ANIME NEWS

ニュースで振り返るアニメ界2017

 『君の名は。』「シン・ゴジラ」『この世界の片隅に』とヒット作、話題作に湧き、ビジネス規模も2兆円を超えたとされた2016年。その余波は今年も続き、顕彰が相次いだ。それに続くように、湯浅政明監督の新作『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』が立て続けに劇場公開。『夜は短し歩けよ乙女』はオタワ国際アニメーション映画祭で、『ルーのうた』はアヌシー国際アニメーション映画祭で、それぞれ最高賞の栄誉に輝いた。右肩上がりのヒットを続けてきた劇場版『名探偵コナン』も、『から紅の恋歌』で60億という史上最高の興収を更新、興行関係者を驚かせた。また、宮崎駿が引退を正式に撤回、『君たちはどう生きるか』という作品を作っていることが明らかになっている。
 国産アニメ100年という節目の年を飾る華やかな話題の一方で、TVシリーズでは様々なほころびも目に付いた。放映延期の話題はもはや日常茶飯事となりつつある。『されど罪人は竜と踊る』は放映月まで2週間を切っての延期発表ということで耳目を集めた。スタッフの入れ替え、制作会社の交代なども目につく。中でも『けものフレンズ』は、1月放映後の急激なヒットから9月の監督降板騒動と大きく揺れた。いわゆる日5枠、名古屋テレビ枠の消滅や『サザエさん』からの東芝の撤退などは、アニメとTVの関係そのものが揺らいでいることを感じさせる。
 DMM picturesの新規参入やNetflixによる大型企画の発表、アクタス等、制作会社の再編、昨年末ADKの大型買収が話題を呼んだGONZOの不正会計が明らかとなるなど、正負合わせ、ビジネス面でも大きな動きが相次いだ。
 来年以降に目を向けると、気になるのは『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド ―機動救急警察―』の動向だ。1月より新作をネット配信で始めると公表。8月には完全新作の劇場版も予定している。児童層のネット配信への親和性や、劇場版での大きな資金リターンといった狙いがうかがえるようだ。長年TVアニメを基本としてきた国産アニメだが、その構図が書き換わろうとしている。児童層は将来のアニメファンの苗床でもあるだけに注目だろう。

●1月

▼【出来事】立花慎之介と高梁碧結婚(1日)
 他にも、寺島拓篤と佐藤聡美(7月6日)、野中藍(8月21日)、豊崎愛生(10月26日)、下田麻美(12月26日)などが結婚。
▼【出来事】声優の内田真礼が三菱地所レジデンスのCMに出演(5日)
▼【イベント】キネマ旬報ベスト・テン1位に『この世界の片隅に』(10日)
 アニメ作品が1位に選ばれたのは『となりのトトロ』以来。合わせて、監督賞に片渕須直が、脚本賞に庵野秀明(「シン・ゴジラ」)が選ばれた。
▼【TV】『リトル ウィッチ アカデミア』放映開始(10日)
 文化庁若手アニメーター育成プロジェクトの短編に端を発した企画が、中編劇場作品を経て、TVシリーズ化を果たした。
▼【訃報】野崎欣宏(10日)
 75歳。虫プロダクション、オフィスアカデミー等を経て、伸童舎を創業。アニメ関連出版物の編集から作品企画まで広く関わる。
▼【TV】『けものフレンズ』放映開始(12日)
 のほほんとしたキャラクター、チープなCGと、意外に奥行きのある設定が奇妙な味わいを醸して、ヒット作に。
▼【イベント】第71回毎日映画コンクール発表(19日)
 「シン・ゴジラ」が大賞に、『この世界の片隅に』が優秀賞に選ばれた。『この世界の片隅に』は大藤信郎賞も同時受賞。アニメーション映画賞には『君の名は。』が選ばれた。また特別賞が白組社長の島村達雄に贈られている。
▼【イベント】東京アニメアワード功労者部門発表(19日)
 明田川進、池田宏他が選ばれた。
▼【訃報】中村雅哉(22日)
 91歳。バンダイナムコホールディングス最高顧問。ナムコ創業者。ゲーム「パックマン」の生みの親として知られる。日活の再建に乗り出し、『GUNDRESS』の製作に名を連ねている。
▼【イベント】第59回ブルーリボン賞、監督賞に片渕須直(25日)
 東京のスポーツ紙の映画担当記者で構成された東京映画記者会による映画賞で、アニメーション監督の受賞は初めて。また『君の名は。』が特別賞に選ばれた。
▼【訃報】藤村俊二(25日)
 82歳。心不全により。俳優。おヒョイさんの愛称で親しまれ、広く活躍。『黒執事』のタナカの声を演じていた。
▼【出来事】週刊女性の付録に『ユーリ!!! on ICE』ポスター(31日)
 この日発売の2月14日号に『ユーリ!!! on ICE』のオリジナル両面ポスターがの綴じ込み付録として掲載。また、10月28日発売のファッション誌「Numero TOKYO」12月号では特集記事のほか、表紙を飾る特別号も作られた。

