ANIME NEWS

ニュースで振り返るアニメ界2014
キッズ向けアニメの大逆襲

 アニメ界のみならずメディア業界全体にとって本年一番の話題は、KADOKAWA・DWANGOの誕生だろう。ネット配信大手のニコニコ動画を運営するドワンゴと、角川書店やメディアワークス、角川映画等を傘下にもつ巨大メディアグループKADOWAKAとの合併は、様々な波紋を呼んだ。その影響はまだまだ見えてこないが、今後どのような動きがあるのか、内外から注目が集まる。
 その巨大グループの会長に就いたのが、ドワンゴの創業者である川上量生だ。スタジオジブリプロデューサー見習い、カラー取締役等の肩書きも持つ彼は、宮崎吾朗監督がスタジオジブリを離れてTVシリーズを作るという話題作『山賊の娘ローニャ』のプロデューサーを務め、「アニメ(ーター)見本市」を立ち上げるなど、様々なチャレンジを進めている。今年のアニメ界のキーマンであり、今後を占う存在に違いない。
 今後を占うといえば、『アナと雪の女王』『STAND BY ME ドラえもん』という北米と日本の3DCG劇場作品に触れないわけにはいかない。国内では、3DCG作品はピクサーなど一部の例外を除き振るわないと見なされていただけに、両作品の大ヒットは大きな驚きだった。セルルックの3DCG作品『楽園追放』のスマッシュヒットも含め、今年は3DCGのブレイクスルーの年として将来記憶されることになるかもしれない。
 ヒットといえば『妖怪ウォッチ』は社会現象にまでなった。『イナズマイレブン』『ダンボール戦記』のレベルファイブが送り出したゲームが原作だが、アニメ化を機に大きくブレイク。ヒットの要因は様々だろうが、日常を舞台にした児童向けのギャグアニメという枠がちょうど空白地帯になっていたことも見逃せない。
 児童向け作品の展開では『怪盗ジョーカー』にも触れておきたい。コロコロコミックというメジャー誌掲載作品が、TOKYO MXという独立系UHF局を中心に展開するのはこれが初めて。TOKYO MXもゴールデンタイムを用意するだけでなく、製作にまで参加している。アニメを武器に他局と渡り合うというのは、かつて地上波で視聴率下位の放送局によくみられた戦略である。こうした流れが持続するのかは『怪盗ジョーカー』の成否にかかっていると言っても過言ではないだろう。

