COLUMN

第707回 オサムさんを怒らせた

 前回・前々回と、コバヤシオサムさんの話をしてきましたが、仲良く楽しくな思い出話ばかりではありません。

自分がオサムさんを激怒させた!

こともあったんです。あれは俺が『GAD GUARD』(2003年/制作・GONZO)の第15話のコンテまで上げて(演出をやらずに)現場を離れる時でした。もちろん自分で上げたコンテです。処理(演出)までやりたかったし、現場を去るのだって不本意でした。ただ、スタッフ内にどうしても許せないことを我々(当時の若手ら)に言った人がいて、俺を中心に口論となり、出て行かなければならなくなったわけ。その際、自分が放った一言に、口論の傍らで黙々と仕事中だったオサムさんが「うるせえ!」と大激怒! 以降、口もきいてくれず、スタッフルームを後にした自分。
 その後、返りの電車の中で、

確かに俺も怒るだけの言い分はあるにせよ、単純にオサムさんの仕事中にテンションを下げてしまったことは謝らなければ! いや、やっぱりちゃんと謝りたい!

と思い、自宅に着いて即電話したものの出てくれず、仕方なくメールで

先程は失礼しました。言い訳はしません。いくらこちらにも言い分はあるにせよ、現場の他のスタッフにとっても聞きたくない暴言を吐いてしまったのは事実です。本当に申し訳ありませんでした。今回自分はここまでとなりますが、『GAD GUARD』でいちばん嬉しかったのはオサムさんと知り合えたことでした! ありがとうございました!!

と送ったところ、以下の返信をいただきました。

「謝ってくれてありがとう! 板垣君のこと、嫌いになりたくなかったんだよぉ〜」

 そしてその流れで、数分後オサムさんから電話をいただき、こちらも正式に謝罪し、オサムさんは俺の言い分を全部聞いてくださったのでした。

そんなことがあってからは、もっと仲良くさせていただき、『天元突破グレンラガン』や『はなまる幼稚園』『Panty & Stocking with Garterbelt』『ダンタリアンの書架』と、一緒にコンテ・演出で参加して各話で競い合うかたちで楽しく仕事させていただいたし、飲みにもよく誘っていただきました!

 改めて、ご冥福をお祈りいたします(早過ぎますよ……)。