2006年は『コードギアス 反逆のルルーシュ』と『DEATH NOTE』が放映開始された年である。
サンライズ製作、谷口悟朗監督の『コードギアス』は、キャラ原案をCLAMPが担当。オリジナルアニメとしては本年最大級のヒットとなった。一方、マッドハウス製作、荒木哲郎監督の『DEATH NOTE』は、大場つぐみと小畑健が「週刊少年ジャンプ」に連載したマンガのアニメ化。実写劇場版ともども社会現象ともいえる反響を呼んだ。両作の主人公・ルルーシュと夜神月に共通しているのは、ともに強い信念を持ち、異能を手にすることで他人の意識や生命を自由に操り、己の野望に向かって突き進む点だ。殺人を厭わないアンチ・ヒーローを主役に据えたことが新しく、主演の福山潤、宮野真守の人気にも火をつけた。
この年はサンライズ製作、高松信司監督により、もうひとつの「ジャンプ」アニメ『銀魂』もスタート。原作・空知英秋のテイストを生かし、放送コードすれすれに挑戦した毒のあるギャグが見どころとなった。『涼宮ハルヒの憂鬱』の登場も本年である。原作は谷川流によるライトノベル。平野綾が好演したハルヒの破天荒な魅力に加え、京都アニメーションが物語の隅々にまで神経を注いだ丁寧な演出、作画がファンの支持を集めた。一方、同人ゲームを原作とするミステリー『ひぐらしのなく頃に』は、世界が何度もリセットされ、最初から語り直される“ループもの”を意識的に用いた作劇が注目された。また、FROGMANがFLASHの手法により、ほぼ1人で毎週30分の番組を手がけた『THE FROGMAN SHOW』は、デジタル時代の可能性を垣間見せる偉大な第一歩だった。
本年は、1週間に放映される30分アニメの本数がピークを迎えたことでも記憶される。05年春に66本、05年秋に73本と増え続け、本年春にはついに87本に達したのだ。だが、活況に見えるTVアニメも、ゴールデンタイムではむしろ、伸長著しいバラエティにとって替わられつつあった。例えば『ONE PIECE』。99年10月、水曜19時の枠でスタートした同作が、その枠を「100%キャイ〜ン!」に追われる形で日曜19時台へと移動したのが01年3月のこと。本年10月には、今度は「熱血! 平成教育学院」の枠拡大により、朝9時30分のローカル枠へと都落ちしたのである。TVアニメは、少なくとも視聴率では以前ほどの旨みを持たないコンテンツとなっていたのだ。
リスト修正(13.06.10)