●2月

▼【イベント】第44回アニー賞(4日)
 長編作品賞に『ズートピア』、長編インディペンデント作品賞に『レッドタートル ある島の物語』が選ばれた。また、功労賞であるウィンザー・マッケイ賞が押井守に贈られた。
▼【訃報】鈴木清順(13日)
 映画監督。慢性閉塞性肺疾患のため。93歳。日活で監督デビューし、代表作に「けんかえれじい」「ツィゴイネルワイゼン」等がある。『ルパン三世[第2作]』の監修や『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』で共同監督を務める。
▼ 【出来事】『あんさんぶるスターズ!THE ANIMATION』放送延期(17日)
 女性向け人気スマホゲーム『あんさんぶるスターズ!』のアニメ版として、本年の放映が予定されていた。理由についてリリースでは「諸般の事情」としている。
▼【劇場】『ソードアート・オンライン ―オーディナル・スケール―』公開(18日)
 興収20億超のヒットに。北米や中国でも公開され、世界累計で興収43億円超。今年のアニプレックス配給作品は『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』『Fate stay night Heaven’s Feel I presage flower』といずれも高い興収を挙げた。
▼【出来事】水樹奈々を脅した男性逮捕(20日)
 声優・歌手の水樹奈々を「殺す」とtwitterに投稿した滋賀県の30代男性を警視庁赤坂署が威力業務妨害容疑で逮捕。
▼【ビジネス】ADKがゴンゾの不正会計で処分発表(20日)
 ADKの子会社となったゴンゾだが、昨年末に粉飾決算が発覚。最終的に15億近くが不正会計と認定。この日、石川社長の3年間減給と根本慎太郎副社長の解任が発表された。
▼【出来事】『陸にあがった人魚のはなし』企画発表(21日)
 東映が村田朋泰による『陸にあがった人魚のはなし』のコマ撮りアニメーション企画を発表。パイロットの資金を集めるためクラウドファンディングを開始。5月8日までに目標額の350万円を達成。
▼【出来事】小野賢章と花澤香菜が交際を表明(22日)
 人気声優の2人が「真剣にお付き合い」と表明。直前に週刊文春が2人の交際を報じていた。
▼【出来事】日本アニメーションクラシックス(22日)
 国産アニメーション生誕100年を記念して、フィルムセンターが所蔵の戦前64作品をWEB上で公開。
▼【ビジネス】アニマックスとキッズステーションが経営統合(23日)
 持ち株会社を設立し2社を傘下に収める。動画配信サービスの台頭で有料放送の経営環境は厳しさが増しているという。
▼【劇場】『OVERLORD 不死者の王』公開(25日)
 TVシリーズの総集編を前後編に分けて公開。KADOKAWA ANIMATIONレーベルがスタート。
▼【イベント】米アカデミー賞(27日)
 長編アニメーション賞に『ズートピア』。ノミネートされていた『レッドタートル ある島の物語』は受賞ならず。

