東映動画(現・東映アニメーション)が発足してから今年で60年。日本の商業アニメの歴史はここから始まったと言っていいだろう。そんな節目の年に、ふたつ劇場作品がアニメ界、映画界を越えて、社会現象と言っていい広がりを見せた。庵野秀明監督の「シン・ゴジラ」と新海誠監督の『君の名は。』である。
2人に共通するのは、強力なイマジネーションと並外れたサービス精神でアマチュア時代から名を馳せたフィルムメーカーであったこと。2作とも、このふたつの力がプロの大舞台で遺憾なく発揮されている。将来を嘱望された2人が、国民的評価を得るに至ったのをついにと捉えるか、長かったと見るかはそれぞれだろう。
この出来事に象徴されるように、劇場作品でアニメの話題作が続出。『傷物語』『KING OF PRISM by PrettyRhythm』『同級生』『映画 聲の形』『この世界の片隅に』など、話題作、注目作が次々と公開された。大ヒットの影に隠れたかたちだが、『名探偵コナン 純黒の悪夢』も興行収入60億円超を記録。これは他の年度なら、年間邦画ベストワンとなってもおかしくない数字である。「国民的映画」と呼んでも恥ずかしくないシリーズに成長したと言えるだろう。
華やかな劇場作品の話題の一方で、TVアニメには放映中止などの厳しい話題が相次いだ。1月には『神撃のバハムート マナリアフレンズ』が直近になって放映中止を告知。同じサイゲームスのヒットゲーム『グランブルーファンタジー』も年末になって、当初の1月放映予定が4月へと変更された(1月に先行放映あり)。アクタス制作のオリジナル作品『レガリア』も放映途中で突然中断。期間をおいてリスタートするという異例の展開をみせた。企画・放映本数の増加による「2016年危機」が以前より囁かれていたが、それが現実化した様相だ。
そんな中、女性向けで大きなヒット作が生まれたのは朗報だろう。昨年から続く『おそ松さん』はフィーバーとも言える大ヒット。さらに、秋からは山本沙代監督のオリジナル『ユーリ!!! on ICE』が旋風のように登場、ファンの熱狂冷めやらぬまま最終回を迎えている。他に、中国系会社の出資が目立ったのも注目すべき動きだ。
来年2017年は日本でアニメーションが誕生してからちょうど100年。新たなる動きを期待したい(B)。
●1月
▼【出来事】斎藤桃子結婚(5日)
声優では他にも、3月に石井マーク・榎本温子、5月に三宅淳一(お相手はイラストレーターの西又葵)、8月に会一太郎・佐々木愛、喜多丘千陽(旧芸名・合田彩)、花江夏樹、福井裕佳梨(お相手はやまけんの愛称で知られるラジオパーソナリティの山本健司)が、10月に國立幸が、それぞれ結婚を明らかにした。また9月には豊口めぐみが出産準備のためしばらく休業することを告知、あわせて数年前に結婚していることを明かしている。
▼【ネット】amazonプライムで『昭和元禄落語心中』1話を先行配信(7日)
8日スタートの地上波に先駆けネット配信。2話以降は地上波の翌日配信に。
▼【劇場】『傷物語 鉄血篇 』公開(8日)
長く制作中だった、「物語」シリーズの前日譚が3部作で公開。尾石達也監督の美意識が隅々まで発揮された作品となっている。
▼【出来事】『おそ松さん』人気で各アニメ誌が増刷に(9日)
『おそ松さん』の大特集をしたアニメージュをはじめ、関連記事・付録のあるアニメディア、オトメディア、PASH!が発売直後から品薄となり、各誌とも増刷を決定。アニメディアは創刊以来初めて、アニメージュは1980年3月号以来という。また、1月29日には『おそ松さん』の映像ソフト1巻が発売され、初動8万枚を超える売り上げを記録した。
▼【出来事】パーフェクトデータ終了(9日)
アニメージュ創刊初期から1986年1月号のリニューアルを経て続いてきた名物記事「PERFECT DATA」「全国放送局別放映リスト」がこの2月号で休載、そのまま終了となった。
▼【TV】『名探偵コナン』放映20周年(9日)
2週連続で1時間枠のスペシャルを放映。
▼【劇場】『KING OF PRISM by PrettyRhythm』公開(9日)
『プリティ~ リズム レインボ~ライブ』のスピンオフ作品。同作に登場した男性アイドルが活躍する世界をキッチュに描く。応援上映が話題を呼んで公開が拡大、女性を中心にカルト的な人気を博した。
