2023年10月15日(日)
『キボウノチカラ オトナプリキュア’23』2話について。乾杯の場面で「プリティーだった私たちの再会を祝して!」と言っていたけれど、最終的に「あの頃の私達はプリティーだったけど、今の私達もやっぱりプリティーで、なおかつ素敵」のようなところに落ち着くといいなあと思った。
「設定資料FILE」の構成を進める。作業の途中で取り上げた作品の脚本を読む。夕方までやって、仕上げ直前まで構成を進めた。作業の途中で20年ぶりくらいにペーパーボンドを切らした。
2023年10月16日(月)
新文芸坐で「秀子の車掌さん」(1941/54分/35mm)を観た。プログラム「生誕100年記念特集 高峰秀子と名作たち」の1本。想像していたよりもアイドル映画だった。主人公の「おこまさん(高峰秀子)」に恋愛描写はないし、映画全体として生々しい描写もない。たわいないだけの話かと思ったら、バス会社の社長が小悪人で、それと関連して、おこまさんに残念な未来が訪れることが示唆されて終わる。それっている? という感じだったけど、当時としてはこのくらいのオチはつけなくてはいけない、という感じだったのかなあ。全体にのんびりとした話で、特に序盤のバスの運行模様は平和すぎてファンタジー。当時としても誇張した世界を描いた作品であったと思われるけど、今の目で観るとファンタジー度数が上がっているはず。驚いたのは序盤のシークエンスで、運行の途中で客がいるのに実家の近くでバスを停めてもらい、おこまさんが自宅で用事を済ませて戻ってくるという展開。新文芸坐は高齢のお客さんが多かった。映画館スタッフに手を引かれて席に着いた方が二人かな。ちょっとしたユーモラスな描写で後ろの席のお客さんが笑っていて和んだ。
14日(土)に事務所で使っている椅子の背もたれが取れてしまって、そのまま作業をやっていたら腰がヤバい。きちんとした椅子は改めて選ぶとして、このままでは仕事にならないので、よさそうなやつをアスクルに頼んだ。
2023年10月17日(火)
アスクルに注文した椅子が届き、事務所スタッフが組み立ててくれた。背もたれがしっかりしていて快適。腰の痛みも減った。昼から新宿のルノアールの会議室で高橋久美子さんのインタビュー。画集のための取材だ。ずっと聞きたかった話を聞くことができた。
2023年10月18日(水)
録画してあった映画「スプーン一杯の幸せ」を流し観。1975年の映画で主演は桜田淳子さんだ。バトミントン部に所属する梅村乃里子(桜田淳子)と、教師でバトミントン部のコーチになった福島清彦(黒沢年男[現・年雄])がメインで、『エースをねらえ!』みたいな話になるのかと思ったら、乃里子が、福島と母親(浜木綿子)の結婚を許すかどうかという話に展開。恋愛の話ではあるけれど、主人公は憧れを感じるくらいで恋愛はしない。桜田淳子さんの見どころは、離ればなれに暮らしている(両親は入籍しなかった?)実の父親と会った際の白い上下の衣装。清楚でお嬢さんらしくて、お父さん目線としては最高に可愛いのではないか。「やだあ、エッチなお父さん」と言われていたけど、あれは殺し文句だなあ。ラスト直前の喫茶店のシーンで分かりやすく、タイトルを回収していた。
同じく「夢のハワイで盆踊り」を流し観。1964年の東映映画で主演は舟木一夫さん。舟木一夫が舟田夏夫を演じて、本間千代子が風間美代子を演じて、高橋元太郎が高木源一郎を演じている。タイトル通り、登場人物がハワイに行って盆踊りを踊る。堺正章さんが若い。先に「夢のハワイで盆踊り」という曲がヒットして作られた映画かと思ったら、そういうわけでもないみたい。
この日は病院Bに。今回は呼吸器関係の診察。病院の行き帰りと待ち時間に、小説「氷菓」をKindleで読了。予想の倍くらいは面白かった。
2023年10月19日(木)
午前中の散歩で旧古河庭園に行って薔薇を見る。
グランドシネマサンシャインで「ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!」を【吹替版】を鑑賞。「手描きの絵のような3DCG」のビジュアルがよくできている。線で表現されたラクガキみたいなエフェクトもよかった。内容に関しては、亀達のティーンエイジャーっぽい感じがよくて、『おそ松さん』の六つ子的だと感じた。クライマックスのバトルで、名もなき人間の男性が、巨大化したスーパーフライを倒すことができるアイテムをもって、スーパーフライに向かって走り出したところは不思議な感動があった。クライマックスの「そうだ。『進撃の巨人』だ」のセリフが、僕的にはかなりイケていた。あのセリフから立体機動装置的なバトルに直結したら、感動しただろうなあ。実はあのセリフで脳内に「紅蓮の弓矢」が響いた。映画全体としては「もうちょい」と思うところもあったけど、楽しめた。
TVアニメ『氷菓』で、前日に読了した原作に相当する1話から5話を再視聴した。基本的な物語の流れは原作と同じ。変わりゆく天気を凝った画作りで表現したり、キャラクターをたっぷり動かしたりして、映像的に見映えのあるものにしようと努力している。千反田の家で謎についての調査の発表をしている途中で千反田がおにぎりを作り出したり、図書室での謎解きの途中で、摩耶花が本を書架に戻すのを長回しで見せたり。当時はピンとこなかったんだけど(当時からそれを理解するべきだったんだけど)、『氷菓』って京都アニメーションのアニメ表現で、ロジックが中心のミステリに果敢に挑んだ作品なのね。その結果を成功とみるか、成功ではないとと思うかは人それぞれで違うのだろう。
2023年10月20日(金)
ワイフと一緒に旧古河庭園に行って薔薇を見る。二日連続で旧古河庭園に来たのは、前日に来てワイフに薔薇を見せたいと思ったからだ。アプリ「旧古河バラコレ」も使ってみた。
午後はラクガキ画集のために、今村亮さんとSkype打ち合わせ。個々のイラストの話になってからは、打ち合わせを編集部スタッフに任せて、自分は音声だけを聞いていた。
夜は「Netflixシリーズ「PLUTO」世界最速上映会ジャパンプレミア」に参加。上映された1話に関しては配信作品とは思えない大作感のある仕上がりだった。キャティングもよかった。この日の上映に関して言えば音響もかなりよかった。丸山正雄プロデューサーからの依頼で、僕と事務所のスタッフで『PLUTO』で何度か企画書を作成している。最初に企画書を作ったのが2013年のようだ。とにかく完成してよかった。
2023年10月21日(土)
この日は取材原稿の粗まとめを進めた。
2013年に作った『PLUTO』の企画書のテキストを読んでみた。前夜のトークでは浦沢直樹さんが「最初の企画では120分の企画だった」と語っていたが、2013年の企画書では「120分の劇場アニメーション・全2本」だった。これは誰かから言われてそうしたのではなくて、自分が120分で2本くらいが現実的だと判断したのだと思う。ざっとテキストを読むと、煽りに煽っていて、我ながらいい仕事をしている。
編集作業を進めている書籍について。今回も「お前はこの本のために、どれだけ金を使えるのか」という展開になってきた。この場合の「お前」というのは社長である僕のことだ。本を作るには技術も手間も必要だけど、お金も必要だ。ここで余計にお金を使うと、少しだけ本の充実度が上がるはず。