●1月

▼【訃報】浜野保樹(3日)
 脳梗塞にて。62歳。東京工科大学教授、東京大学名誉教授。専門はメディア論。著書に「ハイパーメディア・ギャラクシー」「アニメーション監督 原恵一」等。近年はコンテンツ産業へのバックアップに尽力、文化庁メディア芸術祭の顧問を務めた。
▼【劇場】『魔法少女まどか☆マギカ[新編]』興収20億突破(7日)
 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』が前年末までに興行収入20億を突破したと興行側が発表。
▼【TV】『妖怪ウォッチ』放映開始(8日)
 レベルファイブのゲームが原作のギャグアニメ。大人気を呼び、社会現象と呼ばれるまでに。12月には劇場版も公開され、前売券が100万枚を突破するなど旋風を巻き起こしている。
▼【出来事】阿澄佳奈結婚(15日)
 声優の阿澄佳奈が入籍を発表。ほかにも沢城みゆき、本名陽子、生天目仁美、椎名へきる、南里侑香ほか、今年も人気声優の結婚報告が相次いだ。
▼【訃報】角田紘一(14日)
 アニメーター。がんのため。74歳。東映動画で長年活躍。『マジンガーZ対デビルマン』『マジンガーZ対暗黒大将軍』では作画監督を務めた。
▼【訃報】加藤精三(17日)
 声優。86歳。膀胱癌のため。『巨人の星』の星一徹役で知られる。
▼【ビジネス】AICがアプリックスより独立(20日)
 アプリックスHGはフレックスコミックス等を傘下にもつIT企業グループで、AICは2011年に同社傘下となっていた。
▼【イベント】毎日映画コンクール発表(21日)
 アニメーション映画賞が『かぐや姫の物語』に、大藤信郎賞が『海に落ちた月の話』に贈られた。
▼【出来事】富野監督が北米スタジオで新作か(21日)
 プロデュース会社オオカゼノオコルサマと北米のVFX会社レガシー・エフェクツが業務提携。富野由悠季監督の新作アニメを制作すると発表。
▼【訃報】永井一郎(27日)
 声優。82歳。虚血性心疾患にて。仕事のため訪れていた広島市内のホテルにて倒れているのを発見された。『サザエさん』の波平をはじめ、『ど根性ガエル』の町田先生、『未来少年コナン』のダイス、『うる星やつら』の錯乱坊など代表作多数。
▼【訃報】塚田正昭(27日)
 声優。74歳。かねてより病気療養中だったという。近年の代表作に『BLEACH』の山本元柳斎重國がある。妻は声優の野沢雅子。
▼【ビジネス】昨年の映画興行成績でアニメがベスト3を独占(28日)
 日本映画製作者連盟が2013年の映画興行概況を発表。興行収入は『風立ちぬ』が120億で1位、以下『モンスターズ・ユニバーシティ』89億、『ONE PIECE FILM Z』68億とアニメーションがベスト3を占めた。
▼【訃報】アーサー・ランキンJr.(30日)
 89歳。アニメーション監督、プロデューサー。ビデオクラフト・インターナショナル(のちランキン・バス・プロダクション)を設立、『キングコング』『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』『ホビットの冒険』など、日米合作作品を数多く手がけたことで知られる。
▼【ビジネス】タツノコプロ、日テレ傘下に(31日)
 日本テレビが、タカラトミーからタツノコプロ株の過半数を取得、傘下に収めた。タツノコプロの代表取締役に日本テレビの桑原勇蔵が就任。

●2月

▼【出来事】ガイナックスシアターオープン(1日)
 ガイナックスが、米子市内の閉館した劇場を活用、レンタルスペース「ガイナックスシアター」を開設。
▼【TV】『最近、 妹のようすがちょっと おかしいんだが。』地上波の放映日時変更(1日)
 TOKYO MX、サンテレビとも22時30分より放映していたが、この日放映予定の5話より時間帯が深夜へと変更に。本作は一般向けのマンガが原作ながら、かなりセクシーな描写が含まれていた。
▼【TV】『ハピネスチャージプリキュア!』放映開始(2日)
 2004年の『ふたりはプリキュア』放映開始から10周年。
▼【TV】『サザエさん』2代目波平に茶風林(16日)
 急逝した永井一郎に代わり、『サザエさん』の磯野波平役に茶風林が起用された。
▼【ビジネス】アニプレックス社長に植田益朗(16日)
 アニプレックスの代表取締役社長に子会社A-1 Pictures社長の植田益朗が就任。退任する夏目公一朗は親会社ソニー・ミュージックエンタテインメントのビジュアルビジネスグループCOOに就任。
▼【ビジネス】メディアフォース倒産(23日)
 声優プロダクションのメディアフォースがこの日で事業を停止。関連会社に音響制作会社のドリームフォース、音響スタジオを運営する整音スタジオがある。

