COLUMN

第392回 板垣アニメのルーツ(2)

 前回のような理由で、自分はジャンルを選ばないし、それはプロデューサーさんや制作さんから見ると「便利で都合のいいヤツ」に映る反面、一部の「気が向かないと描かない天才アニメーター様」や「自分が興味の湧いた作品の時だけハイテンションになる一流アニメーター様」らからは「節操のない板垣」なんでしょう。まあその辺はどう見えても結構ですが、決して手を抜いてない事だけは分かってほしいものです。以前とある同業(アニメーターであり監督)の方から

君が今やってる仕事は「やりたい仕事」なの?

と尋ねられて、俺は間髪入れず

「やりたい仕事」にするんです!

と答えました。それが単なるキレイ事ではなく本当にそう思ってるというのは前回のを読めば理解していただけるのではないでしょうか?
 でも、本当の本音を言うと、たまに他人に自慢できる「我が青春の作品」がある多くのアニメーターたちが羨ましいと思う時もあります。

俺の20代はどこに!?

とか柄にもなく遠くを見つめてみたり。

 そんな40代の始めのとある日、ふと筆を休めてPCで某動画投稿サイト(?)なるモノで、自分がテレコム時代にやった作品の英語タイトルを検索してみたら

ありましたっ!!

『SUPERMAN』『BATMAN』『ANIMANIACS』、そして『CYBER SIX』! そりゃそうですね。世界中に目を向ければ観てくれる人は多数(?)いるのは当然でした。でも、ただでさえ作り終えた作品は観返さない自分なので、制作当時のVHSの白箱をDVDにコピーなどしていない以上、なおさら観返す機会などあるハズもなく、この度10数年ぶりに観たら

あったんです、俺の青春が!

 友永(和秀)師匠にしごかれたハイジャックシーンやハーレー対バットガール、吊り橋をスキップで渡るミンディから大空でピンキー&ブレインの回り込み、そしてデータ7とあやとりも!(知らない人はなんの事やらですね)20代半ばのない知恵をしぼって必死に描いた原画が次々観れて

若い頃の自分に再会した!

気持ちになったのです。

 できたら『犬夜叉』や『(劇)名探偵コナン』なんかも観たい! 大好きなBOOKOFFに置いてないかな(笑)。