COLUMN

第903回 『沖ツラ』制作話~3話エイサーCG祭り~4話

 3話“エイサー祭り”編。前回説明したように、今さら自分「ダンス・踊りを作画で描くことに意義がある」とは考えていないので、最初からCGでと決めていました。「手描き最高!」とか「作画でやるからこそ~」云々言われるかも知れないのですが、CGを作るにしても、

スタッフが実際、沖縄に出向いて本当の具志川青年会の方々に演奏していただき、さらに踊りのモーションキャプチャーも本物を撮って作ったCGです!

から、作画とは別の手間がそれなりに掛かってはいるので、その辺を見ていただけると嬉しいです。
 あと、クライアント(製作委員会)リテイクに対して、板垣がどんな感じで直していたか? の一例。

すずに促されてチョンダラー喜屋武さんを見、てーるー(OFF)「本当だ。よく見ると色々してる」

のシーン。これ“TAKE 1”では、太鼓隊を引き連れている画(現行カットの前半)しかなかったのです。ダラダラと。当然クライアントから“てーるーのOFF台詞通りに「色々」してください!”と、ごもっともなチェックが入り、演出・作監(その時点ではいた)たちに

これ、委員会による贅沢リテイクでもなんでもない、当然のご指摘だよ! 何やってんの?

みたいな軽い説教を入れて、「ま、俺が描くから、見て勉強して」と後半の“あっちこっちに指示している喜屋武さん”の動きをババ―! とラフ原描いて、篠(衿花)さんに清書してもらって現行の“色々しているチョンダラー喜屋武さん”になった訳です。教えながら作るってこういうこと! つまり“実演”できないとなんにも説得力がないんです。
 そして、3・4話は

沖縄のバーチャルタレント・根間ういさん、ご出演ありがとうございました!

で、4話。エイサー祭りの締め、“カチャーシー”編。こちらはメインキャラの踊りなので、作画メイン。オリジナルの原画を担当した塩澤(枢)さん、修正を手伝ってくれた森(亮太)君、お疲れ様でした。
 てーるー相手に空回りする比嘉さん、可愛いですよね。その表情・ポーズ・芝居、全て森君担当で、キャラ修以外はすべてそのまま使用しています。あ、「ど・ど・ど・どこに!?」「全部!?」とパ二くる比嘉さんの心情を“稲妻フラッシュ”内に描き足したのは、自分です。どことなく『てーきゅう』ムード? てか、元々ここも自分がコンテで描いた部分なので、原画が上手く上がってこなかった場合は“俺・責任カット”として引き取るつもりだったので思惑どおり。表面はドギマギでも“心の中では小躍り♡”な比嘉さんの幸せ感を出せたらな~と。ちなみに、作業的には俺が1枚描いては社内の新人動仕スタッフにピストンするやり方で、原画と動仕を同時進行という超ショートカットで、なんとか納品完了に漕ぎ着けたのでした。
 最後に一緒に踊るてーる―と比嘉さんは、篠さんの作監修正でした。こちらも動き共々直してくれて非常に良かったです。

 さぁ、『キミ越え』に戻ります(汗)。