●3月

▼【イベント】第8回声優アワード(1日)
 主演男優賞に梶裕貴、主演女優賞に佐藤利奈が選ばれた。
▼【イベント】米国アカデミー賞発表(2日)
 短編アニメーション賞を『Mr. Hublot』、長編アニメーション賞を『アナと雪の女王』が受賞。日本人作家の『九十九』『風立ちぬ』が最終作品にノミネートされていた。
▼【出来事】田村ゆかりのコンサート妨害で逮捕者(2日)
 大阪で行われた田村ゆかりのコンサートで、ステージに携帯ラジオが投げつけられる騒ぎがあった。コンサートは中断、投げつけた男性が威力業務妨害で現行犯逮捕された。
▼【訃報】あきやまるな(8日)
 声優。急性心不全により。61歳。NHK Eテレの人形劇「ざわざわ森のガンコちゃん」の主人公・ガンコちゃん役などで知られる。
▼【訃報】木下秀雄(8日)
 声優、俳優。『科学忍者隊ガッチャマン』のナレーターなど。
▼【TV】『ナンダカ ベロニカ』放映開始(10日)
 2週間で全10話を集中放映。加藤道哉監督、サイクロングラフィックス制作。作画的にも演出的にも見どころの多いショートアニメだった。
▼【イベント】第64回芸術推奨に鈴木敏夫・水樹奈々(13日)
 文化庁が第64回芸術推奨を発表。文部科学大臣賞にスタジオジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫が、新人賞に水樹奈々が選ばれた。
▼【劇場】『アナと雪の女王』公開(14日)
 ディズニーの3DCG作品。興行収入250億円超で歴代3位という記録的な大ヒットで、ディズニーの劇的な復活を印象づけた。
▼【イベント】東京アニメアワードフェスティバル2014、AnimeJapan開催(22日)
 東京国際アニメフェアとアニメコンテンツエキスポが発展的解消と統合を遂げた。アニメアワードのグランプリは『風立ちぬ』と『進撃の巨人』。功労賞には伊藤克己、大塚周夫、故・金田伊功、久保進、城山昇、忠隈昌、冨田勲、永井豪、真賀里文子、矢吹公郎が選ばれた。AnimeJapanの来場者は11万人超。
▼【ビジネス】DLE東証マザーズ上場(26日)
 『秘密結社鷹の爪』等で知られるDLEが東証マザーズに上場。
▼【TV】『ヤン坊マー坊天気予報』終了(31日)
 地方局を中心に続いていた放映が終了。

●4月

▼【TV】『マジンボーン』放映開始(1日)
 東映アニメーションはこの4月期に、本作に加え、『MARVEL ディスク・ウォーズ アベンジャーズ』『金田一少年の事件簿R』『暴れん坊力士!! 松太郎』『DRAGON BALL KAI[第2期]』がスタート。継続中の『ハピネスチャージプリキュア!』『ONE PIECE』を加え、週7作品のTVシリーズを同時並行で制作。
▼【ビジネス】TOKYO MX、アニメ事業部新設(1日)
 東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)がアニメ事業部を新設。アニメに関わる業務を統合的に行うとともに、自社でアニメコンテンツの制作を狙う。
▼【ビジネス】サンライズ社長に宮河恭夫(1日)
 サンライズの社長に副社長の宮河恭夫が就任。前社長の内田健二は代表取締役会長に。親会社であるバンダイ出身の社長はこれが初めて。
▼【ビジネス】トムス社長に鈴木義治(1日)
 トムス・エンタテインメント社長にサミー出身でセガ・トイズ社長の鈴木義治が就任。前社長の岡村秀樹は取締役副会長に。
▼【TV】『selector infected WIXOSS』放映開始(5日)
 タカラトミーのカードゲームを題材にしたTVアニメ。ワーナーエンターテイメント ジャパン初のオリジナル作品。本作を皮切りに同社は今年、『白銀の意思 アルジェヴォルン』『SHIRO BAKO』とオリジナル作品を立て続けに送り出した。
▼【出来事】アニメディア400号(10日)
 4月発売の5月号で通巻400号を迎えた。
▼【出来事】制作進行の自殺に労災認定(11日)
 A-1 Picturesの元社員で、制作進行をつとめていた男性が、2010年に自殺。在職中の過労によるうつ病が原因だとして、新宿労働基準監督署が労災と認定した。
▼【TV】『シドニアの騎士』放映開始(12日)
 CG大手のポリゴン・ピクチュアズが「設立30周年記念」を謳いTVアニメに本格参入。意欲的なセルルックの3DCGアニメを制作。実際に使用した3Dモデルをネット販売するなどの試みも。
▼【TV】『ポケモンXY』の放映順が変更(24日)
 この日放映予定であった「海底の城!クズモーとドラミドロ!!」が、「都合により」放映延期になった。海底に沈んだ客船を探索するエピソードで、直前の韓国船の海難事故が影響したのではないかとみられる。
▼【出来事】「平成26年度若手アニメーター等人材育成事業」を日本動画協会が引き受け(25日)
 これまで日本アニメーター・演出協会が受託、「アニメミライ」として公開してきた経緯がある。日本動画協会は、事業の大枠は従来通りと表明。
▼【OVA】『ウィッチクラフトワークス』発売延期(28日)
 7月7日発売予定の『ウィッチクラフトワークス』7巻限定版が企画中止となり、8巻限定版へと延期に。

