年内に片付けたい話がいくつかある感じなのですが、何しろ年内はこれが最後。何も片付くはずもないので途中で「つづく!」になるのを覚悟して——よろしくお願いします——『戦勇。』第2期オープニングの話!
放映後だいぶ時間が経ってますが、この時期だからこそ話せる内容ってのもあります。例えば1期のOPが流れた時点で2期OPも俺がやる事が決まってました、とか。で、2期のOP主題歌は
GRANRODEOの「カナリヤ」
ですが、実はコンテ切る前、自分のトコにもう1曲別の候補曲も来てて「好きな方を選んでください」との事でした。実際、両方とも良い曲で迷いました。ヤマカンさん(山本寛監督)は「板垣さんがやるならあっちがいいんじゃない?」ともうひとつの「カナリヤ」とは別の曲を推してたんです。これは両曲の優劣の話ではありません! あくまで「(アクション系の)板垣さんがやるなら」の話。ヤマカンさんの仰るとおり、もうひとつの曲の方が頭から尻までどこかトリッキーな勢いのあるメロディーラインで全編アクションメインのOPにするならピッタリな曲だったんです。それに対して「カナリヤ」は全体的にシャープでカッコよくスタイリッシュになりそうな曲でしょう? こちらはドラマも描けて且つオシャレなコンテが切れそうじゃないですか。常日頃「俺、アクションしかできない馬鹿アニメーター(演出家とすら思われてないでしょう、たぶん)としか思われてない」というコンプレックスがある自分の反骨精神が「カナリヤ」を選ばせたんです(笑)。
で、これはこの後にやる「アニサマ」OPEDムービーよりは調子よくコンテ上がりました。ま、1期もOPやってたし、2期は最初3本(#14、15、16)コンテ切ってたので『戦勇。』の原作・世界観に充分馴染んでたからでしょう。作監も1期OPに引き続き田澤(潮)さんだったので全幅の信頼を寄せて作画IN。以下はうろ覚え気味の内容解説です。
C−1
髪をかきむしるロスからのクレアシオン、ネタバレにならないギリギリのサイズで。このカットは何よりロスの手です! 元の原画が「髪をかきむしる」ではなく「指をそろえて前髪をたくし上げてオデコ出す」になってたので、自分の方で全修ラフを入れた上に田澤さんの作監修正でクリーンナップされたものです。その田澤さんの描いた手の色っぽい事! 田澤さん本人にも言ったのですが、田澤さんの描く手(特に男子)は色気があって素晴らしいです! ご自身は「特に意識してない」との事。実際、無意識だからこその艶っぽさなのかもしれませんが、男の手が好きな女性ファンは『戦勇。』——手を見ましょう!!
C−2
1期OPラストの爆発カットを兼用(地球のサイズをC-1のクレアシオンの瞳に合わせてます)からのメインキャラ紹介。ヤヌアの手は上からINさせた方がよかったと今でも後悔してます。壁の穴からのぞくディツェンバーの光る目を覆うようにポスター。最初のテイクでは撮影さんが気を利かしてくださって、T.U(トラックアップ)した際、全員顔が見えるフレーミングでタイトルがのってたんですが「顔はフレームから切ってください」と指示してテイク2。やっぱここはT.Uする前にチラッと表情が見えるくらいの方がスタイリッシュかと。例によって筆文字は自分で描きました。
C−3
アレスのエロい尻。V編で完成フィルムを観たヤマカンさん「エロいなあ〜」と感嘆(?)してました。