●3月

▼【出来事】『D.Gray-man HALLOW』ソフト発売中止(1日)
 公式サイトにて発表。「諸般の事情により」としている。
▼【イベント】日本アカデミー賞発表(3日)
 最優秀アニメーション作品賞に『この世界の片隅に』。最優秀脚本賞に『君の名は。』の新海誠が選ばれた。
▼【劇場】『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』公開(4日)
 高橋敦史監督・脚本によるオリジナル作品。興収44億円を超えるヒット作となった。
▼【出来事】スフィア活動休止(4日)
 人気声優ユニット・スフィアが今年のライブツアーの終了をもって活動を休止すると発表。2019年まで充電期間に入るという。
▼【イベント】芸術選奨文部科学大臣賞発表(8日)
 映画部門で、庵野秀明と片渕須直が選出された。
▼【ビジネス】DMM.comアニメ参入を正式発表(10日)
 DMM picturesレーベルを設立。
▼【イベント】東京アニメアワードフェスティバル開幕(10日)
 13日まで東京・池袋にて開催。「アニメ オブ ザ イヤー」部門で『聲の形』『ユーリ!!! on ICE』に、コンペティション部門で『手を失くした少女』と『翼と影を』にそれぞれグランプリが贈られた。
▼【出来事】マイケル・ジャクソンのアニメ制作で詐欺(11日)
 肖像権を持っていると偽り、マイケル・ジャクソンのアニメ制作をもちかけ、1千万円超をだまし取ったとして東京都の会社役員親子が逮捕。実際に制作されたものの、未放映だという。
▼【イベント】第20回文化庁メディア芸術祭受賞作発表(16日)
 アニメーション部門大賞に『君の名は。』が選ばれた。
▼【イベント】第11回声優アワード発表(19日)
 主演男優賞に神木隆之介、主演女優賞に上白石萌音が選ばれた。
▼【訃報】水野和則(19日)
 演出家。ぴえろ作品を中心に長年活躍。『どっきりドクター』では監督を務めた。
▼【ビジネス】徳間書店、CCC傘下に(21日)
 TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループのカルチュア・エンタテインメントが徳間書店の株式を取得、子会社化した。12月には主婦の友社も傘下に収まっている。
▼【出来事】アニメロサマーライブにゴキブリをまいた容疑者を逮捕(23日)
 アニメロサマーライブ2016でゴキブリ数十匹をまき散らし、業務を妨害したとして大阪在住の30代男性が逮捕された。
▼【イベント】AnimeJapan 2017開幕(23日)
 26日まで東京ビッグサイトで開催。来場者数は過去最多の14万5453人。

●4月

▼【TV】MBS「日5」枠終了(2日)
 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ[第2期]』最終回。2002年の『機動戦士ガンダムSEED』の土曜日午後6時枠のヒットを皮切りに、2008年に日曜午後5時へと時間帯を移しながら、「土6」「日5」の通称で親しまれた毎日放送の全国ネットアニメ枠が終了。毎日放送のアニメ枠は、TBS制作枠と合わせ、土曜日午前6時30分の「アニメサタデー630」へと継承されるかたちに。
▼【劇場】『夜は短し歩けよ乙女』公開(7日)
 森見登美彦の小説を湯浅政明監督がアニメ化。湯浅のオリジナルである『夜明け告げるルーのうた』も翌5月19日に公開。さらに2018年初頭からは監督作『DEVILMAN crybaby』のネット配信もスタート。
▼【TV】『正解するカド』放映開始(7日)
 東映アニメーションがセルルック3DCGのTVアニメに初めて挑んだ作品。オリジナルであり、小説家の野崎まどがシリーズ構成を担当し、シリーズディレクター制ではなく村田和也が総監督を務めるなど、異例づくし。
▼【訃報】松山祐士(7日)
 作曲家。79歳。自宅火災にて。渡辺岳夫と組み、『機動戦士ガンダム』等、数々の作品で作編曲を手がける。
▼【出来事】アニメディアが電子版配信(10日)
 アニメディアがこの日発売の5月号から電子版の配信をスタート。アニメ誌ではすでにPASH!が2016年6月から電子版に参入している。
▼【訃報】塩山紀生(13日)
 アニメーター。77歳。自宅火災にて。『無敵鋼人ダイターン3』『装甲騎兵ボトムズ』『鎧伝サムライトルーパー』等でキャラクターデザイン、作画監督を務める。
▼【劇場】『名探偵コナン から紅の恋歌』公開(15日)
 興行収入68億円を超え、邦画ナンバー1の大ヒットを記録。
▼【劇場】『劇場版 Free!-Timeless Medley- 絆』公開(22日)
 7月公開の『約束』と合わせ、TVシリーズを大胆に再構成。監督も内海紘子から河浪栄作に交代。
▼【出来事】細谷佳正休業(24日)
 のどの治療のため、しばらくの休業を公式サイトで発表。8月6日のラジオ番組への登場を皮切りに復帰を果たしている。
▼【出来事】山本寛新企画、CF目標額達成(25日)
 山本寛監督が進めている新アニメ企画のクラウドファンドが目標額1500万円を達成。タイトルは「薄暮」で2018年劇場公開を目指すという。

