COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
405 アニメ様日記 2023年2月26日(日)

2023年2月26日(日)
入院前日。入院の準備を進める。無印良品でピルケースを買ったり。夕方から「入院前に行きたい店に行っておこう」シリーズのクライマックスで、吉松さんと駒込の「もつ焼 高賢」に。ワイフも行く予定で予約を入れていたのだが、彼女は体調がいまひとつで自宅で待機することに。ワイフは「最後の晩餐なのに行けないのが残念」と言っていた。そういう意味で言っているのは分かるけど、縁起でもないなあ。「もつ焼 高賢」で色々といただいた後、「猫本山」でたいにゃきを買って食べる。ワイフのお土産に「にゃーむくーへん 白猫抹茶味」を買う。
話は前後するけど、午前中の散歩では『スカイ・クロラ』と「紅い眼鏡」のサントラを聴いた。作業をしながら「紅い眼鏡」をAmazon prime videoで視聴。「紅い眼鏡」は21世紀になってからは、5年に一度くらいのペースで観返しているはず。配信の画質はよくないのだけど、大きな画面で観ると、それが味わいに思える。まるで戦前の映画を観ているようだ。内容は詰まっていて、今の押井さんが撮ったら、半分の内容(半分の脚本)で90分くらいの長さにまとめるのではないかしら。押井さんの熱意も感じられた。当時はそんな感想は抱かなかったはず。

2023年2月27日(月)
『サザエさん ひな祭り1時間スペシャル』は前半が30分の長編「大好き、ひな祭り」。日常を舞台にした話で、イベント性はあまりない。展開がゆったりしているのが、普段と違う点かな。後半は通常の構成の3本立てで「カツオ銀幕デビュー」「風雅なご趣味」「わが子と遊べば」。先週のBパート「姉さん、噂の女」、Cパート「磯野家は五つ星」が『サザエさん』を総括するような内容だったのは、実はそれらの脚本がスペシャルでの放映を前提にしたものであり、結果的に通常枠での放映になったのではないかと妄想する。

入院1日目。午前中は入院の準備と仕事関係のメール。事務所で1週間分の録画予約をする。入院前の最後の食事は「いきなり!ステーキ」でサーロイン300グラムとハイボール。ライスは少し。今回はワイフも一緒だった。もしも、これからの自分の人生で入院や手術が当たり前のことになるのなら「あの時は手術の前に頑張って、色々と食べに行ったなあ」と思うのだろうなあ。いや、そうならないほうがいいんだけど。
14時に病院Bに到着。患者サポートセンターで説明を聞く。レントゲンと歯の検査。病室に入ったのが15時くらい。その後、エコー検査。更に話を聞くと、集中治療室から出られるまで時間がかかるとか、手術時には荷物を部屋に置いておけないとか、新情報がどっさり。病院内のセブンイレブンでT字帯などを購入。その後は仕事関係のメールを書きまくる。消灯は21時だけど、22時までメールを書いていた。

2023年2月28日(火)
入院2日目。午前中はメールなど。「アニメスタイル017」の描きおろしイラストのためのラフを描いたり。手術は昼の予定だったが、諸般の事情でスタートが遅れる。病室から手術室までの移動にワイフが付き添ってくれた。付き添っているワイフがやたらと楽しそうだったが、後で聞いたら楽しかったのではなく、緊張していたのだそうだ。手術が始まる前はシチュエーションがショッカーで改造手術を受けるみたいだとか、手術室の機材のデザインが洗練されていてSFアニメみたいだとか思ったり。つまり、自分の手術なのに、どこか他人事のように感じていた。麻酔を打たれたら、電灯が消えるようにストンと意識がなくなる。目が覚めたのは19時か19時半。ワイフがペッドの脇にいた。身体も頭もぼんやりしている。ワイフが色々と話をしてくれたが、少ししか頭に入らない。手術そのものは上手くいったらしい。

2023年3月1日(水)
入院3日目。午前中は集中治療室。頭がすっきりしているのに読む本もないし、スマホもないので退屈だった。午前11時半に病室に戻る。メールを数本。点滴スタンドを持ってトイレまで歩くが、かなりしんどい。本を読む気も起きず、なるべく寝るようにした。昼飯は重湯を含めた流動食。ブドウジュースが旨かった。晩飯はお粥が中心の献立。

2023年3月2日(木)
入院4日目。1日夜から2日朝にかけて同じ夢を何度も見た。編集作業中の「アニメスタイル017」のことで悩んでいる夢で、同じ内容を別バージョンで何度も見た。新しく入ってくる情報が少ないので、同じ夢を何度も見てしまうのだろうなあ。点滴が取れる。痛み止めを注入する管、血抜きの管が抜けた。試しに10メートルくらい歩いてみた。しんどい。
Kindleでマンガを読み始める。「天幕のジャードゥーガル」1巻、2巻。「地獄楽」1巻から13巻。「MIX」1巻から7巻。「地獄楽」はキャラクターに魅力があったし、話も悪くない。満足。「MIX」は読んでいる間、幸せだった。

2023年3月3日(金)
入院5日目。2日夜から3日朝にかけて色んなイメージのコラージュみたいな夢が延々と続いた。マンガで読んだ内容の夢を見たわけではないけれど、マンガを読んで色んな情報が頭に入ったため、夢の内容が変わったのだろう。堺三保さんから、お願いしていたお勧めマンガのリストがSNS経由で届いた。「完結している作品で面白いもの」を基準に選んでもらった。「MIX」を最新20巻まで読んでから、堺さんのリストにあった「ゆりあ先生の赤い糸」1巻から読み始める。

2023年3月4日(土)
入院6日目。深夜に目が覚めて「ゆりあ先生の赤い糸」の続きを読み始めて、最終巻まで読む。これはいいマンガだった。その後は堺さんお勧めの「大砲とスタンプ」「さんかく窓の外側は夜」「青の花 器の森」等を読む。明け方、今後の仕事のやり方について考えた。それは自分の生活パターンについて考えることでもある。これから無理ができなくなるけど、どうするのか、という話。病院内のセブンイレブンに「Pen」の「シン・仮面ライダー」特集があったので購入して、ざっと目を通す。悪くない特集だと思った。歯科に呼ばれて検査。問題なし。kindleで「傘寿まり子」1巻を読む。面白い。面白いけど、これって16巻もあるの? 病室でできる範囲で取材の予習を始める。
退院後の毎日のタイムスケジュールを組んでみる。「自分の作業量を減らして、尚かつ、トータルでの成果を減らさない」が目標なのに、組んでいるうちに「いかに自分の作業量を増やすか」が目標になっていた。ダメじゃん。