COLUMN

第916回 『沖ツラ』制作話~7話、コンテ修正とは?

 2~3週ほど前の続き、コンテ修正の話。改めて見ると、これまでの話数同様7話も例外なく、容赦ない修正をしています。ほぼ“描き直し”と言ってもいいくらい。
 チェック内容は

アングル・キャラのサイズ・カット尺取り直しほか。やっぱり、まあ“全部”になります!

スタッフ表記にあるとおり、今作も田辺(慎吾)監督を置いての総監督というのが自分の立ち位置。本来ならコンテ・チェックも一旦監督に任せるのがいいのかも知れませんが、前作『いせれべ』同様今回もそうしませんでした。なぜなら彼本人のコンテを見ても「自分はカットを絶対こう割る!」と言う傲慢さが感じられなかったからです。
 俺は監督は傲慢であるべきと提唱しています。なぜならスタッフ・キャストの方々から「これどうするの?」と質問が飛んできた場合、素早い決断が必須。皆さん仕事場で楽しく遊びたがってる訳じゃなく、早く終わらせて帰りたがっているのです。だから、監督は「俺はコレが良い!」と早く答える傲慢さが必要不可欠! これはアフレコ現場に於いて音響監督にも確認したところ、「良い人装って、その実優柔不断な監督こそ本当に困る! 傲慢が良い」と仰っていました。
 コンテの話で言うなら、“それぞれのコンテマン(演出)の個性を尊重する”大らかな現場を作りたいを大義名分に、“面白くないコンテ”でもスルーするつもりの演出家にコンテを預けても、結局後で俺が直すハメになります。だったら監督は全設定発注と自前のコンテを多く切って(描いて)、全員(監督も含む)のコンテを俺がチェック・修正する! と。そして、全般直しが多いためコンテ連名になっているのです。

監督にとってコンテ修正とは、容赦なしの戦場!

だと思っています、板垣は。だって「面白いフィルムの流れを作る」って音楽に例えるなら作曲するようなもの。5~10人の民主制で譜面書きます? スケジュール上、一旦描き手を分けたにしても一本に統括する仕事はやっぱり一人でやるべき! それが一番誠実な仕事の仕方だと信じています。

 という訳で、『キミ越え』制作中!