▼【TV】『靈劍山 星屑たちの宴』放映(10日)
中国のIT企業グループ・テンセント傘下の企業が出資。ハオライナーズブランドの日本展開第1弾。
▼【出来事】高木渉、大河ドラマ出演(10日)
『名探偵コナン』の元太、高木刑事役で知られる声優の高木渉が、NHKの大河ドラマ「真田丸」に小山田茂誠(主人公・真田信繁の義兄)役でレギュラー出演し、話題に。
▼【訃報】吉岡昌仁(14日)
56歳。トムス・エンタテインメントのプロデューサーとして活躍。代表作に『名探偵コナン』『マジックナイト レイアース』等。
▼【TV】『ノラガミ ARAGOTO』BS11で残り話数を放映(21日)
劇中で使用した曲のトラブルからBSフジで未放映となっている『ノラガミ ARAGOTO』最終4話(10~13話)が、BS11で放映。事実上のキー局であるBSフジでの放送再開の見込みが立たず、今回の対応に至った。
▼【イベント】毎日映画コンクール発表(21日)
アニメーション映画賞に原恵一監督の『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』が、大藤信郎賞に折笠良監督の『水準原点』が選ばれた。
▼【出来事】『シン・ヱヴァ』フェイク予告(24日)
『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版』最終作の情報公開が8月31日あるとの動画が株式会社カラー名義でYoutubeに登場。違法動画としてすぐに削除された。
▼【出来事】ベストフンドシストに西明日香(29日)
一般社団法人日本ふんどし協会がベストフンドシストアワード2015を発表。受賞者の1人に声優の西明日香が選ばれた。
●2月
▼【出来事】スターチャイルド・ブランド終了(1日)
キングレコードの社内カンパニーであるスターチャイルドが、キングアミューズメントクリエイティブ本部へと改組。前後して同部門のトップにあった大月俊倫も(直接の関係は否定したが)引退を明らかにした。
▼【出来事】ふるさと納税にアニメ会社見学(1日)
東京都多摩市は「ふるさと納税ラスカルプラン」を開始。日本アニメーションのスタジオを見学できるプランで、7万円以上の寄付をした多摩市外在住者が対象。
▼【訃報】篠原大作(1日)
俳優・声優。82歳。アニメ、TVドラマを問わず、アナウンサー役で活躍。他に『ぷるるんっ! しずくちゃん』の極楽先生など。
▼【訃報】韮沢靖(2日)
造形師、イラストレーター。腎不全のため。52歳。特撮番組等のクリーチャーデザインで活躍。アニメでは『Vampire Hunter D』『GUILSTEIN』等に関わる。
▼【イベント】TAAF功労部門顕彰者発表(4日)
芦田豊雄、浦上靖夫、太田淑子、島村達雄、鈴木伸一、橋本潔、ひこねのりお、水木一郎、水木しげる、吉田喜昭ら。
▼【イベント】アニー賞発表(6日)
『インサイド・ヘッド』が作品賞他に。また既報のように高畑勲にウィンザー・マッケイ賞(功労賞)が贈られた。
▼【訃報】ダニエル・ガーソン(6日)
49歳。脳腫瘍のため。『モンスターズ・インク』『ベイマックス』などに脚本で参加。▼【出来事】田村ゆかり、ライブ&ラジオ相次いで中止・終了(10日)
田村ゆかり公式サイトでライブの中止やラジオ番組の終了、公式サイトのリニューアル、4月以降のファンクラブ運営会社の移管を告知。ラジオ番組「田村ゆかりのいたずら黒うさぎ」は2003年より続く長寿番組だった。キングレコードとの契約終了に伴うもの。
▼【訃報】両澤千晶(19日)
脚本家。大動脈解離にて。56歳。代表作に『機動戦士ガンダムSEED』『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』等。
▼【劇場】『同級生』公開(20日)
原作は中村明日美子の同名BLマンガ。中村章子監督、林明美総作画監督他のスタッフによって、柔らかなタッチ、丁寧なアニメート、空気感を活かした美術など見どころの多い、繊細な佳品となった。
▼【ネット】Netflix、中澤一登監督作品を世界190か国で同時配信と発表(25日)
