いよいよ秋の新番組シーズン到来。この秋にスタートするアニメは、ショート作品や『イナズマイレブン　オリオンの刻印』のようなタイトル変更も含め、編集部調べで58本。昨年同期が56本なので、ほぼ同数だ。
　今期の特徴はオリジナル作品がいつになく多いこと。なんと８作品。
　古田丈司監督の『DOUBLE DECKER!　ダグ＆キリル』はサンライズのバディ刑事もの。シリーズ構成は鈴木智尋、キャラクター原案は桂正和。
　奇しくも桂正和がキャラクター原案を務める作品がもう１作。ゲームクリエイター打越鋼太郎が原案の『あかねさす少女』だ。地方都市に住む少女たちが巻き込まれた事件とは……。監督を務める玉村仁はこれがシリーズ初監督となる。シリーズ構成はヤスカワショウゴ。ダンデライオンアニメーションスタジオと十文字が共同制作。
　佐藤卓哉と安倍吉俊のタッグによる近未来を舞台にした物語が『RErideD―刻越えのデリダ―』。シリーズ構成は古怒田健志、アニメーション制作は新興のギークトイズ。
　『ゾンビランドサガ』は『ONE PIECE』で知られる境宗久が監督を務める。タイトルどおりのゾンビものだが、ＰＶを見る限り、仕掛けがありそうだ。シリーズ構成は村越繁。キャラクターデザインは深川可純。アニメーション制作はMAPPA。
　『色づく世界の明日から』はオリジナルに意欲的なP.A.WORKSの新たな１本。魔法の使えない魔法使いの少女が数十年後の世界から2018年へと送り込まれる。監督は『凪のあすから』の篠原俊哉。シリーズ構成は柿原優子、キャラクターデザインは秋山有希が務める。
　『RELEASE THE SPYCE』は、『ゆるゆり』のなもりと『結城友奈は勇者である』のタカヒロがタッグを組んだガールズ・スパイ・アクション。さとう陽はこれが初監督となる。アニメーション制作はLay-duce。
　『ひもてはうす』は、『てさぐれ!部活もの』の石ダテコー太郎による新たな作品。洲崎綾や明坂聡美など、石ダテ作品お馴染みのキャストが集結。アニメーション制作はバウンスィ。
　『走り続けてよかったって。』は音楽制作ユニットHoneyWorksのイメージイラストをもとにした作品。監督は荒川眞嗣、シリーズ構成は高橋ナツコ。アニメーション制作はSIGNAL.MD。声優を目指す少年少女を描く。
　オリジナル以外の気になる作品についてもいくつか制作会社別に触れていこう。
　CloverWorksが制作を手がける『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』は、鴨志田一の小説が原作で、すでに来年の劇場展開も発表されている。監督は増井壮一。
　TROYCAが制作の『やがて君になる』は、仲谷鳰のマンガが原作。監督は『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』の加藤誠。シリーズ構成は花田十輝、キャラクターデザインは合田浩章。
　Production I.G制作の『風が強く吹いている』は三浦しをんの人気小説が原作。監督・野村和也、キャラクターデザイン・千葉崇洋の実力派タッグ。『はじめの一歩』の幕之内一歩役などで知られ、近年はＴＶドラマ・実写劇場作品で脚本を手がける喜安浩平がシリーズ構成を担当するのにも注目だ。
　スタジオヴォルン制作の『からくりサーカス』は、藤田和日郎のマンガが原作。『うしおととら』に続き、藤田は井上敏樹と共同でシリーズ構成にも参加。監督も西村聡が務める。
　TRIGGER制作の『SSSS.GRIDMAN』。円谷プロが1993年に制作した特撮作品「電光超人グリッドマン」をアニメ化。「日本アニメ（ーター）見本市」でショートアニメ化を手がけた雨宮哲が引き続き監督を務める。グリッドマンの声を特撮と同じく緑川光が担当することも話題だ。
　最後に、10月後半スタートとなる京都アニメーション制作の『ツルネ ―風舞高校弓道部―』。同社の近年の作品と同じく、自社で手がけるＫＡエスマ文庫の綾野ことこによる小説が原作。キャラクターデザインは門脇未来。山村卓也は本作が初監督となる。
　まだまだ触れるべき作品は多いが、このぐらいにしておこう。下記のリストを参照して、鑑賞に役立ててもらえれば幸いだ。

《ＴＶアニメ新番組リスト》
2018年９月26日現在、編集部調べ