COLUMN

第888回 作画をプロデュースする?

前々回話題にした“作画プロデューサー”という役職は、自分が作った新しい仕事です!

 聞いてください。最近でもまだ俺宛てに大手アニメ会社から「作画監督の仕事をお願いしたいのですが~」との電話が掛かってくるんですよ! 「原画は海外も含めれば何とか撒ける! ただし、それを修正してくれる巧い作監さえいれば!」と。その他、知り合いの業界人からも「ミルパンセで作監お願いできる人いませんか?」とも。
 大手制作会社に限って何本も“良い仕事”を受けるだけ受けて独り占めする癖に、作監とかを俺なんかに振ってくるんです。業界全体の人手不足が囁かれるようになって久しい昨今、いまだに半分以上を外撒き(外注)して制作するのがアニメだとでも思っているのでしょうか?
 ハッキリ言います。

内製できない仕事を受けるのはもうやめません、大手制作会社さん?

 と言う訳で、作監に限らず作画スタッフの人材不足をどう解決するか? 今いる社員スタッフの能力(スキル)を適材適所に巧くパズルして、作画工程の交通整理をし、できるだけ全体の半分のカットは“テイク1”で一発OKにする。半分を効率よく作る代わりに、高難易度なカットはアドバイスと軽いラフを与えて描いた本人にテイク2・テイク3とテイクを重ねて完成に近づけて行く。早い話作監修正が入っていなくても“見れるカット”に仕上げればいい訳で、どんな手を使っても!
 スタッフ指導のために必要なラフやアタリを入れたり、カットによっては社内の別の人で作監を手配し、場合によっては自ら作監修正も入れる——それが総作画監督ではない、作画プロデューサーです。

 で、もっと詳しく説明しようと思っていたところで、時間! 仕事に戻らせていただきます(汗)!