COLUMN

第479回 『ベルセルク』の作り方

 前回の続き。単刀直入に言って、『ベルセルク』をCGで作るという企画は「面白い!」と思ったんです。たぶん作画人間の自分から見て、手描きアニメでやったらどんなものになるのか想像つくけど、CGなら俺の予想の範疇を越えてくれると思ったからでしょう。今までやった作品の中でも、部分的にCGシーンを作った事は何回もあったけど、それは大概こちら側——手描き側の演出がタイムシートを打って(タイミングを決めて)、場合によってはラフ原画も提出して組んでもらったCGであって、今回『ベルセルク』のディレクションは基本コンテと演出打ち(発注)までが自分であとはCG側! だから上がってくるムービーは毎回楽しみなんです!!

で、上がってきたムービーに修正をお願いする、と!


 それこそCGスタッフの皆さんの前で、身振り手振りにホワイトボードで解説。時にはメモ用紙にパラパラ描くなど、あの手この手でコミュニケーション! これはこれで楽しいし、こちらも勉強になったりします。そして、それで分かってきたのが、

よく言う「作画に見えるCG」とか考えてもどちらも得しない!

とゆー事でした。てか、CGを作るプロフェッショナルに「作画に見える云々」を強要する事自体が失礼でしょ? と。もうそろそろ若い視聴者層から順に、CGを受け入れる世代が広がってきてるトコで

「CGを作画に隠す」事を第一に考えてても何も進歩しない!!

と思うのです。