COLUMN

第699回 大塚康生様(1)

 3月15日——大塚康生さんが亡くなられたとのことでした。大塚さんの話はこの連載で何回も語ってきたし、略歴やアニメ界に残した功績などはWikipediaで調べてください。とにかく大塚さんが亡くなったのです。
 『大塚康生画集「ルパン三世」と車と機関車と』(玄光社刊)に寄稿した板垣の色紙にも描いたように、テレコム入社試験中の大塚さんのニコニコ顔はいまだにハッキリ脳裏に焼き付いてます。「ここ(テレコム)に入れば、大塚さんに教えてもらえる!」と試験課題の『未来少年コナン』(のポーズを5つ描く)も無我夢中で描いて、その後即面接。今さっき上げた俺の『コナン』数枚を見ながら「試験はどうだった?」のニコニコの大塚さん。「……面白かったです!」と自分。すると大塚さん、あっさり「まぁ、こんな面接なんてやってもあんまり意味ないから、何か訊きたいことがないなら帰っていいすよ」と。面接は3分で終わり(たぶん5分はかかってません)。で、2〜3週間もしないうちに合格通知が届き、1994年3月15日に入社(たしか4月じゃありませんでした)。そして大塚さんによる研修が始まりました。結果から話すと、おそらく正式に大塚さんご本人による研修を受けたのは、自分の代が最後だったと思います。次の年の研修から、大塚さんからその当時の我々の先輩方へとその任が引き継がれ、大塚さんはちょっと離れたところからの顧問的な位置に就かれました。

すみません。途中ですがまた時間切れのようです。大塚さんの話は来週以降も続けさせてください!