COLUMN

第650回 無名くんとほどほど


 2007年の1月、自分の誕生日寸前から連載開始だったと記憶してます。初監督『BLACK CAT』が終わったあたり。つまりこのコラムを読めば監督作品のほとんどについて書いてあるというわけ。ま、いちいち過去の作品を振り返ることはしませんが、委員会の都合で放映開始がズレた作品を除き毎年監督を続けてきたわけで、そういう意味では当初の目論みどおり「凡庸なアニメ監督の日常が垣間見える連載」になっているのではないでしょうか? たしか、第1回でそんな前置きをして始めたはずです。……んでも、まさか10何年監督やってて未だに無名のままだとは、アニメ様本当に申し訳ありません(汗)。
 実際、自分がコレを始める前のWEBアニメスタイルで長く続いてた連載って吉松孝博さんの「サム死ね!」くらいしかなかった(と思った)ので、自分の目標は

お忙しい人気クリエイターさんらと違って、俺みたいな普通の人間ができるのは毎週落さず「もういいです(汗)」と嫌がられるまで続けてみせる!

でした。ま、当時からブログなどもやってなかったし、今もってSNSの類いもやらない自分にとって「週に1回」という限定のアニメ四方山話は、丁度よく楽しく書けるってのも事実。これはアニメ様、ありがとうございます!
 今回ついでなので改めてハッキリ言っておきますが

SNS類は、この連載が続いてる限り、一切手を出すつもりはありません! 作品以外の発信は「ほどほどに」が板垣のモットーですから!

 自らの監督作品に対する低評価・酷評・悪口ツイートに必死で反論などして炎上してる方もいらっしゃると聞きますが、それなど正直本気で呆れます。

好評だけでなく酷評をも黙って受け入れるとこまでが監督の仕事でしょう! だからこそ、制作中はスタッフもキャストも監督の言うことを基本聞いてくれるんです!

 俺はアニメーターでもあり、他人の監督作品に参加することもあるからそう言えます。スケジュールや人材・予算など、様々な悪条件があろうと「何を言われても全て自分のせい! スタッフ・キャストは悪くない! 作品の悪評は全部自分の力不足によるものです!」と言えない監督には金輪際付き合いたくありません。これがアニメーターの本音だと思います。

 そういえば藤子不二雄A先生の「無名くん」、好きです!