Netflixが中澤一登監督、Production I.G制作の『パーフェクト・ボーンズ』を世界同時配信する契約を結んだと発表。
▼【イベント】米国アカデミー賞発表(28日)
長編アニメーション賞は『インサイド・ヘッド』。最終候補作にノミネートされていた『思い出のマーニー』は受賞ならず。
●3月
▼【イベント】日本アカデミー賞発表(4日)
最優秀アニメーション作品賞に『バケモノの子』。
▼【TV】『神撃のバハムート マナリアフレンズ』放映延期(8日)
4月1日より放映を予定していた『神撃のバハムート マナリアフレンズ』がこの日、延期を告知。発表されていたスタッフも白紙となる異例の事態に。スマートフォン向けゲーム関連では同様に「アヴァベルオンライン」が、4月に主要スタッフ・キャストと共にアニメ化を発表するも、6月28日に中止を告知。さらに『バハムート』と同じサイゲームスのヒットゲーム『グランブルーファンタジー』では、当初2017年1月放映スタートを謳っていたが、12月26日に来年4月からの放映を告知。1月には先行放映を行うことを明らかにした。
▼【イベント】第10回声優アワード(12日)
主演男優賞に松岡禎丞、主演女優賞に水瀬いのりが選ばれた。
▼【イベント】東京アニメアワード開催(18日)
今回の東京アニメアワード(TAAF)は異例の経過を辿った。昨年12月25日に公式サイトで、日本動画協会及び実行委員会がフェスティバルディレクターと業務委託会社を解任したと告知。1月29日にはディレクター側から、これまでの経緯を説明・批判する文書が公開された。その後も非難合戦が続き、両者の対立の中で、コンペへの応募作品の多数が審査へ回らないという事態に。
▼【イベント】アニメジャパン開催(26日)
▼【ビジネス】サイゲームス、アニメ制作子会社立ち上げへ(26日)
今年度上半期を目途に。アニメジャパンのトークの席上で、同社アニメ事業部の竹中信広が言及。関連して、6月2日には背景美術を手がける草薙の全株式を取得し、完全子会社化したことを発表している。
▼【出来事】スタジオコクピット解散(30日)
老舗の作画スタジオ・スタジオコクピットが解散。1978年より活動を続け、香川久、馬越嘉彦らが輩出。近年でも『ポケットモンスター』シリーズなどで活躍していた。
●4月
▼【出来事】やまちゃん「おはスタ」卒業(1日)
4月からの番組大幅リニューアルに合わせ、この日の放送をもって、長く番組の顔を務めていたやまちゃんこと山寺宏一がMCを降板。「おはスタ」は1997年10月にスタート、テレビ東京系の朝の子ども向け情報番組として親しまれ、枠内でアニメが流れることも多い。
▼【TV】『それいけ! アンパンマン』午前中へ枠移動(1日)
夕方から午前10時台へと移動。1988年のスタート時は月曜17時台。96年10月より金曜日に移動し、2000年10月から16時台の放映が続いていた。夕方枠には報道番組が入る。
▼【ビジネス】丸井グループ、アニメ事業部を発足(1日)
昨年より開設準備室を設けていた。
▼【ビジネス】アニプレックス新社長に岩上敦宏(1日)
植田益朗前社長は取締役会長に。
▼【訃報】望月三起也(3日)
マンガ家。77歳。肺腺がんのため。「ワイルド7」で知られる。アニメでは『マシンハヤブサ』の原作を務めた。
▼【訃報】和田光司(3日)
歌手。42歳。上咽頭がんのため。『デジモンアドベンチャー』の主題歌でデビュー。2003年に上咽頭がんが発覚。その後、治療と復帰を繰り返していた。
▼【ビジネス】ABCアニメーション発足(5日)
朝日放送がアニメ事業に特化した子会社を設立。海外事業、ライセンス・物販事業のセクションとともに独立会社となる。
▼【出来事】人気声優のAV出演報道(5日)
「アサヒ芸能」がこの日の発売号で、人気声優の新田恵海がアダルトビデオへの出演歴を報道。所属事務所が自社サイトで否定する事態に。
▼【イベント】『山賊の娘ローニャ』が国際エミー賞で受賞(5日)
国際エミー賞は、国際テレビ芸術科学アカデミーが主催、米国を除く世界のテレビ番組を対象としている。このアニメーション部門で『ローニャ』10話が最優秀賞に選ばれた。
▼【TV】『聖戦ケルベロス 竜刻のファタリテ』放映(6日)
