COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
427 アニメ様日記 2023年7月30日(日)

2023年7月30日(日)
朝の散歩で午前4時半に事務所を出て、渋谷を目指す。宮下公園のラジオ体操に参加できるのでは? と思ったのだけれど、6時半に宮下公園は間に合いそうもなかったので、明治神宮の宝物殿前のラジオ体操に参加。その後、明治神宮を歩いた。朝の6時台から明治神宮のベンチで読書をしている人を二人ほど見かけた。優雅だなあ。
取材の予習で『美少女戦士セーラームーンCrystal』第3部と『劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal』を観た。
時間に余裕があったら、午前中に新文芸坐で映画を観るつもりだったけど、無理だった。やっぱり校了前日と取材前日が重なるとハードだ。

2023年7月31日(月)
社内打ち合わせで『ポケットの中の戦争』のタイトル表記は『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』ではなくて『MOBILE SUIT GUNDAM 0080 ポケットの中の戦争』が正しいのではないですか、という話になる。校了直前になってタイトル表記の話か。だったら、僕も気になるところがあるぞ。ちなみに「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」の話だ。
「この人に話を聞きたい」で今千秋さんの取材。JCスタッフで「この人」の取材をするのは2012年4月号の神戸守さん以来かな。かなり予習したつもりだったけど、各話演出時代の仕事について予習が足りなかったかもしれない。事務所に戻って「作画マニアが語るアニメ作画史 2000~2019」の校正紙をざっと見て、Zoom打ち合わせ。その後も編集作業。
夕方にWOWOWでやっていた実写映画「百花」を流し観。前にも途中から途中まで観たけれど、今回はながら観とはいえ、最初から最後まで観た。雰囲気はいい。主人公の母親で認知症の百合子(原田美枝子)に妙に色気がある。いや、主人公と百合子の関係に色気があるのか。主人公の妻役の長澤まさみさんもよかった。映画的なムードが濃くて、その意味では楽しめた。映画館で観たら楽しめたかなあ。ロードショー時に映画館で観るかどうか悩んで、行きそびれたのだった。
Amazonから届いた『未来少年コナン』のムックに目を通す。

2023年8月1日(火)
グランドシネマサンシャインの11時40分からの回で『おそ松さん 魂のたこ焼きパーティーと伝説のお泊り会』を鑑賞。平日の割りにはお客が入っていた。女性客が多いが、男性客もチラホラ。つまらなくはないけれけど、話を詰めきれていない感じだと思った。SNSで感想をいくつか読んだけど、評判は悪くない。これもSNSで得た情報だけど、劇場限定版Blu-rayに付いた絵コンテを読むと、トト子がたこ焼きパーティーに参加し、奇行に走った理由が分かるらしい(すいません。あくまで「らしい」です)。
「ザ・フラッシュ」をU-NEXTのレンタルで視聴。現状でのレンタルは1980円もするので、映画館で観るのとほぼ同額。ポイントを使っているので懐は痛まないけれど。レンタルしたのはサッシャ・カジェのスーパーガールをもう一度観たかったのと、吹き替えがどうなってるのかが気になっていたため。結論だけ書くと、橋本愛さんのスーパーガールはかなりよかった。キャラクターの魅力を維持している。橋本愛さんのイメージとキャラクターのイメージも近い。バットマンは山寺宏一さん。劇中に出てきた全てのバットマンを山寺さんが吹き替えているわけではなく、時間を遡った世界での老バットマンを山寺さんが演じている。これは面白かった。字幕で観た印象とかなり違っている。字幕だと老バットマンはポンコツなイメージなのだけど、吹き替えだと言動がスマートで、頭も冴えている感じに。

2023年8月2日(水)
仕事の合間に、ワイフと新文芸坐で「若き仕立屋の恋 Long version」(2004・香港/56分/DCP/PG12)と「花様年華」【4K上映】(2000・香港/98分/DCP)を鑑賞。「花様年華」【4K上映】は去年の11月にも観ているが、ワイフの付き合いで再見。「若き仕立屋の恋 Long version」は初見。短いけれど、内容を絞り込んでいるため物足りなさはない。予想以上にエロティック。演出が強い作品で、その意味で映画充できた。ラスト寸前に主人公の背中を見せるカットがあって「次は正面から撮って主人公の表情を見せるカットだな」と予想できたのだけど、正面のカットの表情が思っていたのと違ったのでちょっと驚く。本編最後に「完」の文字が出るタイミングもいい。キレキレ。
「花様年華」については前に観た時のほうが楽しめたかな。前回の鑑賞ではラストの展開がよく分からず、あとでWikipediaで確認したのだけれど、今回も同じことをやった。お話としてはそんなに楽しめないのだけれど「映画を観たぞ」という気になる。ワイフの目当てはヒロインのチャイナ服で、劇中で着るチャイナ服が何着あるかを数えながら観たそうだ。たしか、22着だったかな。自分も衣装に注目して観たのだけれど、ひとつのカットで「チャイナ服の柄とカーテンの柄と画面奥のソファーの柄と持っているカップの柄を全部花柄にする」なんてことをやっているのね。他にもこだわりは多そうだ。
Netflixで『範馬刃牙』の「外伝ピクル+野人戦争編」を全話観る。気になって、kindleで原作を確認しながら観た。この辺りの原作は連載で読んでいるのだけれど、それでも驚くくらいに面白かった。原作とやっていることは同じなのに、より面白くなっている。これは作りが上手い。感心した。
「作画マニアが語るアニメ作画史 2000~2019」の編集作業が終了。