●5月

▼【ビジネス】DLEが赤字に転落(15日)
 6月期の連結業績予想を大幅に下方修正。最終損益が16億円の赤字になると発表。中国でのつまづきと、人材難によるフラッシュアニメ事業の撤退が原因という。
▼【イベント】藤本賞に『君の名は。』(19日)
 藤本賞は映画の製作者を中心に顕彰する賞。『君の名は。』の製作陣に贈られたほか、特別賞が「シン・ゴジラ」『この世界の片隅に』の製作陣に贈られた。
▼【出来事】宮崎駿、公式に引退を撤回(19日)
 スタジオジブリが動画と背景美術のスタッフを募集。宮崎駿の新作長編アニメーション映画制作のためと理由を明言。10月28日には、タイトルが『君たちはどう生きるか』であると宮崎自身が明らかにした。
▼【訃報】井川浩(22日)
 編集者。83歳。小学館の学年誌創刊に関わり、角川書店でザ・テレビジョンの初代編集長を務めたほか、Newtypeの立ち上げに関わる。
▼【出来事】『けものフレンズ』スタッフクレジット変更(26日)
 公式サイトで「制作体制の実情」に即すべく、シリーズ構成・脚本を田辺茂範から監督のたつきに変更すると告知。
▼【出来事】フジテレビでネットの創作を宮崎駿の発言と紹介(28日)
 フジテレビの「ワイドナショー」で、宮崎駿の引退撤回について紹介した際、ネット上の創作発言を使用。公式サイトがお詫びを出すに至った。

●6月

▼【ビジネス】サイゲームスが30億円のアニメ投資ファンド設立(8日)
 サイゲームスはソーシャルゲーム大手。親会社のサイバーエージェントと共同で「CA-Cygames アニメファンド」を設立すると発表。総額30億規模を製作委員会へ出資していく。
▼アニメディア7月号の表紙に『家庭教師ヒットマン REBORN!』(10日)
 4月からスタートしたBlu-ray box発売にあわせての表紙&巻頭特集。放映中ではない作品が登場するのはきわめて異例。
▼【劇場】『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』公開(10日)
 カルト的人気を集めた「キンプリ」の第2弾。
▼【出来事】新海誠監督に不倫報道(13日)
 日刊スポーツが、新海誠監督の不倫を報道。新海誠は報道女性との会食等はあったが、交際の事実はないと否定。
▼【出来事】藤原啓治復帰(16日)
▼【イベント】『夜明け告げるルーのうた』アヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞(17日)
 アヌシー国際アニメーション映画祭で『夜明け告げるルーのうた』が長編部門の最高賞であるクリスタル賞に選出。日本作品の選出は『平成狸合戦ぽんぽこ』以来。また『この世界の片隅に』が同部門審査員賞を、冠木佐和子の『夏のゲロは冬の肴』が卒業制作部門で審査員賞を受賞。
▼【出来事】ガイナックスに1億円支払い命令(23日)
 カラーとガイナックスのあいだでの未払い金をめぐる係争について、東京地裁立川支部はカラー側の請求を全面的に認め、約1億円の支払いを命じた。
▼【出来事】ゆいかおり解散(30日)
 ゆいかおりは声優の小倉唯、石原夏織によるユニット。
▼【ビジネス】アートランド債務超過・事業停止の報道(30日)
 1978年設立から合併・分社化を経て、企画制作部門が独立、2010年より株式会社アニメーションスタジオ・アートランドとして現在に至っていた。アートランドは8月30日に大株主の移動があったとして、「債務状態を整理しつつ、業務を継続」すると発表。絵梦も9月1日付けで、7月12日に株式会社 LEVELSに株式譲渡したことを明らかにした。
▼【出来事】神戸アニメストリート閉館(30日)
 震災からの復興を掲げた再開発ビル内に2015年3月にオープン。神戸市の支援を受けた事業だったが、売り上げの未払いなどの問題が発覚。4月22日に社長名義のお詫びが出る事態となっていた。社長の岸建介はガイナックスWESTの役員でもある。