中国動画配信大手のiQIYI、香港のメディアリンクが製作に参加。それぞれ中国本土、アジア圏への配給を行う。
▼【ビジネス】KADOKAWAと米・クランチロールが配信で提携(11日)
今後1年間にTV放映予定のKADOKAWAアニメ作品の海外配信権(アジアを除く)で、米ネット配信大手・クランチロールと包括契約を結んだと発表。今後製作予定のアニメ作品へ共同出資も行う予定という。
▼【訃報】大平透(12日)
86歳。ラジオのアナウンサーを経て、声優・俳優。海外TVドラマ「スーパーマン」のクラーク・ケントの声など、吹き替えの黎明期から活躍。アニメでは『ハクション大魔王』のハクション大魔王、『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造など代表作多数。特にタツノコプロ作品の常連として知られる。ほかに戦隊シリーズのナレーションや海外TVアニメーション『ザ・シンプソンズ』のホーマーなど。
▼【劇場】『名探偵コナン 純黒の悪夢』公開(16日)
黒の組織の暗躍、人気キャラクターである赤井秀一と安室透の競演など盛りだくさんの内容で、興収60億を超えるシリーズ史上最大のヒット作に。
▼【ビジネス】東京都がオリジナルアニメーション企画支援事業(22日)
アニメーション産業の振興と海外展開の促進を図るため、海外展開を目指す都内アニメーション制作会社等を対象に、オリジナルアニメーション企画を募集し、パイロット映像等の制作をサポートする事業を発表。支援金提供のほか、制作アドバイザリーの派遣や、商談支援を行うという。
▼【劇場】『ズートピア』(23日)
ディズニーの最新作。差別問題に切り込む意欲作で世界的なヒットに。日本でも70億超の興収を得たが、ピクサーの『ファインディング・ドリー』の公開が後ろに控えていたため、ランキング上位のまま公開終了となる異例の事態を迎えた。
▼【ビジネス】コムキャストがドリームワークス・アニメーションを買収(28日)
NBCユニバーサルを傘下に持つ米国ケーブルTV大手・コムキャストがドリームワークス・アニメーションの買収を発表。『シュレック』『カンフー・パンダ』等のヒット作を持つものの、近年は苦境が伝えられ、買収の話が絶えなかった。
●5月
▼【訃報】冨田勲(5日)
作曲家。慢性心不全により。84歳。シンセサイザーを使った音楽の第一人者であり、NHK「花の生涯」「新日本紀行」「きょうの料理」などの音楽で知られる。アニメの代表作に『ジャングル大帝』『リボンの騎士』など。
▼【TV】ぶりぶりざえもん役が神谷浩史に(13日)
『クレヨンしんちゃん』の人気キャラクター・ぶりぶりざえもんの声を神谷浩史が担当。塩沢兼人が2000年に亡くなって以来、声を発しなくなっていた。
▼【訃報】二木真希子(13日)
アニメーター、イラストレーター。58歳。テレコム・アニメーションフィルムを経て、スタジオジブリ作品で長く活躍。
▼【訃報】水谷優子(17日)
声優。乳がんのため。51歳。『ちびまる子ちゃん』のお姉ちゃん、『ブラック・ジャック』のピノコ、ミニーマウスの声等で知られる。夫は演出家の西久保瑞穂。『ちびまる子ちゃん』のお姉ちゃん役は豊嶋真千子が引き継いだ。
▼【出来事】「ガルム・ウォーズ」公開(20日)
押井守監督の実写劇場作品。かつて凍結された『ガルム戦記』の企画を活かしたものだという。
▼【TV】『サザエさん』視聴率7.7%(22日)
不振の続くフジテレビで貴重な2桁台を維持してきたが、この週の視聴率はふるわず、アニメ部門の週間視聴率で『クレヨンしんちゃん』の後塵を拝した。裏番組に「笑点」の特番があったため。その後も7月、8月と1桁台が現れ、話題に。
●6月
▼【ビジネス】あにめたまご2017、受託制作団体決定(3日)
▼【訃報】小森昭宏(5日)
作曲家。85歳。童謡を数多く手がける。ヒット曲「黒ネコのタンゴ」の編曲でも知られる。アニメの代表作に『宇宙エース』『勇者ライディーン』ほか。
▼【出来事】アニメディア35周年(10日)
▼【ビジネス】絵梦、アートランドへ出資(21日)
中国系の制作会社絵梦が、この日、アートランドへの出資を発表。絵梦は中国のアニメーション制作会社・上海絵界文化伝播有限公司の子会社。