●5月

▼【訃報】矢田耕司(1日)
 声優。81歳。慢性腎不全のため。名バイプレイヤーとしてアニメ・特撮を問わず活躍。

●6月

▼【イベント】アヌシー国際アニメーションフェスティバル開催(9日)
 西久保瑞穂監督の『ジョバンニの島』が審査員特別賞を、新井風愉監督の『Tissue Animals』がコマーシャル部門のクリスタル賞を、水江未来監督の『WONDER』がカナルプリュス・クリエイティブ・エイド賞を、それぞれ受賞。また、高畑勲監督に長年の功績をたたえるとして、名誉クリスタル賞が贈られた。
▼【出来事】ポテトチップスを不法投棄の男性逮捕。目的は水樹奈々のコンサートチケット(10日)
 雑木林に大量のポテトチップスを投棄したとして、兵庫県警は明石市の男性を廃棄物処理法違反で逮捕。水樹奈々のコンサートチケット応募を目的に大量購入したものの、処理に困って捨てたという。
▼【イベント】「戦後日本のイノベーション100選」にマンガ・アニメが選定(18日)
 公益社団法人発明協会が創立110周年を記念して、「戦後日本のイノベーション100選」を選定。そのひとつに、マンガ・アニメ(1963年)が選ばれた。
▼【訃報】町田知之(18日)
 53歳。アニメ雑誌のライターや脚本家として活躍。

●7月

▼【ネット】『美少女戦士セーラームーンCrystal』配信開始(5日)
 ニコニコ動画等で配信開始。原作をベースにしたリメイク作品。
▼【ビジネス】RAINMAKER PRODUCTIONS 株式会社発足(7日)
 荒牧伸志、河野一二三らが中心となり、RAINMAKER PRODUCTIONSを設立。高倉武史、竹内敦志、天神英貴、山田正樹、山根公利などアニメ、ゲーム等で活躍するクリエイターを擁して、映像、ゲーム、広告向けのデザイン開発やクリエイターのマネジメントなどを行うという。
▼【出来事】「ドラマ24 アオイホノオ」放映開始(19日)
 島本和彦が自身の大阪芸術大学在学時代を描く自伝的マンガが実写ドラマになり、話題を呼んだ。庵野秀明ほか、後にアニメ界他で名を成した人物が実名で多数登場。
▼【訃報】仲村秀生(30日)
 79歳。声優。『あしたのジョー』の力石徹、『ど根性ガエル』の南先生、『宇宙戦艦ヤマト』の島大介等で知られる。