●7月

▼【出来事】石川由依の結婚を所属事務所が否定(5日)
 俳優の矢崎広が結婚を報告。『ヒロイック・エイジ』の鈴木利正監督がキャラクター名で祝福した結果、ヒロインを務めた石川と結婚したとの噂が広まっていた。
▼【劇場】『メアリと魔女の花』公開(8日)
 米林宏昌監督のジブリ独立第1作。西村義明プロデューサーとともにスタジオポノックを設立、劇場作品の公開へとこぎ着けた。
▼【訃報】横山菁児(8日)
 作曲家。82歳。肺炎により。アニメの代表作に『宇宙海賊キャプテンハーロック』『聖闘士星矢』がある。
▼【ビジネス】IGポートグループが合同でコンテスト(10日)
 IGポートグループ10周年記念を謳い、プロジェクトBIGSHIPと銘打って、グループ各社が合同でコンテストを実施。
▼【劇場】『劇場版 ポケットモンスター キミにきめた!』公開(15日)
 劇場版長編20作めを記念し、サトシとピカチュウの出会いを原点回帰的に描き直す。5年ぶりに興行収入が30億を超えるヒットとなった。
▼【出来事】東京アニメセンター閉館(19日)
 秋葉原UDXとの契約終了のため。11月に市ヶ谷へ移転オープン。
▼【イベント】湯浅政明と片渕須直、文化庁長官表彰を受ける(19日)
 芸術各分野において国際的に活躍し、特に顕著な成果をあげた個人に対し、文化庁長官が表彰するもの。
▼【出来事】上坂すみれ殺害予告で逮捕者(19日)
 声優の上坂すみれに殺害予告をしたとして、警視庁は山形県の高専生を威力業務妨害の容疑で逮捕したと発表。ネットの掲示板で20回に渡って殺害をほのめかしたという。
▼【ビジネス】バンナムHD、東映アニメーション株式を公開買付(19日)
 バンダイナムコホールディングスは東映アニメーション株式の公開買い付けを実施すると発表。株主順位がこれまでの8位から3位に浮上。
▼【出来事】浪川大輔に不倫報道(19日)
 週刊文春が報じた。浪川は自身の事務所を通じ、騒ぎを詫びるととともに信頼回復に向けて精進していくと表明。
▼【訃報】小川寛興(19日)
 作曲家。92歳。多発性脳梗塞にて。草創期のTVドラマを中心に活躍。「月光仮面」「仮面の忍者 赤影」の音楽で知られる。アニメでは『ピュンピュン丸』がある。
▼【訃報】平尾昌晃(21日)
 歌手・作曲家。79歳。歌手として人気を博した後、作曲家に。「瀬戸の花嫁」「二人でお酒を」などヒット曲をいくつも手がける。アニメの代表作に『キャプテンハーロック』『誰がために』『銀河鉄道999』など。
▼【出来事】茅原実里に交際報道(22日)
 週刊文春が報道。本人も事実と認める。
▼【訃報】増尾昭一(24日)
 アニメーター。57歳。メカアニメーター・デザイナーとして『ふしぎの海のナディア』『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』等で活躍。
▼【訃報】山川啓介(24日)
 作詞家・脚本家。72歳。肺がんのため。歌謡曲、童謡でのヒット曲多数。アニメの代表作に「夢の舟乗り」「銀河鉄道999」等がある。
▼【訃報】椛島義夫(25日)
 アニメーター。72歳。『ガンバの冒険』、劇場『ルパン三世』でキャラクターデザイン、作画監督を担当。東映動画からAプロダクションを経て、夢弦館の代表を務めていた。

