ANIME NEWS

編集部通信[37]読者の皆さんからメールをいただました

 こんにちは、編集長の小黒です。今日は読者の皆さんからいただいたメールを紹介します。最初は中島邦博さん。「TVアニメ50年史のための情報整理」についてのお便りです。

 「TVアニメ50年史のための情報整理」も、いよいよカウントダウンですね。25年史の時とは比べ物にならない作品数の増加で、リスト制作はさぞ大変だったことと思います。あと少し、頑張ってください!
 そして、書籍化に際しての企画もさまざまに進行中だと思いますが、作品そのものの解説とともに、ぜひTVアニメ50年間の歴史を裏で支えたシリーズ監督の方々も【人物編】で取り上げてほしいと思います。

題しまして、『TVアニメの名匠 この20人』

 同世代のスター、富野喜幸監督や出崎統監督のような尖んがった演出はしませんが、王道かつわかりやすく安定した手練れの技で、いわゆるアニメファンではない一般の子供たちを確実に楽しませ、ピラミッドの裾野を広げてきた職人監督にスポットを当ててほしいと思います。例えば私が選んでみましたTVアニメの名匠はこの20人の方々です。

 石黒昇・今沢哲男・岡崎稔・勝間田具治・神田武幸・黒田昌郎・こだま兼嗣・斎藤博・笹川ひろし・芝山努・杉井ギサブロー・高橋良輔・竹内啓雄・鳥海永行・永丘昭典・長浜忠夫・西沢信孝・福冨博・森下孝三・湯山邦彦(敬称略)

 上記の監督さんの活躍の場の全盛期は1970~80年代で、現在30歳以下のファンにはあまり馴染みがないでしょうが、試行錯誤のTVアニメ黎明期を経て、制作手法がほぼ確立された後に作られた70~80年代の作品群は、日本のアニメにとって最も自由で冒険的な作品作りが許された爆発期であり、その結果生まれた作品は今振り返るとまさに日本アニメ史を代表する名作が揃った黄金時代でした。1990年代以降から今日に至るクール・ジャパンの繁栄も、結局はあの黄金期に日本のアニメの土台を揺るぎない強固なものにした偉大な先達のおかげだと言っても過言ではないのでしょう。そんなすばらしい作品を作った監督の皆さんを、その作品とともにぜひ今の若いファンに、そして我らオールドファンにも再評価してもらいたいのです。
 これらの監督さんは富野監督や出崎監督、そしてもちろん宮崎監督や高畑監督ほどには評論家に取り上げられる回数も少なく、全作品を振り返るような濃いインタビューもほとんど行われていないと思います。そしてそういった太く深いインタビューができるのは、まにあ小黒さんぐらいしかいませんのでこの機会にぜひ、取り上げてほしいと思います。失礼ながら皆様ご高齢の方が多く、中にはすでに亡くなられた監督もいらっしゃいますので、後世のアニメ史には欠かせないこれら貴重な生き証人のお言葉を遺しておいていただきたいと、一アニメファンとしても、お願いしたい次第であります。どうかよろしくご検討のほどを。乱筆乱文、失礼致しました。

 ありがとうございます。「まにあ小黒」は僕は25年位前に使っていたペンネームです。懐かしいなあ。「TVアニメ50年史」書籍化は企画中で、なんとか実現させたいと思っています。関連企画はそれが実現した後か、あるいは書籍版「TVアニメ50年史」の中に盛り込むか、ですかね。応援よろしくお願いします。
 次は「この人に話を聞きたい」についてです。この方はメールにお名前が書いてなかったようです。「この人に話を聞きたい」は徳間書店のアニメージュで僕が担当しているインタビュー連載で、編集をアニメスタイルが担当しています。