●8月

▼【TV】『PSYCHO-PASS[新編集版]』4話放映中止(1日)
 『PSYCHO-PASS[新編集版]』4話が放映をとりやめ、5話が繰り上がり放映。「内容的に現在放送するのにふさわしくないという判断」があったからだという。直前に起きた長崎での女子高校生による同級生殺害が影響したとみられる。
▼【ビジネス】デイヴィッドプロダクション、フジテレビ傘下に(1日)
 デイヴィッドプロダクションはGDHおよびゴンゾ出身の沖浦泰斗と梶田浩司が設立した制作会社。フジテレビの清水賢治が取締役副社長に就任。フジテレビは、2013年1月にアニメ開発部を設置、積極的にアニメ事業に取り組んでいる。
▼【出来事】ジブリ制作部門の解体が報道(3日)
 MBS『情熱大陸』が鈴木敏夫へ密着取材を放映。6月27日に開かれた株主総会の席上で制作部門の解体を宣したことが明らかになった。
▼【劇場】『STAND BY ME ドラえもん』公開(8日)
 八木竜一、山崎貴監督、白組、ROBOT制作の3DCG作品。興行収入90億を超える大ヒットに。
▼【出来事】TMSアニメ制作50周年(19日)
 東京ムービーが1964年のこの日誕生。同社は1993年に解散したが、関連会社東京ムービー新社が他社との合併吸収を経て、トムス・エンタテインメントとなり、現在に至る。
▼【イベント】第15回広島国際アニメーションフェスティバル開催(21日)
 グランプリはデイジー・ジェイコブス監督の『ザ ビガー ピクチャー』に。
▼【出来事】「ハケンアニメ!」刊行(22日)
 人気作家・辻村美月が「an・an」に2012年から連載した小説。アニメ制作会社を舞台に女性スタッフの活躍を描く。
▼【訃報】平田敏夫(25日)
 76歳。東映動画、虫プロ、マッドハウス等で、アニメーター、演出家として活躍。監督作に『ボビーに首ったけ』『グリム童話 金の鳥』など。今年も『スペース★ダンディ』で絵コンテを担当するなど、亡くなる直前まで活躍していた。

●9月

▼【出来事】ぶらざあのっぽ、個人事務所に(1日)
 8月末をもって所属メンバーは全員フリーに。のっぽは1988年の結成以降、より長きに渡って、多くのシナリオライターを送り出してきた。
▼【訃報】家弓家正(30日)
 声優。80歳。フランク・シナトラ、ドナルド・サザーランド等の吹き替えで知られる。悪役、権力者を演じることが多く、アニメでは『未来少年コナン』のレプカ、『聖闘士星矢 神々の熱き戦い』のドルバルなどがある。
▼【ビジネス】東映アニメーションが大泉スタジオを閉鎖(30日)
 老朽化に伴う建て替えのため。