●8月

▼【ビジネス】日本コロムビアが上場廃止、フェイスの完全子会社に(1日)
 音楽配信を手がけるフェイスが、傘下の日本コロムビアを完全子会社化。
▼【ビジネス】ソニーがファニメーション買収(1日)
 ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが、米国で日本アニメの配給・配信を手がけるファニメーションを157億円で買収すると発表。
▼【ビジネス】Netflixアニメスレート2017開催(2日)
 米国ネット配信大手Netflixが『DEVILMAN crybaby』他、多数の作品を製作、世界同時配信すると公表。
▼【ビジネス】東映、DLEらが企画開発会社を設立(3日)
 東映、東映アニメーション音楽出版、DLEの3社がオリジナルコンテンツの企画開発プロデュースを手がける会社・コヨーテを設立。
▼【出来事】種田梨沙復帰(4日)
 喉の治療のため休業していた声優の種田梨沙が仕事を再開。所属事務所が明らかにした。体調を考慮しながら「少しずつお仕事を再開させて頂く」とのこと。
▼【訃報】瀬能礼子(8日)
 声優・俳優。84歳。テアトル・エコーに所属し、舞台を中心に活躍。『スプーンおばさん』ではスプーンおばさんを演じた。
▼【TV】『ポプテピピック』放映延期(11日)
 当初発表の10月から2018年4月に延期すると公式サイトが明らかにした。理由について「キングレコードの勘違いにより」と説明。
▼【劇場】『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』公開(18日)
 映画監督・岩井俊二の出世作となったTVドラマを、新房昭之総監督、シャフト制作で劇場アニメ化。
▼【出来事】『活撃 刀剣乱舞』スタッフ発言で謝罪(21日)
 8話演出担当の高橋タクロヲがtwitter上で「不適切かつ不快な」発言を行ったとして、制作元のユーフォーテーブルがお詫びを表明した。
▼【出来事】日本のアニメ聖地88を発表(26日)
 「訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2018年版)」と題してアニメツーリズム協会が発表。
▼【訃報】古田信幸(29日)
 声優。59歳。気管支動脈破裂により。アニメでの代表作に『銀河漂流 バイファム』のシド・ミューラァ、『幽★遊★白書』の左京など。

●9月

▼【ビジネス】バンダイビジュアル、アクタスを子会社化(1日)
 「IP創出の強化を目的」としてアクタスの株式を100%買い取り、傘下に収めた。
▼【ビジネス】アニプレックスがリボルブ筆頭株主に(4日)
 リボルブはフィギュアメーカー。
▼【訃報】中嶋聡彦(8日)
 声優、音響監督。55歳。『はじめの一歩』シリーズの八木マネージャー、『名探偵コナン』のトメさん、『忍たま乱太郎』の厚着太逸先生(2代目)など、名バイプレイヤーとして活躍。近年では『たまごっち!』などで音響監督も務めていた。
▼【訃報】金大中(14日)
 韓国のアニメーター、演出家。代表作に『2020年ワンダー・キディ』等。大元メディア(大元動画)の設立に参加。下請けとして東映動画作品に多く携わる。『ウルトラマンキッズ M7.8星のゆかいな仲間』では作画監督を務めている。
▼【イベント】オタワ国際アニメーション映画祭開幕(20日)
 『夜よ短し歩けよ乙女』が長編部門でグランプリを受賞。
▼【TV】『されど罪人は竜と踊る』 放映延期(22日)
 公式サイトにて。10月に放映予定だったが、2018年4月への延期を発表。「制作の都合上」としている。
▼【TV】『6HP』第1話完全版放映(24日)
 『6HP』は芸術家・村上隆が進めるアニメプロジェクト。昨年末12月30日に未完成状態の第1話が放映。その後、6月24日に事前に制作されていたフルCG版が放映。12月23日には第2話が放映された。
▼【TV】『ヘボット』終了(24日)
 40年にわたって続いた(一時期東京ムービー、マッドハウス制作含む)、サンライズ(BNP)×名古屋テレビの全国ネット枠が消滅。
▼【TV】『けものフレンズ』たつき監督が降板を表明(25日)
 理由について「ざっくりカドカワさん方面よりのお達し」と述べ、公式サイトも追認するコメントを発表、ファンから非難が殺到する騒ぎに。10月2日にKADOKAWAの井上伸一郎専務が騒動を謝罪。製作委員会と制作会社ヤオヨロズの間に溝があったことを認めた。最終的にヤオヨロズが制作から外れることが明らかに。
▼【TV】『Princess Principal』ソフト収録順変更を発表(25日)
 Blu-ray&DVDの話数の収録順をTV放送時と一部変更すると発表。5、7、6、9、8、10話の順番でのリリースとなる。
▼【イベント】文化庁映画賞発表(25日)
 映画功労部門で撮影監督の高橋宏固、編集の古川雅士を顕彰。
▼【劇場】「クドわふたー」劇場版制作へ(26日)
 ゲーム「リトルバスターズ」のスピンオフ企画「クドわふたー」の劇場版制作が決定。アニメ化を目指し、7月19日よりクラウドファンディングを開始していた。初期目標を大きく上回る6000万円を集め、40分の新作劇場アニメ制作を目指す。
▼【出来事】『君の名は。』ハリウッドで実写化へ(28日)
 東宝がパラマウントとバッド・ロボットによる『君の名は。』の実写化を発表。東宝の川村元気プロデューサーも企画に参加しているという。
▼【訃報】槐柳二(29日)
 声優・俳優。89歳。うっ血性心不全にて。テアトル・エコーのメンバーとして活躍。「仮面ライダー」シリーズでは初回の蜘蛛男をはじめ、シリーズを通じ怪人の声を数多く担当。アニメの代表作に『天才バカボン』のレレレのおじさん、『赤毛のアン』のマシュウ等。