アニメスタイル編集長 小黒様

 初めてメールさせて頂きます。
 6月10日発売のアニメージュ7月号、恩田尚之さんへのインタビューがあるときいて久々にアニメ雑誌を購入いたしました。
 以前から恩田さんのファンだったのですが、あまり表立って人となりを知る機会がなかったのでとても嬉しい企画でした。
 今はTwitterなど、アニメーターさん個人の方の意見や考え方が見られるようにはなって来ましたが、恩田さんが作品や仕事に対してお話しされる機会というのがなかったので、とてもよかったです。リアルな画なのにあまりデッサンをされていないというのが一番の衝撃でした……。
 今回は有名作品や、目立って話題になった作品中心に触れてのインタビューでしたが、次回があるならもう少し込み入った、というかコアなお話も
ぜひうかがっていただきたいです。少しずれてしまいますが、恩田さん「に」影響を受けた業界のアニメーターの方のお話も聞いてみたいです。
 来年には初監督作品が見られるということでとても楽しみです! また公開時にどこかでこういうインタビューが見られると嬉しいです。
 ここからは一個人の勝手な希望になってしまうのですが、恩田尚之さんのアートワークス・版権集をぜひ出してほしいです。
 同人誌等で出されることは無いと思うので、恩田さんの描かれた1枚絵を1冊にまとめたものが出てくれればな、と思っています。
 過去の作品などの版権絵はムックに1枚のみ掲載やゲーム画面の原画等、とても収集しづらいので、もし今後機会があれば、ぜひご検討していただければと思います!

 ウテナの原画集も製作決定という事で、楽しみにしております!
 Twitterアカウント削除してしまったのでこちらのフォームから送らせていただきました。乱文失礼致しました。

 ありがとうございます。Twitterで声をかけていただくのも嬉しいですが、こうしてメールをいただけるのも励みになります。いただいたメールは恩田さんにも転送しておきますね。
 『少女革命ウテナ』画集について説明すると、同作の版権イラストや原画をまとめたもので、株式会社スタイルが刊行します。ブログで少しだけ話題にしました。詳細は決まり次第発表します。

 次は133さんからのメールで、「アニメスタイル002」の記事について。

 はじめまして。いちアニメファンです。
 普段はこういう感想を送らないのですが、どうしてもお礼が言いたくて、こちらから送らせていただきます。

 私は「学園黙示録 HIGH SCHOOL OF THE DEAD」のオープニングで一瞬映る絵(『アニメスタイル002』164頁に掲載されているもの)がとても好きで、放送終了後もずっと気になっていました。ある雑誌で田中将賀さんのインタビューを読んだとき、そのカットについて「これは森山洋さんの描いたものを修正したもの」という旨が書かれていて、それ以来、このカットを大きい絵で見たい、そして森山洋さんとはどんな方なのか知りたいと思っていました。そこでインターネットで調べていたところ、こちらの「編集長メモ」に行き着き、そこで森山さんのことを少し知り、また遅くはなりましたが今日『アニメスタイル002』を購入して絵を見ることもできました。監督や脚本、キャラクターデザイン等の花形職と比べ、森山さんの担当(イメージボード等)はなかなか情報を得ることができず困っていたので、それがとてもうれしかったです。
 個人的なことになってしまうのですが、お礼を言わせてください。
 ありがとうございました。

 ページ構成をするにあたって、森山さんが描いたイメージボードも見せてもらいましたが、見応えのあるものでしたよ。それも掲載したかったくらいです。アニメイタイルが編集を担当した『LUPIN the Third 峰不二子という女』原画集(トムス・エンタテインメント発行)には森山さんが描いたレイアウト、原画を掲載しています。よろしかったらチェックしてみてください。

 他にも雑誌「アニメスタイル」や「この人に話を聞きたい」について感想、ご要望のメールをいただいています。どのメールにもきちんと目を通していますよ。イベントの感想もお待ちしています。皆さま、よろしくお願いします。(編集長・小黒祐一郎)

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LUPIN the Third ~峰不二子という女~ 原画集

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