まずは9話の続き。あ、『沖ツラ』ね。もちろん、着ぐるみ解説シリーズ(?)はそれ用のキャラデ(キャラ表)を作っています。が、前回(7話ハブとマングース編)のものと頭身が違っていて「なんで合わせないの?」と注意し7話・9話両方、キャラ表直させました。あと、
これは“動物の擬人化”じゃなく、ちゃんとデフォルメ頭身に“着ぐるみを被せた”状態で描いて!
と。最近の若手スタッフはなぜ、適当にキャラ発注をして、それが上がったこと“だけ”を確認したことを監督チェックOKとか呼ぶのか? こんなんで作ったものは、作った“だけ”のモノになっちゃいますよ。そして、フォークを握るすずのカット、もっと広角パースを巧く描きたかったのです。
ま、修正が間に合わなかったのは、俺の力不足ですが!
でも、ビーチボール持って「行くー」と飛び跳ねているすずは、丁寧に原画が積まれてて嬉しかったです。
はい次、9話ラスト怪談パート。これも作画・演出の指示が大変でした。何が辛いって「これコンテ通りです」との主張だけ伝わってくるんです、不備のある原画からは。「カメラワークからキャラのサイズまでコンテのままなのに他に何が?」と言われるかもしれないけど、あるのですよ! 原画マンの方で計算しなければならないことが。少なくともテレコム(・アニメーションフィルム)では「原画時にもう一工夫を!」と、自分は習いましたから。特にここは“怪談”話。1カット1カットが単なる説明ではなく、“視聴者を怖がらせる”を念頭に作画・演出しなければなりません。
例えば、頭を上げるのに付けてPAN UP↑すると、すでにオバケがいるというカットがあったとします。この場合、頭上げの動きを数コマ遅れて“後から追い掛けるように付けPAN”した方が主観的な臨場感が作れる訳です。で、そのタイミングを計算するのは、まず“アニメーターの仕事”ですから! 演出の仕事はそれの確認・調整であると。
あと、バスに乗って来たオバケのカットも時間ギリギリで俺が作画しました。誰も手が出せなくて仕方なしの突貫原画は、必要最小限の内容をこなすのが精いっぱい。前述の“すずの~広角”と同様の心残りが付き纏います。
そして、『沖ツラ』制作と同時に進めていました『キミ越え』話の続き。監督クレジット確定より少し時間を巻き戻して、脚本(シナリオ)開発から。これはもう、製作委員会のご要望でもあるでしょうし、自分も木村(博美)さんも同意で「基本“原作準拠”でしょう!」と。
ただ、一つだけ
“文乃・小説執筆”話は1話分かけて丁寧に描いた方が良いと思います!
と進言。原作を読ませていただいた際、小説家志望~文乃の件が30分(本編21分)のアニメに置き換えるとやや短かったのです。親友の将来について主人公たちが真剣に関わる話が、前半の半パートで決着では軽いので、オリジナル追加ではなく、“描写を足す”べきです、と(この完成度の高い原作に、アニメスタッフ側のご都合主義オリジナルを足しても浮くだけですから)。それ以外は完全に原作準拠の全12話で、構成を組みました。
企画当初、集英社DNAさんから提案されたのは「“花火とランタン祭り”で最終回~でしょうか?」でした(※つまり現行の8話までの内容)。自分も木村さんもそれで納得していました。
ところが、集英社DNAさんの何方かから「5巻の頭まで行けないか?」と提案がありました。5巻の頭というのは、現行のラスト、万理と繋が付き合うまでです。
集英社DNAの足立聡史プロデューサー(当時)から「ちょっと全12話で纏めるにはキツいんじゃないかなと思ったんですが、ここまでできます?」と相談され、原作を読み返してみた俺が「確かにここまで入れた方が良さそうですね」と同意しました。そこから脚本IN。
同時に木村さんにキャラクターデザイン発注。
続きは次回!