2014年夏に新たな劇場版『ドラえもん』が公開される。タイトルは『STAND BY ME ドラえもん』。シリーズ初の試みとなる3DCG映画であり、『friends もののけ島のナキ』でコンビを組んだ山崎貴と八木竜一が本作でも共同監督を務める。両監督のコメントが掲載されたリリースは下記のとおり。
●公式サイト
http://doraemon-3d.com
※以下、リリースより抜粋して掲載
「ALWAYS 三丁目の夕日」 『friends もののけ島のナキ』スタッフが送る「ドラえもん」初の3DCGアニメ『STAND BY ME ドラえもん』映画化決定
2014年、藤子・F・不二雄 生誕80周年記念の年、春の作品(『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊』)に加えて、3DCGの『映画ドラえもん』が、同夏に公開されます!! 手がけるのは「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ、『friends もののけ島のナキ』を世に送り出し、世界にもひけをとらない3DCG作品で日本中に感動の渦を巻き起こした山崎貴・八木竜一のコンビ。キャラクター造型には、1年以上を費やし、表情や動きなど徹底的にリアリティを追求すると同時に、オリジナルの世界観を壊さないように丁寧に作業を進めていき、懐かしくも新しいドラえもんを生み出します。
そして奥行きのある世界観と立体視の映像により、子ども時代に誰もが一度は憧れたひみつ道具をリアルに体感出来る作品を生み出します。脚本は、原作の中でも名作と言われる作品をベースに、新たな要素を加えて再構築した、新しくも懐かしい感動的なストーリー。3DCGの新しい表現で、本来のドラえもんの良さを再認識できる作品を目指します。ドラえもんを見ている世代はもちろん、これまでドラえもんを観たことがある全ての世代に向けた、懐かしくも、新しいドラえもんが2014年夏に誕生します!!
<ラブストーリー>
「のび太の結婚前夜」(原作25巻)ほか
しずかちゃんとの結婚をめぐる心あたたまるストーリーが登場。今までの「映画ドラえもん」には珍しい、本格ラブストーリーを味わえるのも本作の見所のひとつ。
<泣けるドラえもん>
「未来の国からはるばると」(原作1巻)「さようなら、ドラえもん」(原作6巻)ほか みんなが知っているようで、知らない、ドラえもんとのび太の出会いから別れが描かれ、その切なさに大人も号泣必須です。
『STAND BY ME ドラえもん』
原作:藤子・F・不二雄
脚本:山崎貴
監督:八木竜一・山崎貴
制作:シンエイ動画、白組、ROBOT
制作協力:藤子プロ・阿部秀司事務所
配給:東宝
公開:2014年夏
[山崎貴・八木竜一監督コメント]
——企画の経緯。
『friends もののけ島のナキ』がいい形で出来上がり、同じチームで新たな企画を考えていたときに、子どもの頃から大好きだった「ドラえもん」をぜひやりたいと思ったのがきっかけです。
——実際に作ることになったときの気持ちは。
正直ちょっとびびりました(笑)。すごくファンの多い作品だし、子供のころの思い出の一部として、みなさんすごく大事にしている。そんな国民的キャラクターを、外からきた僕らがお預かりして、作品を作るのはものすごく責任があること。藤子F先生の作品は大好きですごく影響を受けてきたのですが、その中でも「ドラえもん」は先生の代表作。そんな作品を自分たちが手がけさせて頂けるのは嬉しさ半分怖さ半分。好きだからこその怖さがいっぱいあります(山崎)。
小学生のころに原作漫画のてんとう虫コミックスや、長編映画の原作となる「大長編ドラえもん」が大好きでした。そんな小さいころからずっと親しんできたドラえもんをまさか自分がやることになるとは、全く思っていませんでした。本当にびっくりしています(八木)。
——ドラえもんの魅力は。
いろんな便利なものが出てきて、夢がかなうと思いきや、実はかなわないんですよね。結局自分でなんとかするしかない。「便利なもの=幸せ」ではなく、「自分がどう感じて、どう動くのかが大切」という教訓を子ども時代に分からせてくれるのがいいです(山崎)。
——好きなエピソードは。
最終回。最初に読んだときすごく衝撃を受けました。「日常の当たり前になってしまったことが、どれだけ大事なのか」という考えの原点がドラえもん最終回。自分の今までの作品でも大きく影響を受けており、今回はまず最終回を描きたいと思って、逆算してストーリーを構成していきました(山崎)。
——名作を数珠繋ぎにした構成。どんな作品にしていきたいですか。
子どもたちが楽しめるドキドキ・ワクワクする部分はもちろん、大人が感じられる切ない部分、ビターな部分も描いています。原作の作品がそうであるように、いろんな世代が見たときに、全く違う印象を持てる・見え方が違ってくるような作品になるといいなと思って作りました(山崎)。