2023年8月3日(木)
深夜の散歩はワイフと。午前3時過ぎにマンションを出て要町方面に。水天宮の公園で、母猫と子猫3匹の親子に出逢う。子猫はまだ小さくて可愛い。要町まで歩いて、次は谷端川南緑道を歩く。緑道の近くでやたらと人なつっこい猫に会う。お腹が空いているのか、ニューニャーと鳴きながら近づいてきた。可愛い首輪をつけていたから飼い猫だろう。
時間があったら、新文芸坐で「にせ刑事」(1967/92分/35mm)を観るつもりだったのだけど、やることが多いのであきらめた。ちょっと残念だったので、Amazon prime videoでKADOKAWA channel対象作品チャンネルに再入会して「にせ刑事」を観た。本筋とはあまり関係ないんだけど、劇中で子どもが描いた絵が大魔神。途中で映画館で観た映画も大魔神(3本ある「大魔神」のどれかは確認していない)。
「Gメン’75」の17話と18話を流し観。17話「死刑実験室」は脚本/高久進、演出/小西通雄。時効目前の強盗殺人事件の容疑者(谷村昌彦)を、草野刑事(倉田保昭)が追い詰める。昔のドラマだから気にしないでネタバレを書くけど、容疑者を外界から切り離し、少しずつ時計を速めて、時効の前日に時効になったと思わせる。容疑者が凶器の隠し場所を明かしたところで、彼を逮捕。トンデモ話になると思うけど、盛り上がるし面白い。子どもの頃、自分は「Gメン’75」のこういう話が好きだったんだろうなあ。最初に「刑事訴訟法 第二百五十条」の文面を黒地に白抜き文字を見せるのもインパクトがあっていい。18話「警察の中のギャング」は脚本/高久進、撮影/林七郎、演出/鷹森立一。こちらは街の撮り方がよかった。
WOWOWで放送していた「シコふんじゃった。」を流し観。間違いなく過去に観ているんだけど、随分と忘れているなあ。

2023年8月4日(金)
朝の散歩ではサブスクで配信が始まったばかりの「電子戦隊デンジマン MUSIC COLLECTION」を聴いた。その次に聴いたのが「スーパー戦隊 主題歌・挿入歌大全集I」。
午前8時25分からの回で『特別編 響け! ユーフォニアム ~アンサンブルコンテスト~』を鑑賞。お話に関しては原作未読なのでノーコメント。ただ、1本の映画としては物足りない。気になっていたのは映像だ。残されたスタッフ達が健闘しているのはよく分かる。ただ、あの事件で失われたものの大きさを改めて噛みしめた。
ユニクロで、この日に発売された『チェンソーマン』の原画Tシャツを購入。デスクワークとZoom打ち合わせを挟んで、再びグランドシネマサンシャインに。14時40分の回で「トランスフォーマー ビースト覚醒」【IMAXレーザーGT3D字幕版】を鑑賞。例によって3DCGのロボットの変形とバトルは見事なもので、それだけでも入場料分は楽しめた。個々のロボットの活躍をもっとヒロイックに描いてくれたら、さらに嬉しかった。物語は緩めだけど、観ていてイライラするほどではない。エピローグ部分は「おお、そうきたのか」という感じ。クロスオーバーよりも、主人公の弟についての決着の付け方がよかった。

2023年8月5日(土)
トークを前にして『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を配信で視聴。『君たちはどう生きるか』を観た後なので、北條家の庭に鷺が現れたところで「え、やばいじゃん」と思ってしまう。続けて『マイマイ新子と千年の魔法』を観る。午後に「【新文芸坐×アニメスタイル vol. 161】『この世界の片隅に』七度目の夏」を開催。お客さんは『マイマイ新子と千年の魔法』初見の方が6割くらい、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は初見の方が3割くらい。このプログラムと同日同時間に同じ池袋で「丸山正雄のお蔵出し」が開催されていた。行けるものなら行きたかった。
以下はこの日のトークの内容から。片渕さんは『マイマイ新子と千年の魔法』の後、続編を考えていた。続編のタイトルは『マイマイ新子と二つの塔』か『マイマイ新子と青ひげ』(『マイマイ新子と押し入れの中の青ひげ』かもしれない)。続編は構想レベルの話であり、企画まではいっていない。新子のその後を描くなら、なぎこ(清少納言)のその後も描く必要があると考えて、海外の映画祭(アヌシーだったかな)に行く際に「枕草子」と関連書籍を大量に持って行き、それを読破したことで、なぎこのその後だけで映画を作ることができると確信。それが『この世界の片隅に』を挟んで『つるばみ色のなぎ子たち』に結実する。