COLUMN

第433回 アニメで働く——(憤り)

 まだあったようです。アニメや画描きで食ってる(生業とする)人が

自分はクリエイターだから、気の向いた時に出社し、気が向かなかったら適当に休む特権が、巧い人順(ここ重要!)で会社に認められて当然でしょ!!

というバブルの生き残り感が。ご存知のとおり、アニメは社員・作品拘束などの固定給と出高(歩合制)があります。もちろんこれからは、全員社員として雇うようになると思いますが、現状まだまだ出高のフリーランスが多いし、俺自身もそうです。ただ、

だからこそ自己管理・自己責任なんです!!

 皆人間だから、描きたくない時もあるし、ノらない日もあります。俺もある! でもその日がノらなくて早く帰ってしまったら、次の日はやる気になって少し早めに仕事を始める。これがプロであり職人だと思うんです。前の晩、酒飲んで好きなDVDやBD観たり、友達とダベって気分を高揚させるのもいいし、早々と寝てしまうのもいいでしょう。自分でコントロールするんです。あと、今現在会社から振られた仕事が「好きな画(作品)じゃないから描けないし、描きたくない!」とかも、「じゃ、好きになったら!?」と。

「好きじゃなきゃ……やりたい仕事じゃないから〜」と言うなら
「好きになる努力をする」のがプロではないでしょうか?

 自分だってやりたい仕事ばかりじゃなかったです。でも、作品的に好きでもなかった仕事を振られれば、好きになるまで原作を読み続けたし、役職的に、例えば原画だけやりたかったのに下手な原画を直す作画監督をやらされた……とかも、その下手な原画を直しまくる事で、「全部自分の画にしてやる!」をモチベーションにするんじゃだめでしょうか?

要はテンションが下がったから、いいアニメが作れませんでした〜
は視聴者(お客さん)にとって迷惑だって事!

で。中には「あ、あれは制作の態度が気に食わなかったからテンション下がって〜」的な言い訳してる人もいますが、俺からするとそのアニメーターの方が力が足りてませんね! 本当のプロ・職人なら、制作の態度になど左右されずに最高の仕事を見せ、「あなたの態度が改善されない限り、もう受けません!」と言って、最高のラストカットと請求書を渡す、のではないでしょうか? そもそもクリエイター(アニメーターがこの単語を簡単に口にするのもどうかと思いますが)がちょくちょく態度に示す

あ、僕これ仕事として、金のためにやってますから〜

の「仕事」って、ある一定の「好きでやってる」より、そんなに後ろ向きな言葉でしょうか? 自分にとって「仕事」とは

すべての人々に平等に許された、
世間(世界)に対して能動的になる行為!

だと思うんです。アニメーターに限らず、芸能・スポーツ、いわゆる好きな事を商売にできた(ように見える)人も、毎日定時に入って働くサラリーマンや公務員の人も、すべて何かしら誰かのため——世の中に能動的に働きかけて、その報酬を頂いているわけです。それなのに「好きな事を仕事にした」というだけで、夕方からダラダラ来て4〜5時間描いて帰る、って人は本当に今もいて、さらに業界の若手も巧くなって早くああなりたいと思ってるなんて!! そんな悪影響なクリエイター様を良しとして放置してる環境を、そろそろ業界をあげて見直す時期なのでは?