●10月

▼【ビジネス】KADOKAWAとドワンゴが経営統合(1日)
 出版社・映画会社を傘下に持つKADOKAWAと、ネット配信を手がけるドワンゴが、経営統合し、KADOKAWA・DWANGOが発足。新会社の会長にドワンゴの川上量生が、社長に3月までKADOKAWA社長を務めた佐藤辰男が就任。
▼【TV】『ガンダム Gのレコンギスタ』放映開始(4日)
 富野由悠季が『∀ガンダム』以来15年ぶりに手がける「ガンダム」TVシリーズ。
▼【TV】『怪盗ジョーカー』放映開始(6日)
 コロコロコミック掲載作品で初めてのUHF局発信。TOKYO MX、キッズステーションが製作に参加。
▼【TV】『愛・天地無用!』放映開始(6日)
 岡山県高梁市が制作費用の一部を負担することが話題に。元ガイナックススタッフで、現在、吉備国際大アニメーション文化学部の教授を務める井上博明がプロデュースを手がける。『夜桜四重奏』で知られるマンガ家ヤスダスズヒトがキャラクターで参加。ヤスダは本年、『ガンダム ビルドファイターズ トライ』にもキャラクターデザイン協力として参加している。
▼【TV】『SHIRO BAKO』放映開始(9日)
 P.A.WORKSによるオリジナル。アニメ制作現場を舞台にしており、実在人物をうかがわせるキャラクターが多数登場。
▼【出来事】「幻の『長くつ下のピッピ』」刊行(9日)
 高畑勲、小田部羊一、宮崎駿が参加した著名児童文学のアニメ化企画で、のちの『パンダコパンダ』や『アルプスの少女ハイジ』へとつながるミッシングリンクとして知られる。このたび、著作権継承者の同意を得て、残された資料が初めて1冊にまとめられた。
▼【TV】『山賊の娘ローニャ』放映開始(11日)
 宮崎吾朗監督がスタジオジブリを離れて、初のTVシリーズを監督。ポリゴンピクチュアズが『シドニアの騎士』に続き、TVアニメを制作。
▼【TV】『妖怪ウォッチ』39話休止相次ぐ(22日)
 AT‐X、バンダイチャンネル等で予定されていた『妖怪ウォッチ』39話の放映・配信がテレビ東京側の要請で休止に。理由について、テレビ東京側は、パロディ等の内容の問題ではない、と言うに留めている。
▼【イベント】第27回東京国際映画祭開催(23日)
 「庵野秀明の世界」で、庵野秀明をアマチュア時代から、アニメーターとしての参加作品など幅広く特集。
▼【出来事】駐日イスラエル大使館がアニメでPR(28日)
 駐日イスラエル大使館が『いいね!イスラエル〜咲と典子の姉妹旅行〜』と題したアニメを配信。
▼【ネット】AniFav更新終了(31日)
 講談社の関連出版社である星海社が運営するアニメ情報サイト。日本最大級を目指すアニメポータルを謳い2012年にスタートしたが、この日をもってクローズドした。

●11月

▼【訃報】弥永和子(1日)
 敗血症にて。67歳。第11期東映ニューフェイスとして入社。のち文学座研究所等を経て、活躍の場を声の仕事に移す。シガニー・ウィーバー等の吹き替えなどで知られる。アニメの代表作に『装甲騎兵ボトムズ』のフィアナ等。夫は同じく声優の大塚芳忠。
▼【訃報】岡安肇(5日)
 肺炎にて。77歳。岡安プロモーション代表。編集技師として数々の作品に携わる。アニメでは日本アニメーション、シンエイ動画等の作品を中心に担当。
▼【ネット】「アニメ(ーター)見本市」スタート(7日)
 ニコニコ動画を運営するドワンゴとアニメ制作会社カラーが手を組み、様々なクリエイターに短編を発注、配信していくという試み。
▼【イベント】宮崎駿にアカデミー賞名誉賞(8日)
 アメリカ映画芸術科学アカデミーが、宮崎駿に名誉賞を授与。同賞は生涯を通じての映画への貢献に贈られる特別賞で、日本人の受賞者は黒澤明監督に続き2人め。
▼【出来事】声優グランプリ200号(10日)
 声優専門誌の草分け。創刊20周年200号を迎えた。
▼【劇場】『楽園追放』公開(15日)
 水島精二監督、虚淵玄脚本による劇場長編。東映アニメーションとして、『おさわが!ス〜パ〜ベビ〜』以来、実に20年ぶりのオリジナル劇場作品である。3DCGながら、セルルックを目指した作品として話題になり、スマッシュヒット。
▼【訃報】納谷六朗(17日)
 声優。82歳。肺炎により。『クレヨンしんちゃん』の園長や、『侍ジャイアンツ』の八幡、『聖闘士星矢』のカミュ、『幽★遊★白書』の仙水などアニメでの代表作多数。兄は同じく声優として活躍した故・納谷悟朗。
▼【出来事】「ハイスコアガール」著作権法違反容疑で関係者が書類送検(17日)
 大阪府警が著作権法違反容疑でスクウェア・エニックス、同社社員、マンガ家らを書類送検。「月刊ビッグガンガン」連載中の「ハイスコアガール」がキャラクターを許諾なしに使用したとしてSNK社が5月に告訴、スクウェア・エニックスは8月5日に家宅捜索を受けていた。「ハイスコアガール」は昨年末、アニメ化が告知されていた。
▼【出来事】マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟設立(18日)
 超党派の国会議員の集まり。マンガ・アニメ・ゲームの振興等を目的とするという。
▼【訃報】越部信義(21日)
 81歳。作曲家。『おもちゃのチャチャチャ』などの童謡で知られる。アニメでは『サザエさん』『マッハGoGoGo』『昆虫物語みなしごハッチ』などの主題歌、劇中音楽を担当。
▼【ビジネス】エイベックス、講談社、集英社、小学館が来年1月にアニメ配信会社設立(25日)
 エイベックス・ピクチャーズは、講談社、集英社、小学館が共同出資して、新会社アニメタイムズ社を設立すると発表。アニメ配信の窓口を新会社に一本化する狙い。
▼【出来事】マンガ版「エヴァンゲリオン」完結(26日)
 単行本(通常版)がこの日発売。貞本義行が1995年よりスタートさせていた。
▼【出来事】アイジーが、アニメーターのSNS上の言動に厳重注意(26日)
 自分の関わった作品についての愚痴や画像をSNSにあげていたアニメーターに対し、プロダクション・アイジーが厳重注意、アカウントを削除させたと告知。加えて役員の報酬を減額する措置をとった。
▼【TV】ノイタミナ・ラインナップ発表会(27日)
 来年度のフジテレビ・ノイタミナ枠の新作や劇場作品への展開などを発表。また同枠を支えてきた山本幸治プロデューサーがフジテレビを退社、ツインエンジンという企画会社を立ち上げたことも明らかに。
▼【イベント】第18回文化庁メディア芸術祭発表(28日)
 アニメーション部門の大賞はロシアのアンナ・ブダノヴァ監督『The Wound』に。功労賞にアニメーション研究家の小野耕生、渡辺泰が選ばれている。