●10月

▼【ビジネス】ADK、米投資ファンドによる買収を発表(2日)
 広告代理店のADKが北米投資ファンドのベインキャピタルよる買収を発表。収益性の改善を目指し、WPPとの提携を解消する。
▼【ビジネス】ブシロード、代表を変更(2日)
 トレーディングカード事業のブシロードが創業者・木谷高明の代表退任を発表。取締役となる。現場で「陣頭指揮を執りやすくする」ためとしている。
▼【TV】『おそ松さん[第2期]』放映開始(3日)
▼【TV】『TSUKIPRO THE ANIMATION』放映開始(4日)
 『DYNAMIC CHORD』『ドリフェス!!!!!! R』『THEiDOLM@STER SIDE M』も合わせ、女性向け男性アイドルアニメが4作同時期スタート。
▼【TV】「アンパンマンとどろんこ魔王」放映(6日)
 『それいけ!アンパンマン』が放映30年目に突入。永丘昭典監督自ら絵コンテを手がけ、節目の回らしく、アンパンマンの誕生を回顧するスペシャルなエピソードとなった。
▼【TV】『宝石の国』放映開始(7日)
 市川春子の人気マンガが原作。3DCGを手がけるオレンジが初めて単独元請けを手がけ話題に。
▼【イベント】『この世界の片隅に』に菊池寛賞(12日)
 第65回菊池寛賞が発表。夢枕獏などと共に、映画「この世界の片隅に」に関わったチーム一同が選ばれた。同賞は日本文学振興会が主催し、文化活動おいて優れた業績をあげた人物・団体に贈られる。
▼【ビジネス】アニメ産業市場2兆円超え(24日)
 日本動画協会が昨年のアニメ産業市場規模が2兆9億円にのぼると発表。2兆円を初めて超えたとした。

●11月

▼【TV】東芝『サザエさん』降板へ(1日)
 東芝が『サザエさん』の番組スポンサーの降板を申し入れていることが明らかに。1969年の放映開始からスポンサーを務めてきたが、経営危機を迎えて決断。
▼【ビジネス】亜細亜堂労組結成(10日)
▼【イベント】新海誠展、国立新美術館で開催(11日)
 6月に静岡県三島市、9月に長野県南佐久郡で催された展示の巡回展。
▼【出来事】『ガールズ&パンツァー』校章を無断複製の男性逮捕(14日)
 劇中に登場する校章を複写したステッカーを販売した容疑。
▼【訃報】鶴ひろみ(16日)
 声優。57歳。大動脈解離にて。首都高速上の車内で意識不明のところを発見された。子役として活躍後、『ペリーヌ物語』のペリーヌなどを経て、声優へ。『きまぐれオレンジ☆ロード』の鮎川まどか、『DRAGON BALL』シリーズのブルマ、『それいけ!アンパンマン』のドキンちゃんなど代表作多数。なお、ドキンちゃん役は佐久間レイの代役を経て、来年より冨永みーなが務める。
▼【TV】『Butlers~千年百年物語~』放映延期(17日)
 2018年1月と告知されていたが、「諸般の事情により」4月へ延期。
▼【出来事】朝ドラヒロインはアニメーター志望(20日)
 NHKが再来年(2019年)前期の朝の連続テレビ小説を発表。100作目となる「夏空」のヒロインは、アニメーターを目指す女性の物語。草創期のアニメーション業界が舞台になるという。
▼【出来事】るろうに剣心原作者を書類送検(21日)
 マンガ家・和月伸宏を児童買春・児童ポルノ禁止法違反で警視庁が書類送検。
▼【出来事】ジョン・ラセター休職(21日)
 ジョン・ラセターが、セクハラの指摘を受け謝罪。半年間の休職を発表。ラセターはピクサーとディズニーのアニメーション部門の総責任者。
▼【出来事】プロ野球選手の実家に風評被害(21日)
 西武ライオンズの外崎修汰選手が実家のりんご農家への風評被害をtwitterで訴え。19日に行われたイベントで声優の外崎友亮が日高里菜にセクハラめいた発言をし、同じ名字である外崎選手の実家が縁戚であるとされ、苦情が殺到したという。
▼【出来事】『ドライブヘッド』新作配信&劇場版発表(25日)
 年内にTVシリーズが終了する『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド ―機動救急警察―』だが、1月より新作をネット配信、8月には新作劇場版を公開すると発表。
▼【ビジネス】ジブリ社長交代(28日)
 三鷹の森ジブリ美術館館長であった中島清文が社長に。星野康二社長は会長へ。
▼【出来事】娘TYPE休刊(30日)
 この日発売の2018年1月号をもって。
▼【ビジネス】TYOアニメーションズがグラフィニカ子会社に(30日)
 グラフィニカ親会社のメモリーテック・ホールディングスが発表。同時に、旧名のゆめ太カンパニーへと名称変更する。

