COLUMN

第834回 2023年も終わり

今年もシリーズが発表できて、来年もシリーズ(制作中)。さらに、再来年(制作中)も!

多少の放映開始時期の都合などで空いて見える年もありましたが、2005年から隙間なく監督をやってこられました。これだけでも幸せなことだと思っています。監督降板があった時ですら、その翌月には仕事を振ってくださったプロデューサーさんらには未だ感謝の念に堪えません。
 この連載の初期にはちょくちょく語って(書いて)いたと思いますが、自分はアニメーターより先に監督がやりたくて業界に入ってきたので、アニメーターとしてより“監督として作品が作りたい”と思ってきたし、それはこれからも変わらないと思います。

30歳で監督やり始めて来年(年明け早々)50歳を迎えるということは——早20年!

本当に自分は運がいいのでしょう。出﨑統監督憧れで基本きた仕事はどんなジャンルでもお受けしてきましたが、本音を言うとジャンル云々より監督という職でアニメが作りたいし、もっと端的に自分のコンテ(または自分がチェックしたコンテ)でアニメが作りたい! と。ただ、おそらく2024・2025年辺り、アニメ業界はもっと荒れそうです。荒れそうってのは別に何処かの著名人な方の仰る「アニメ業界が滅ぶ」とか考えているのではありません。むしろ、再三言ってるようにアニメの本数は増え続けると思います。それより俺が危惧しているのは、アニメーターやコンテ・演出が徐々にアニメ会社から、●られて行くのではないか? ということです。と言うのも、

業界の人手不足と働き方改革に付け込んで、分不相応な拘束料を貰いつつも、制作会社に対して唾棄するようなSNS発信するアニメーターらに、反撃もしないで沈黙を貫き通している会社側が何を考えているのか? 先週話題にしたAIを我々アニメーターや演出は甘く見ない方がいいですよ!

系の“荒れ”方です。正直、業界総掛かりでもこなせない本数(物量)の企画が回ってて、“一刻も早いAI導入急務!”状態です。そんな時、金は持っていくのに仕事の手は遅いわ、不満ばかりぶちまけるわ、裏で結託して突然大量離脱とかするわ~なアニメーターたちを使わないで、アニメが作れる方法を現在模索中な大手会社(スタジオ)の話がちょくちょく聞えてきます。それはCGかライブ2DかAIかは分かりませんが、旧態依然としたワークスタイルに変に意固地なアニメーターたちに頼らなくて済むアニメーション制作方法を身に付けた時、アニメーターだけでなく演出家も●り捨てられる可能性は高いと思います。しかし現状、それを裏で企むアニメ会社を、どの口が責められるでしょう? 多分、フリーの自宅作業アニメーターらには一々話して回らないでしょう。
 ちなみにウチみたいな中小企業は、そんなことを企む余裕はありません(汗)。今いるスタッフでできる限りのパフォーマンスを見せることが先、と考えています。ま、いろいろ問題は山積み……だけでなく、さらにもっともっと積み上り中ではありますが、そんな中まだまだ監督やらせてもらえるってだけで、嬉しい50代が迎えられそうです!

 では——。