数あるてんとう虫コミックスをぎゅっとまとめた面白さが生まれました。ひとつのストーリーラインにより、のび太の成長や、ドラえもんとの友情が育まれていく様を丁寧に描いていきたいです(八木)。
——3DCGだからこそ出来ることは。
体感すること。ドラえもんの道具をもし自分が手に入れたら、どんなことができるのか、3Dだと体感できます。自分自身の子ども時代の夢でもあるし、お客さんにも追体験してもらいたい(山崎)。
みんな知っているキャラクターが立体的にいきいきと動き出す面白さを表現できる。見たことあるのに、新しい、という感覚を味わってほしいです。特にタケコプターで飛行するシーンは必見です(八木)。
——3Dで大変な部分・苦労する部分。
3Dだけど、キャラクターがリアルで違和感ないものにしていく、リアリティとオリジナルのキャラクター造型との辻褄あわせが大変です。
——キャラクターの制作時間は。
全部の表情をある程度事前に作っておいて、それを自由自在に使えるようにしておかないといけない。1つのキャラクターが出来上がるまでが大変で、プロジェクトの半分くらいはキャラクターを作ることに費やしています(山崎)。
のび太は特に時間がかかりました。 納得がいくものが出来上がるまで1年半くらい……(八木)。
——どんな人にみてほしい。
子どもたちももちろんですが、特にドラえもんを卒業してしまった人たちです。大人になっていく過程で、ある時期ドラえもんと会わない暮らしが始まるけど、自分の中の大事なもの、ドラえもんの存在を思い出してほしい。この作品でお客さんが劇場に帰ってきてくれるか、それが勝負どころです。カップルにも見てほしいし、デートムービーとしてすごくいいんじゃないかと思う(山崎)。
3DCGは海外から入ってくるものが多いですが低年齢向けのものが多い。この作品は子どもたちからシニアの方にも十分ささる作品。特にドラえもんを昔見ていて卒業してしまった大人の方達に見てほしいです(八木)。
[作品資料]
●企画意図(イントロダクション)
気がつくとドラえもんはいつもそこに居ました。思えば、気がつくとドラえもんはそこに居ました。そう、ドラえもんは現代の日本人の心に浸透しきっています。なんと漢字変換ソフトで「どらえもん」と入力すると、一発で「ドラえもん」になって出てくるほどです。それほどドラえもんは日本人の日常に溶け込んでいるのです。あまりにも日常的に身近にあって、空気のような存在で……ドラえもんはいてくれてあたり前……と、ほとんどの日本人が感じています。しかし本当にそうなのでしょうか?
当然のことですがドラえもんにも始まりの物語があり、また何度か最終回も描かれています。僕たちは、今回、そこにもう一度光を当てて、「ドラえもんは未来からやってきたロボットで、いつでも帰ってしまう可能性を秘めているのだ」ということを再認識する物語を作りたいと思っています。そして当たり前のように見える「日常の風景」がどれほど貴重で尊い物であるかということを逆に照射するような映画が出来るといいなと思っています。もう一度原点に戻り、ドラえもんとの出会い、次第に友情が深まっていく様、そして悲しい別れを丁寧に描いて日常と空想が最高の形で手をつないでいるドラえもんを再発見したいと思っています。
●ストーリー
少し昔の東京郊外、10歳ほどのドジな少年のび太が暮らしていた。そこに22世紀からタイムマシンで4世代後の子孫セワシくんと、ポケットからひみつ道具を出して助けてくれる22世紀の世話係ネコ型ロボット・ドラえもんがやってくる。セワシくんは自分の世代までのび太がつくった借金に苦しんでいるといい、その悲惨な未来を変えるために、のび太を幸せにするためドラえもんをお世話係として連れてきたのだが、ドラえもんは乗り気じゃない。そこで、ドラえもんに成し遂げプログラムをセットして、強制的にのび太のお世話係をすることになる。のび太を幸せにしない限り、ドラえもんは22世紀に帰れなくなってしまう。こうして、のび太を幸せにするべく、ドラえもんとのび太の共同生活が始まる。果たして、のび太は幸せになり、ドラえもんは22世紀に戻れるのか。
●この映画独自の撮影方法
*プレスコ
プレスコとはプレスコアリング(prescoring)の略。通常のアテレコとは違い、セリフや音楽・歌を先行して収録する技法。今回の映画では声優の音声収録後、その音声や口の動き、表情、演技に応じてキャラクターの動きや表情を描き起こしている。その為、音声と映像に違和感がなくアニメでありながらも、実写の映像のように仕上げている。
*背景をミニチュアで制作
背景のミニチュアを実際に作成し撮影をする。そこにCGキャラクターを重ねることによって、実写とCGを組み合わせ、今までにない新しい【リアルワールド】が広がる。