●12月

▼【TV】「電光超人グリッドマン」のアニメ化発表(2日)
 1993年に円谷プロが制作した特撮作品。アニメーション制作はTRIGGERが担う。
▼【出来事】日本動画協会前事務局長が書類送検(6日)
 日本動画協会の前事務局長・松本悟が暴行と虚偽告訴の容疑で書類送検。暴行は東京アニメアワードフェスティバル2016の準備中の出来事だという。同フェスを巡っては、元ディレクターと動画協会が係争中。なお、動画協会の事務局長には11月1日付でADK出身の近藤直司が就任している。
▼【劇場】『ガールズ&パンツァー 最終章』第1話上映開始(9日)
▼【劇場】来年の劇場版『ポケモン』の監督に矢嶋哲生(11日)
 2018年の劇場版『ポケットモンスター』が発表。長年総監督を務めてきた湯山邦彦はアニメーションスーパーバイザーとなり、監督に矢嶋哲生、キャラクターデジザインに金子志津枝を起用。アニメーション制作にOLMと並び、WIT STUDIOが名を連ねる。
▼【出来事】ディズニー、20世紀フォックス他を買収(14日)
 ディズニーは21世紀フォックスの映画、TV事業を買収すると発表。
▼【訃報】大木民夫(14日)
 声優。89歳。アフレコ草創期より活躍。アニメでは博士、長老など役職のつく役柄を数多く演じている。印象的なものに『闘将ダイモス』の三輪長官、『あしたのジョー2』の白木会長、『トップをねらえ! GunBuster』のタシロ艦長、『交響詩篇エウレカセブン』のケンゴーなど。
▼【出来事】バファリン、『キンプリ』とコラボ(15日)
 鎮痛薬バファリンが『KING OF PRISM』とコラボレーション。商品パッケージにスマホをかざすとプリズムスタァが登場するARアプリを提供する。
▼【出来事】中東地域限定で『アイゼンボーグ』のドキュメンタリー放映(15日)
 『恐竜大戦争アイゼンボーグ』に関する新作映像を含むドキュメンタリーが中東TV局のSpacetoonにて放映。制作した円谷プロは、現地からの強い要望によると説明。
▼【訃報】島田満(15日)
 脚本家。58歳。東映動画第1期研修生として採用され、大学在学中に『Dr.スランプ アラレちゃん』でデビュー。代表作に『ロミオの青い空』等。近年では『うっかりペネロペ』『リトルウィッチアカデミア』等のシリーズ構成を務めていた。
▼【出来事】遠藤ゆりか引退発表(17日)
 声優の遠藤ゆりかが来年5月を目途に引退すると発表。体調不良を理由のひとつに挙げた。
▼【ビジネス】ドワンゴ・川上、代表取締役会長退任(21日)
 ネット配信サービス大手のドワンゴが、創業者・川上量生の代表退任を発表。今後は代表権のない取締役として、IT面の最高責任者として、サービス強化と先端技術開発に注力する。
▼【出来事】『なまくら刀』の新フィルム発見(22日)
 『なまくら刀』は現存する最古の国産アニメーションで、幸内純一が製作したもの。これまでに2点のフィルムが確認され、4分ほどの作品として復元されていた。今回新たなフィルムが発見され、新たにな部分が後半2分ほど見つかった。
▼【ビジネス】セブン・アークス、TBSの子会社に(26日)
 TBSがセブン・アークスグループを完全子会社化したと発表。グループ企業はアークトゥールス、セブン・アークス、セブン・アークス・ピクチャーズの3社。