●7月
▼【TV】『魔装学園H×H』TVQでの放映中止(5日)
『魔装学園H×H』のTVQ九州放送での放映が取りやめになったと公式サイトが発表。同日深夜での放映を控えており、直前の告知となった。理由は明らかにされなかったが、原作者の久慈マサムネは「むしろ名誉なこと」とコメントしている。
▼【TV】「あにめのめ」スタート(6日)
「あにめのめ」とはアスミック・エース、トムス・エンタテインメント、シンエイ動画、ジェイアール東日本企画、住友商事の5社による共同企画開発プロジェクトであり放映枠の名称。「台風の目」「コンテンツの芽」を意識して名づけられた。第1弾は『甘々と稲妻』。
▼【TV】『一人之下 the outcast』放映開始(9日)
中国のアニメスタジオ上海絵界が展開するHAOLINERSブランド作品の第2弾。アニメーション制作は日本の子会社・絵梦が担う。以後、『CHEATING CRAFT』『TO BE HERO』などを展開。
▼【出来事】神谷浩史の結婚報道(12日)
写真週刊誌が人気声優・神谷浩史の子育て中の姿を報道。これを受け、所属事務所が「プライベートを含め、人として充実した生活が大切であると考え、日々指導及びマネジメント致しております」とコメント。パーソナリティを務めるラジオ番組で自ら結婚を認めることに。
▼【ビジネス】ADKがゴンゾを買収(14日)
アサツーDKがゴンゾの買収を発表。総額62億超の公開買い付けを告知。株式の8割近くを持ち、子会社化する。
▼【出来事】『少年ハリウッド』でクラウドファンディング(22日)
第26話完全版完成プロジェクトと銘打ち、最終話で設定されていたライブセットリストの全楽曲を映像化することを目指して、出資を募り、6000万円近い資金を集めた。
▼【TV】『レガリア』放送・配信を一旦終了(28日)
『レガリア The Three Sacred Stars』が4話までで放送・配信を中断すると発表。「本来意図していたクオリティと相違がある」ため、「いま一度、制作体制およびスケジュールを仕切りなおし、きちんとした形で視聴者の皆様に作品をお届けしたいという、制作サイドの意向を受け」ての判断だという。9月から改めて1話より放映。
▼【出来事】「シン・ゴジラ」公開(29日)
庵野秀明総監督の実写劇場作品。巨大生物に蹂躙される東京をリアリスティックに緊迫感込めて描き、興収80億超の大ヒットに。
▼【出来事】東映アニメーション60周年(31日)
東映動画が60年前、1956年のこの日発足。
●8月
▼【ネット】『クレヨンしんちゃん外伝 エイリアン vs. しんのすけ』配信開始(3日)
Amazonプライムビデオにて独占配信。『クレヨンしんちゃん』としては初のネット配信用のシリーズだった。
▼【出来事】「人生に文学を。」キャンペーンでお断り(4日)
7月20日に芥川賞・直木賞を主催する日本文学振興会が各新聞紙上に掲げた「人生に文学を。」と題するキャンペーン広告で「どうやって人生を想像するのだ(アニメか?)」の一文が物議を醸した。同会はこの日、アニメは「多大な影響力をもつ芸術である」と言及、「浅慮を反省する」としてキャッチコピーを撤回した。
▼【出来事】藤原啓治、休業へ(8日)
声優・藤原啓治が病気療養を理由に休業を発表。『クレヨンしんちゃん』8月26日放送分より番組を休演。森川智之が野原ひろしの代役を務める。
▼【訃報】田口昂(16日)
声優。吹き替えなどで広く活躍。アニメでは老人役が多かった。
▼【イベント】第16回広島国際アニメーションフェスティバル(18日)
この日開幕。22日まで5日間にわたって開催された。グランプリは韓国の ダヒ・チョン監督の『空き部屋』。
▼【劇場】『君の名は。』公開(26日)
新海誠監督の劇場長編。東宝配給、スクリーン300超という大規模公開の期待に応え、興収歴代3位となる200億円超を記録。爆発的ヒットとなった。
▼【出来事】81オーディション・グランプリ取り消し(30日)
今回で10回を数える声優オーディションだが、規約違反によりグランプリが該当者なしに。過去に第5回オーディションでも同様のケースがあった。
●9月
▼【出来事】種田梨沙休業(1日)