●12月

▼【出来事】江崎グリコ脅迫容疑で映像プロデューサー逮捕(1日)
 怪人28号を名乗り、江崎グリコに現金を要求する脅迫状を送りつけた疑いで、久保淳容疑者が大阪府警に逮捕された。容疑者は「AVALON」や「立喰師列伝」などの押井守作品にも関わった映像プロデューサー。
▼【ネット】『SHIROBAKO』6話配信停止(2日)
 停止の理由は「権利上の都合により」とされる。
▼【劇場】『宇宙戦艦 ヤマト 2199 星巡る方舟』公開(6日)
▼【イベント】第19回アニメーション神戸開催(7日)
 作品賞に『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』『ラブライブ!』、個人賞に岸誠二、特別賞に京都アニメーションが選ばれた。
▼【劇場】細田守最新作、来夏公開を発表(12日)
 タイトルは『バケモノの子』。今回は原作・脚本も細田監督が兼ねる。
▼【出来事】東映アニメーションに公正取引委員会から勧告(17日)
 消費税増税後も原画料等の委託料を据え置き、税額分を増額しなかったとして、公正取引委員会は消費税転嫁対策特別措置法に基づき、東映アニメーションに対し再発防止の勧告を出した。
▼【ビジネス】ADK、ディーライツ子会社化(18日)
 アサツーディー・ケイ(ADK)が、『ベイブレード』シリーズなどで知られるディーライツの株式の過半数を三菱商事より取得し、子会社化。
▼【劇場】『ベイマックス』公開(20日)
 ディズニーの3DCG作品。メカデザイナーとして活躍するコヤマシゲトが、ベイマックスのコンセプトデザインで参加。
▼【訃報】中村秀利(24日)
 声優。60歳。『戦闘メカ ザブングル』のカタカム、『団地ともお』のスポーツ大佐やNHK教育「つくってあそぼ」のゴロリの声で知られる。

(15.01.08)追加修正