エールの交換! これが私の応援だ!!」において、セミレギュラーキャラクターの若宮アンリがキュアアンフィニに変身。初の男性プリキュアとして話題に。
▼【ビジネス】アニメ産業レポート2018発表(10日)
 動画協会が昨年の産業統計を発表。海外収入増により、2兆円台を超えたとした。
▼【TV】戦姫絶唱シンフォギアXV放映延期(10日)
 来年4月スタート予定が7月スタート予定に。
▼【ビジネス】グッドスマイルカンパニー、投資会社を設立(11日)
 フィギュアメーカーのグッドスマイルカンパニーが、投資会社グッドスマイルパートナーズを設立。
▼【訃報】須賀正人(11日)
 音楽プロデューサー、作詞家。59歳。肺炎のため。『らんま1/2』『ああっ女神さまっ』などで活躍。90年代の声優ブームの立役者のひとり。長谷川空などの名義で作詞も多数。
▼【出来事】EJアニメシアター新宿オープン(22日)
 角川シネマ新宿をリニューアルし、アニメ専門劇場に。