声優・種田梨沙が病気療養のため休業を発表。病名は未公表だが「回復の兆しが見えないため治療に専念する」とのこと。
▼【ビジネス】グリーがブシロードと資本業務提携(14日)
携帯ゲーム大手のグリーが、ブシロードへ出資。新株を引き受けるかたちで、10%強の株式を約20億円で取得。
▼【ビジネス】アニプレックスがスクリプトルームを新設(14日)
アニプレックスがシナリオ制作のためのスクリプトルーム設置を発表し、所属ライターの募集をかけた。シナリオや制作、宣伝に関わるテキストを作成することが目的。ルーム長には伊藤智彦監督を据える。
▼『Pokemon Generations』配信(16日)
海外向けの『ポケモン』新シリーズがYouTubeでスタート。日本語吹き替え版も12月から始まった。
▼【劇場】『映画 聲の形』公開(17日)
原作は、聾唖、いじめといったセンシティブな題材に真摯に取り組んだ「週刊少年マガジン」掲載の問題作。京都アニメーション&山田尚子監督によるアニメ化で、ロングランを記録し、興収22億を超える。
▼【劇場】『レッドタートル ある島の物語』公開(17日)
スタジオジブリ初の海外共同製作作品。『岸辺のふたり』で知られるマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットが監督を務める。
▼【ビジネス】音楽専科社破産(20日)
この日事業を停止。声優専門誌「Pick-up Voice」を刊行していた。同誌は版元を移して継続。
▼【イベント】文化庁映画賞発表
映画功労部門で内田健二、森卓也、森田清次が選ばれた。
●10月
▼【出来事】旭プロ、助成事業で不正受給(2日)
旭プロダクションが東日本大震災の緊急雇用創出事業で雇用した従業員を、子会社である農業生産法人に派遣、農作物の収穫に当たらせていたことが明らかに。旭プロ側は、制度悪用の意図はなかったと釈明。同社は、宮城県白石市にスタジオを持ち、県や市から緊急雇用創出事業としてアニメ制作を受託していた。
▼【訃報】保田道世(5日)
77歳。東映動画の仕上げ部門を皮切りに、以後、高畑勲、宮崎駿両監督作品を中心に色指定(色彩設計)を数多く担当した。
▼【TV】『ユーリ!!! on ICE』放映開始(6日)
久保ミツロウ・山本沙代原案、山本沙代監督によるフィギュアスケートを題材としたTVアニメ。競技に対するこだわりと華麗なキャラクター模様から、女性を中心に人気を博す。
▼【TV】『競女!!!!!!!!』放映開始(6日)
近年の傾向であるエクスクラメーションマーク(!)が多用される作品タイトルの中でも最多と見られる。
▼【ネット】『月曜日のたわわ』サプライズ公開&削除(9日)
マンガ家・比村奇石がtwitterで公開していた人気イラスト「月曜日のたわわ」がアニメ化。全12回のショートアニメシリーズとしてYouTubeで配信を開始。事前の告知がなかったこともあり話題を呼んだが、YouTubeコミュニティガイドライン違反として翌日削除。2話よりニコニコチャンネルでの配信へ移行。
▼【訃報】田中一成(10日)
脳幹出血により。49歳。アニメの代表作に『ΠΛΑΝΗΤΕΣ』のハチマキ、『ハイキュー!!』の烏養繋心など。谷口悟朗関連作品での活躍も多い。
▼【ビジネス】講談社、一迅社の完全子会社化を発表(14日)
▼【OVA】【機動警察パトレイバーREBOOT】リリース(15日)
「日本アニメ(ーター)見本市」企画の一環として、吉浦康裕監督、浅野直之アニメーションキャラクターデザイン&作画監督による『パトレイバー』の新作短編が登場。この日劇場上映&先行発売スタート。
▼【劇場】『アイアンジャイアント』上映中止(20日)
名編として知られる『アイアンジャイアント』。新たなカットを加えたシグネチャーエディションが29日より上映される予定だったが「諸般の都合により」休止に。
▼【TV】『ブレイブウィッチーズ』4話放映延期(20日)
『第502統合戦闘航空団 ブレイブウィッチーズ World Witches Series』4話が「制作スケジュールの遅れにより」放映延期に。放映予定日には『ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow vol.1 サン・トロンの雷鳴』のTVフォーマット版を放映する。また、ソフト第1巻も「映像クオリティー向上の為」12月から2月へ発売延期になった。
