COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
319 アニメ様日記 2021年7月4日(日)

編集長・小黒祐一郎の日記です。
2021年7月4日(日)
早朝散歩の後、都議会議員選挙の投票に。僕が行った投票所は一番乗りと二番目の人が投票箱の中を見ることになっているようで、僕は二番目だったので、投票前に箱の中を確認した。
カセットハードディスクの録画を整理していたら、鈴木敏夫さんと岩井俊二さんの対談があった。番組タイトルは「日本映画専門チャンネル×岩井俊二映画祭 present 映画は世界に警鐘を鳴らし続ける 特別番組 鈴木敏夫×岩井俊二」。2012年に日本映画専門チャンネルの岩井俊二特集内で放送された番組で、録画はその再放送であるらしい。驚いたのはアニメージュで「風が吹くとき」を特集した号の話題だ。特集を企画したきっかけ、社内と読者の反応についての話。自分がアニメージュで仕事をしていた時期の話だけど、まるで知らなかった。敏夫さんが大袈裟に語っている可能性はあるけれど。

2021年7月5日(月)
ワイフと椎名町まで歩いて、餃子の満州で昼飯。僕もワイフも餃子の満州が好きなんだけど、酒が呑めない間は行く気にならなかったのだ(念のため書いておくと、外食で酒が提供できた時期のことである)。
「この人に話を聞きたい」の原稿に集中できるかと思ったけれど、それ以外のやらなくてはいけない作業が次々と生じる。

2021年7月6日(火)
久しぶりに『機動戦艦ナデシコ』1話を視聴。今さら言うまでもないけど、脚本も演出も尖っている。2話以降が楽しみになる超盛り沢山な内容。当時もそう思ったはずだけど、ダイゴウジ・ガイは1980年代に割といたタイプのオタクなんだろうなあ。1話のルリは後の彼女とキャラが違うけれど、それは味わいのうち。ユリカは今観ると「普通の女の子」だな。突飛な言動はあるけれど、それも含めて普通の女の子。1話のエステバリスのアクション作画はかなりいい。当時は、『ゲキガンガー3』との対比を考えると、リアルロボットとして扱われるエステバリスの描写がスーパーロボット的でいいのか? と思ったけれど、むしろ、スーパーロボット的でいいのだと思えた。
『機動戦艦ナデシコ』2話。1話に負けず、超盛り込み。大筋はマジメで表現はコメディで、1990年代らしいノリもあり。ダイゴウジ・ガイ大活躍の回でもある。3話の予告がこれまた面白くて、期待が高まる。2話劇中の『ゲキガンガー3』はロクロウ兄さんの話。異星人シックースの地球名がロクロウなのは、『大空魔竜ガイキング』でフジヤマ・ミドリのピジョン星人としての名前がグリーンであったことに由来する。ちなみに、この日記で『ゲキガンガー3』のタイトルに「・」を入れないのはわざとであります。
『機動戦艦ナデシコ』関係で佐藤徹さんにインタビューをする。お元気そうでよかった。

2021年7月7日(水)
『機動戦艦ナデシコ』再視聴は5話から10話まで。5話で炸裂する首藤ワールド。この話でルリのキャラクターが固まるかと思ったら、そんなことはなくて徐々に完成していく感じ。作品全体のノリとしては、イネスが出てきてからが本調子。アカツキ・ナガレは記憶にあるよりもコメディ寄り。というか、アカツキが面白お兄ちゃんとして描かれる回が連続する。これは当時も思ったことだけど、イネスの「ワープという言葉もちょっと⋯⋯」というセリフはややメタな感じ。
11時に行きつけの病院に行って、新型コロナウイルス・ワクチン接種を受ける。ほとんど待たずにサクっと終わる。次に出す書籍の構成1弾のPDFが上がる。次の次の書籍の素材関係が動く。引き続き「この人に話を聞きたい」原稿を進める。
引き続き、1人で散歩する時はネックスピーカーでサントラを聴いている。この日の早朝散歩では『こどものおもちゃ』『ナースエンジェルりりかSOS』のサントラを聴いた。サントラではないけれど、最近、聴いたCDだと「小んなうた亞んなうた 小林亜星 楽曲全集 コマーシャルソング編」がよかった。

2021年7月8日(木)
「この人に話を聞きたい」の原稿を進める。原稿まとめの参考に『恋は雨上がりのように』原作最終巻に目を通して、改めてアニメ最終回を観て、実写映画版を観る。『メジャーセカンド』もチェック。『彼女がフラグをおられたら』を観ていたら、何故か『僕は友達が少ない』を観たくなった。
以下は『恋は雨上がりのように』について。確かに原作とアニメでは、ラストが違っている。原作だと、店長にとっての小説と、あきらにとっての陸上は「待たせているもの」であって、アニメだと「果たさなくてはいられない自分との約束」なのね。言葉遊びっぽくなるけど、アニメは約束だから、それを果たしたら戻ってくるかもしれない。さらにアニメだと、店長とあきらが「自分との約束」を果たした後のことを語りあっていて、改めて恋を続けるかもしれない余地を残している。しかも、本編ラストカットで小説を書き終えたのかもしれないと匂わせている。

2021年7月9日(金)
「この人に話を聞きたい」原稿の大詰め。最後の最後でインタビュアーの口調を整えた。

2021年7月10日(土)
最近、テレビをつけるといつも、CSで『おそ松さん』をやっている。どうして? と思っていたけれど、確認したら帯番組なのね。こっちが毎日同じ時間にテレビをつけているだけだった。
新文芸坐の9時45分からの回で「ソナチネ」(1993/94分)を観る。プログラム「乾いた銃声/虚無の闇 北野武と黒沢清の暴力」の1本。この映画は初見。予想以上に面白かった。スリリングだし、味わいもある。些末なことだけど、スチールでお馴染みのビートたけしが自分の頭に銃をあてるカットって、クライマックスではなかったのね。
築地食堂源ちゃん東池袋店にで昼飯。呑んで食べる。再び緊急事態宣言が実施されるので、源ちゃんのホッピーもまたしばらく呑めない。14時から2時間ほどZoom打ち合わせ。割と冴えたことを言った気がする。その後はレイトショーの用意等。夜はレイトショー「新文芸坐×アニメスタイル スクリーンで観たいアニメ映画vol. 2 『魔女見習いをさがして』」を開催。ゲストは関弘美さんと佐藤順一さん。佐藤さんは前の仕事の関係で遅刻するかもしれなかったのだけれど、余裕で間に合った。トークは公開インタビューのようなノリになってしまった。内容は充実していたと思う。『魔女見習いをさがして』を観るとビールを呑みたくなる。コンビニで缶ビールを買ってから帰る。