COLUMN

第860回 『(劇)ジョー2』の魅力(10)

 続き。遂に10回目。実際自分の人生を変えた映画だけに、まだまだ深く掘り下げたいのが本音。でも、こればっかやってられないので早く終わらせます、はい……。

1:24:11~あ、客席に出﨑統監督発見! どうやら杉野昭夫作画監督らしき人も?
1:24:15~無理してこんな難しい芝居をこのアングルで描かせなくてもいいのに……。
1:24:30~この辺りからのアクション作画は、良い意味で雑で荒々しい! 冒頭の丁寧作画はもちろん最高なのですが、後半の——リアルな話、スケジュールとのせめぎ合いで、アニメーターたちも描き飛ばさざるを得ない状況の作画が鬼気迫っててカッコいい!! 以前、杉野さんが「スケジュールがキツいほうが、良いアクションになる」的に語ったインタビューがありましたが、それは板垣も同感。テレコム(・アニメーションフィルム)時代、大塚(康生)さんが俺らに「3秒の動きは3秒で描け」と教えてくださったことと異口同音だと思います。
1:24:37~ここのパンチなんか、ジョーの腕がやたら長く描かれていたり!
1:24:43~鬼気迫るジョーの形相が、死に向かって全力で突進してるヤバさが出てて、観てる最中不安しかなかったのを憶えています。
1:24:56~これも狂気……!
1:25:30~今、自分もプロ目線で見るとここも前カットとポーズ繋がってないですよね。
1:25:51~初めて武道館(花澤香菜コンサート)に行った際、この画が決してオーバーな俯瞰ではないこと(すり鉢状)を体感しました。にしてもここのキノコ、コミカルで良い動き。『ジョー2』のキノコは『ガンバの冒険』のイカサマと被ります。出﨑作品&同じ声優。
1:26:44~コークスクリュー・パンチ炸裂!!! 初見では画面を直視できませんでした。あおい輝彦の呻き・叫びがさらに迫真で、痛さが自分に伝わってきたし、「ジョー、死んじゃうって……!」と涙で歪んだ視界で観てました。こんな体験、後にも先にも『ジョー2』だけでした!
1:27:04~前カット思いっきりの深呼吸から、中無しで止めQ.PAN+画ブレ! この呼吸が真から痛い!
1:27:20~ウルフ金串(CV.納谷六朗)が応援してるのは嬉しい。
1:28:19~画面分割+段平の解説~コークスクリュー横~そして、止め+縦PAN、カット割りの呼吸が素晴らしい! “ゴージャス作画+アニメーター努力(忍耐)”ばかりが賞賛される昨今の劇場アニメと違い、ちゃんと“コンテ・演出”で面白い流れを作っている出﨑監督の仕事はもっと評価されるべきです! アニメとして!
1:28:53~個人的に劇場版~岸部シロー・西で一番好きなところ!
1:29:12~段平の言うとおり、本当に「殺されるぞ、ジョー!」と思って観ていたアングル。
1:29:31~所謂“『ジョー2』名物——太眉のホセ”が一瞬! 多分塗り間違い。
1:30:25~ホセの動揺と同じく、俺も激しく動揺したことを憶えています。…ドクター・キニスキー、ちゃんと見ててよ。
1:31:09~「ジ、エンド——」からホセの背後で身体を起こすジョーに、「もう、止めて」と切に願った自分。
1:31:28~「やけっぱちのパンチドランカーさ」と不敵に笑むジョーに“生き様”を感じました。
1:31:38~余裕かまして躱したつもりのところへ、飛んでくるジョーのパンチが面白い。
1:31:49~この(ジョーのパンチが当たった時の)ホセの目は一体どうなっているのか?
1:31:53~「もろに俺のパンチが当たりやがる!」と言ったって、観ていた俺は起死回生のチャンスだ、などと喜べなかったです、痛々しくって。
1:32:00~パラレル・ガイコツ! TVシリーズ版・第44話でてっぺんに髪があるガイコツが登場します。多分劇場版作画の“追い越し”で劇場公開の後、TV版 “少年院OB集う”シーン用に設定を起こした、ってことだと推測します(違う?)
1:32:47~ここのモノローグ~ホセ、被る水をスーパー処理で重ねて、画面センター(目部分)以外青パラで画面7割を覆って……、不思議な空気感です。アナログ撮影でもワン・アイディアの工夫で色んなことができるのです。ただ今見ると、耳にも水をかけて欲しかった(汗)。
1:33:14~カット尻、段平の笑いが空振りしてますが、そんな些末なこと気にしません。
1:33:46~ホセ初ダウン! 止めハーモニーに動きのインサート、巧い!
1:34:17~ジョー、3回通過リピート~猛ラッシュ! でも、俺は嬉しくなかったです。
1:34:22~目がヤバい! 狂ってる!
1:35:35~「右目がもうほとんど見えねえ……」、こういう絶望的なことを口元に笑みを浮かべて言う大人の男の世界があったのか! と、ショックでした。

 で、まだ続くことと敬称略。すみません。