▼【訃報】肝付兼太(20日)
声優。80歳。肺炎により。『ドラえもん[新]』のスネ夫、『銀河鉄道999』の車掌、『それいけ! アンパンマン』のホラーマン、『ジャングル黒べえ』の黒べえ等、代表作多数。劇団21世紀FOXの主宰者としても長年活躍した。
▼【TV】『ろんぐらいだぁす!』放映延期(21日)
22日放映・配信予定だった3話が「制作上の都合により」放映延期に。1話を再放映し、3話は翌週へスライド。さらに11月5日には、5話が「制作スケジュールの遅れにより」放映延期になることが発表された。
▼【出来事】『魔法少女?なりあ☆がーるず』発売延期(21日)
Blu-ray3、4巻が来年へと発売延期に。石ダテコー太郎監督が「製造コストが高い仕様なので、今の予約状況だと出すだけで赤字に」なるため、見直しを図っているとコメント。
▼【ビジネス】AT&Tがタイムワーナー買収を発表(22日)
AT&Tはアメリカ大手通信会社。タイムワーナーは映画会社、放送会社などを傘下に収める大手メディア企業。買収費用は約9兆円。
●11月
▼【ビジネス】中日アニメファンド設立を発表(2日)
中国の映画会社・上海鷹獅影業投資公司がDLEと組み、中日両国向けの企画・才能を発掘するファンドを設立すると発表。合弁会社鷹獅DLEが日本側窓口に。
▼【出来事】P.A.WORKSがSNS投稿に関し声明(4日)
P.A.WORKSが嘱託スタッフのSNSへの投稿について「多大な混乱を招いた」とお詫び。当該スタッフがSNSで同社の待遇の実情を具体的に明かし、不満を述べていた。
▼【劇場】『この世界の片隅に』公開(12日)
こうの史代の話題作を片渕須直監督がアニメ化。長い準備期間を経てようやく完成にこぎ着けた。支援者の口コミから評判が広がり、スマッシュヒット。
▼【ビジネス】スタジオ・ファンタジア倒産(16日)
東京地裁から、この日、破産手続き開始の決定を受けた。『AIKa』『STRATOS4』『君が望む永遠』などの制作で知られる。
▼【イベント】カラー10周年記念展(23日)
庵野秀明率いるカラーが発足から10周年を迎え、これを祝う展示会が開催。
▼【訃報】藤城裕士(26日)
声優。76歳。特発性間質性肺炎により。数々の老人役で知られる。
▼【イベント】押井守にウィンザー・マッケイ賞(28日)
国際アニメーション協会主催のアニー賞のノミネート発表。同時に功労賞であるウィンザー・マッケイ賞に押井守が選ばれたことが明らかに。
●12月
▼【出来事】中島愛活動再開(1日)
声優・歌手の中島愛が活動再開をブログで報告。2014年4月より音楽活動を休止、声優業も継続作のみと、長く沈黙を続けていた。
▼【出来事】カラーとガイナックスの係争が明らかに(2日)
カラーがガイナックスに対し借入金約1億円の支払いを求める訴訟を起こしていることが明らかに。報道を受け、ガイナックス側がおわびとお知らせと題するコメントを発表。
▼【訃報】井内秀治(15日)
演出家。『魔神英雄伝ワタル』『魔動王グランゾート』の総監督で知られる。
▼【TV】『ちびまる子ちゃん』未放映回が放映(18日)
1082話『お姉ちゃん、謎のクラブ活動?』の巻が放映。収録は2014年だが、クリスマスが絡む内容のため、放映機会を逃していたとみられる。亡くなった水谷優子がお姉ちゃんを演じており、ファンには思わぬクリスマスプレゼントとなった。
▼【TV】MBS日5枠が来年3月で終了(20日)
来年4月から土曜日早朝にアニメの1時間枠を設ける予定という。
▼【劇場】『ポッピンQ』公開(23日)
東映アニメーション創立60周年記念作を謳ったオリジナル劇場長編。
▼【劇場】『算法少女』公開(24日)
遠藤寛子の児童書を原作に、外村史郎が1人でアニメーションを手がけたインディーズ長編。
▼ゴンゾで不正会計(27日)
ADKが子会社化したゴンゾに不適切な会計処理があった発表。10億円のさらなる債務超過が判明したという。
▼【ビジネス】村濵章司、絵梦役員を退任(31日)
村濱章司はゴンゾの創設者で、現LMD代表取締役。