COLUMN

第912回 『沖ツラ』制作話~6話 蕎麦と草履

 6話の続き~「沖縄そば」。冒頭の昔話から現代の蕎麦屋店内まで、演出もアニメーターも“室内のレイアウト”が巧く描けないのには参りました。で、コンテもレイアウトも大直し。いつもどおり、お手本を見せないと! しかも、昔話編での“●原●山”、もちろん原作どおりのネタなのですが、若手スタッフの上げた原画が思った以上、いや原作以上に●原●山で来て、慌てて直しました!
 ところで沖縄そばは自分も大好き! 昔、友人らと仲良く沖縄料理屋で飲んだものですが、その際友人の一人がトイレで席を立った隙に、その友人のどんぶりにコーレーグースを山ほど入れて、トイレから帰って来た友人が一口食って噴いた! のを思い出します。その時は他愛のない悪戯したが、辛いだけでなく結構アルコールも入ってたんですね~。
 「島ぞうり焼け」編。この話を観ても純粋に“沖縄県民っぽく”なりたがってるてーるー、“ペカー”と満面の笑みで島ぞうり焼けを自慢する喜屋武さん、共に微笑ましいです。それと「子供の頃に(島ぞうり焼けの)見せ合いっこしてケンカしたさー!」と熱くなっている喜屋武さんに、「しょうもな!!」と呆れる上間・下地に(アフレコ時)爆笑しました! もちろん原作のネタまんまですが、声が入って一段と笑えるやり取りになったと思います。
 放り投げられた比嘉さんの靴下が、愕然となった喜屋武さんの頭に乗っかるのは、田辺(慎吾)君のコンテ時アドリブです(これは、良くできました!)。
 で、「沖縄の台風」編。こちらもTUTAYAでDVD借りて~とか大変勉強になる話ですが、実はその本編内容よりも制作現場の話の方が深刻で、

作画の直しがあまりに多くて、本音を言うと途中挫けそうになりました!

作画だけでなく背景も、「どうしてこうなった……!?」って上がりの連続。色が着いた(完成した)ラッシュを観てリテイクだらけ。それは、レイアウト上のアイレベルが間違ってるとか、キャラが似てない云々の「今回はゴメンナサイ……」程度の話ではありません。少なくとも、総監督からの贅沢リテイクとは程遠い、このままでは視聴者にお見せできないレベルだったってこと。
 でも、人のせいにする気はありません。だからこそ自分が率先して黙々と直しまくったって話です。メインアニメーターに直しを指示した上で、その内半分は俺自身で作監修正する訳ですが、その自分のラフを拾って動画・仕上げしてくれるのが、社内スタッフのいる強み。ぶっちゃけ、良くない画を上げた張本人スタッフだったとしても、リテイクが終わるまで(自らのカットも含めて)大直しに付き合ってくれるのですから。
 ただそんな中ラスト辺り、てーるーの宴シーンは森(亮太)君の原画で、流石の上り。“調整”程度のキャラ修正で済ませることができて、とても感謝でした。
 でもやっぱり、

6話もコンテ、直したなあ——改めて見ると!

と、言う訳で、『キミ越え』に戻ります(汗)!