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原恵一・細田守・樋口真嗣が集結!『はじまりのみち』完成記念シンポジウム


 5月12日、東京工科大学・蒲田キャンパスの片柳記念ホールで、原恵一監督が初めて実写に挑んだ話題作『はじまりのみち』の試写会と、完成記念シンポジウムが行われた。作品上映後に行われたシンポジウムには、原恵一監督を始め、細田守監督、樋口真嗣監督がパネリストとして登壇。コーディネーターを務めたのは、東京工科大学メディア学部教授であり「アニメーション監督 原恵一」の著者でもある濱野保樹。
 普段から親交があるという3監督のトークは、終始リラックスしたムードで、時に笑いを交えながら、率直な言葉で進められた。作品の感想を求められた細田監督は「原さんが実写をやると聞いて、若干不安に思うところもあった。でも実際に作品を見てみると、今までの作品と寸分違わぬ原恵一スピリットが映画全体に満ち溢れていて、その静かな力のようなものに心を打たれました」と賞賛。実写監督としては先輩にあたる樋口監督は「新人監督が現場で不当な弾圧を受けていないかパトロールに行ったんだけど(笑)、撮影現場を見たときに全然大丈夫だと思った。スタッフのみんなが監督を愛していて、監督の作ろうとするものを支えている感じがしたから」と証言。
 原監督は撮影中のエピソードから、実写とアニメの違いなどについて語り、敬愛する木下惠介監督への思いを熱く迸らせる場面もあった。「『二十四の瞳』や『喜びも悲しみも幾歳月』のような優しいタッチの作品も好きだけど、実は過激なこともやっている。結構、ロックな人なんです。失敗を恐れずに冒険する、その一歩の踏み出し方が凄い。だから今回の映画でも、自分も迷ったときは過激なほうを選ぼうと思った」と、木下惠介スピリットを胸に作品に臨んだことを告白。
 ある映画人の挫折と再生を描いた作品としてどう見たか? という質問に対して、細田監督は自らの過去の経験と重ね合わせ、当時の自分を見ているような気分になったと吐露。原監督も「やっぱり映画監督の話だから、自分と重ね合わせて描いていた気がします。今回の仕事の依頼が来たタイミングも、ちょうど『カラフル』が終わって何も予定がなくブラブラしていた時期で、それが決定的だったのかもしれない。偶然なんだけど、何か運命的なものを感じた」と、自身にとって特別な企画であることを改めて強調した。
 『はじまりのみち』は6月1日より、全国劇場にて公開。WEBアニメスタイルでも原監督へのインタビューを近日掲載する予定なので、お楽しみに。

●『はじまりのみち』公式サイト
http://www.shochiku.co.jp/kinoshita/hajimarinomichi/