COLUMN

021 『合体ロボット アトランジャー』と『ジャスティーン』(2014年8月27日)

 前回に続いて、dアニメストアについての話題である。このサービスを使いはじめて驚いたのが『合体ロボット アトランジャー』と『ジャスティーン』だった。ラインナップにそのタイトルを見つけて「えっ、なに、この作品?」と思った。アニメ雑誌の編集を職業にしており、そこそこアニメに詳しいはずの僕が、知らないタイトルだったのだ。
 『合体ロボット アトランジャー』は、1970年代にアオシマが発売していたロボットプラモデルの「アトランジャー」を主役メカにした作品だ。監督は吉田徹で、キャラクターデザインが森下博光。メカニックデザインはまさひろ山根、吉田徹が担当。『ジャスティーン』もロボットもので、こちらはオリジナル作品だ。監督は西本由起夫で、キャラクターデザイン・作画監督が渡部圭祐。彼以外にもスタジオへらくれすのメンバーが何人も参加している。『アトランジャー』も『ジャスティーン』も制作はAICだ(細かいことを書いておくと、『ジャスティーン』は本編中で表記される作品タイトルは、カタカナ表記の『ジャスティーン』ではなく、アルファベット表記の『JUSTEEN』である)。
 『アトランジャー』も『ジャスティーン』も、主にイベント販売で流通したOVAであるようだ。レンタルショップにも置いてないだろうし、アニメショップでDVDソフトを販売したわけでもないのだろう。どちらの作品も、アクション作画は充実。『アトランジャー』の主題歌が作曲・渡辺宙明 、歌唱・串田アキラであったり、『ジャスティーン』にお色気シーンがあったりと、OVAらしいお楽しみもある。いずれも短編であり、続編を匂わせるかたちで終わっている。1本観ただけではお腹いっぱいにならないが、ネット配信でサクっと観るぶんにはなんの不満もない。むしろ、その短さが心地よかったくらいだ。
 『ジャスティーン』は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』第1期で、劇中アニメとして使われていた作品でもある。ただ、『俺妹』の劇中アニメがスピンアウトしたわけではなく、単独作品として制作していた『ジャスティーン』の映像が、同じAIC制作の『俺妹』第1期で使われたということらしい。『ジャスティーン』について調べているうちに、Twitterでその話題を目にしたのを思い出した。ああ、そうか。あの劇中アニメがこれだったのか。
 dアニメストアは定額制であり、月額料金を払っておけば、作品ごとの追加料金はない。そこがいいところだ。ズラリと並んだラインナップを自分のビデオライブラリーのように扱うことができる。好きなときに、好きなだけ観られるのだ。つまり、アニメ食べ放題である。アニメ飽食の時代を加速させるサービスである。気軽に次々と手を出すことができるアニメ食べ放題に『アトランジャー』や『ジャスティーン』のようなレアなタイトルまであるのだ。これは嬉しい。

■関連サイト
dアニメストア
https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/

■INFORMATION
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[アニメスタイル・イベント]
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トークイベント「第89回アニメスタイルイベント 原口正宏アニメ講義vol.2
商業アニメを作り上げてきた4大河とその支流たち」
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オールナイト「新文芸坐×アニメスタイルセレクションVol. 59 湯浅政明のシゴト
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