23日に「第77回アニメスタイルイベント　1300日の記録特別編　ここまで調べた『この世界の片隅に』」を開催しました。ご来場された皆さま、ありがとうございました。

　『この世界の片隅に』の原作は、こうの史代さんの同名マンガで、戦前・戦中の広島と呉を舞台にした作品です。アニメ化準備中の片渕須直監督達が、どのように舞台や風俗について調べているのかを語ってもらうのが今回のイベントの趣旨でした。
　片渕さん達の調査の綿密さは、以前から知っているつもりだったのですが、今回は僕の予想を遙かに越えたものでした。物語上はさして重要ではないはずの商店街の街並みの描写のために、そんなにも様々なことを調べているのか。原作に登場するヨーヨーで遊ぶ子どもに、どんな歴史的背景があったのか。ええっ、そんな資料まで集めているの？　市井の人達の服装の変化の年表まで作っているの？　そのトークは驚きの連続でした。原作も相当な資料をもとに描かれているのですが、片渕さん達はそれを読み解き、裏をとり、さらに深めようとしている。まるで研究発表を聞いているようでした。

　アニメスタイル史上、もっとも濃密なイベントのひとつとなりました。以下に、今回のイベントについてのTwitterでの発言がまとめられています。これを読めば、どんなイベントだったのか、その一端がわかるはずです。

アニメスタイルイベント1300日の記録特別編　ここまで調べた『この世界の片隅に』まとめ
http://togetter.com/li/606933

　今回のイベントで語られたのは、片渕さんたちの成果のごく一部です。「ここまで調べた『この世界の片隅に』PART２」も近いうちに開催したいと思います。皆さま、よろしくお願いします。（編集長・小黒祐一郎）