春は劇場アニメの季節。春休みを中心に毎年、幼年向けから若者向けまで、多彩な劇場アニメが登場するようになって久しい。春近い今週、来週と話題作が続々登場する。
　今週末24日（土）からは２作品。



　まずは『さよならの朝に約束の花をかざろう』。『心が叫びたがってるんだ。』で知られる人気脚本家・岡田麿里が初めて監督を務めたという、話題の１本だ。長命種族の少女マキアは、戦火を避けて逃げた森で、赤ん坊を拾い、育てることに。成長する子どもとマキアの時の流れはいつしかすれ違い始め……。いくつもの作品で女性の生き方を問うてきた岡田らしく、多彩な「女の生」を丁寧に描いてみせる。アニメーション制作はP.A.WORKSが手がけ、キャラクターデザイン・総作画監督は『凪のあすから』の石井百合子が担当。副監督に篠原俊哉、メインアニメーターに井上俊之、コア・ディレクターに平松禎史と手堅い布陣が支える。



　続いては『劇場版Infini-T Force／ガッチャマン　さらば友よ』。タツノコ・レジェンズと謳われているように、ガッチャマンやキャシャーンなど、タツノコの歴代ヒーローが集結する３ＤＣＧ作品だ。ＴＶシリーズの続編で、南部博士、コンドルのジョーがついに登場。南部博士の声を船越英一郎が担当したのも話題だ。『閃光のナイトレイド』の松本淳が監督を務める。



　翌週３月３日（土）からスタートするのが『映画ドラえもん　のび太の宝島』。「長編ドラえもん」の38作目だ。スチーブンソンの小説「宝島」をモチーフにしたオリジナル作品で、東宝のヒットメーカーである川村元気プロデューサーが自ら脚本を担当しているのが話題。ひみつ道具「宝探し地図」を使い、太平洋の島を目指して船出したのび太たちだが、海賊に襲われてしまう……。監督を務めるのは今井一暁で、初監督作『パロルのみらい島』でもコンビを組んだ亀田祥倫がキャラクターデザインを担当。その絵柄は予告を見る限り、どこかしら芝山努監督版を彷彿とさせる。



　同じく３日からスタートするのが『文豪ストレイドッグス　DEAD APPLE』。ＴＶアニメ化もされた朝霧カフカと春河35による人気マンガがついに劇場に登場する。文豪の名を冠した異能力者同士による多彩なバトルが魅力の作品だ。対象者の名は澁澤龍彦――主人公たち太宰治、中島敦らが所属する武装探偵社は異能力者連続自殺事件に関わる男を確保するよう依頼を受けるが。ＴＶシリーズに引き続き、五十嵐卓哉と榎戸洋司が監督・脚本でタッグを組み、ボンズがアニメーション制作を担う。

≪劇場アニメリスト≫
2018年２月21日現在、編集部調べ