COLUMN

第482回 『ベルセルク』の作り方(4)

毎週毎週アニメを納品するというのは本当に大変な事です!!

『ベルセルク』でもCGチーム・作画チームとも納品ギリギリまで粘って「少しでも良くしよう」と徹夜の連続。そもそも「CGを手抜き」と仰る作画ソムリエ(命名・里見哲朗P?)の方々にもそろそろご理解いただきたいのです。聖鉄鎖騎士団の鎧や馬がガチャガチャ動くというだけで「手描き作画では不可能なハイ・クオリティー」であると! 確かに20世紀の終わり頃には「アニメとは情報量の操作だ」と某大監督さん(ら?)が仰いましたし、自分もそうだと思ってます。だからこそ、その情報量の操作の一環として「原作の線の数を減らした作画アニメ」があってもいいし、「原作の情報量を実現するのにCGを使う」のもありでしょう? で、今作では後者でいこう! って企画だった訳です。そーゆー意味では、ベタベタの作画人間で手描きの長所も短所もよく知り、且つアニメーターだけどさほど作画マニアではない板垣にとっては比較的やり易い、というか面白い企画をいただけたと思います、我ながら。てか、必要以上に作画のみに固執するアニメーターあがりの監督だと、この条件は結構酷でしょう。だって「CGで出せない表情をすべて拾って手描き手描き……あれもこれもみんな作画でやれ!」とか言えない現場なんですから。じゃあ俺はそれを逆手に取って、

表情芝居が苦手なCGなら、カメラワークで感情表現をしてみようか!

と。乱暴で大雑把なガッツをダイナミックなカメラで追っかけようと思ったんです。フレームにキレイに収める事ばかりじゃなく、むしろハミ出すガッツを描くつもりで。まあ実は「映画と言えばFIX(カメラ動かない)が基本!」などの90年代的映像インテリ概念がかなり眉唾だと思ってるんです自分は。もちろんFIXだって重要ですよ! でも「何をおいてもまず最初にカメラを動かすもんではない!」と決めてかかり、遂には「カメラが動くからダメ!」とインテリぶるのが眉唾なんですよ。