COLUMN

第322回 『てーきゅう』の挑戦

いきなりですが


 いやぁ〜、他の仕事がかなり重なってたので全話切り終えるまでなかなか難航しましたが、1本(本編90秒)切るのにはそれほど時間がかかるわけではありません。だいたい平均3時間? ま、原作の内容が濃いものになるとまとめるのにいろいろ頭を使って5時間かかったりすのもあるし、逆に一発描きで1〜2時間ってのもあります。昔、テレコムで大塚(康生)様に「3秒の動きは3秒で描け!」と言われました。もちろん原画の話であるし、そもそも原画であっても3秒で描けるわけもなく、これは「実際の芝居に可能な限り近い時間で動きを考えなさい」って事だと思いますが、それで言うならこのアニメ『てーきゅう』は実尺90秒にかなり近い時間でコンテが切られてるわけで、一種の理想型な気がします。あと『てーきゅう』は「原作どおりの内容を90秒におさめる」というのが自分の拘りなだけに、コンテを切ってる間、原作を何度も読み返すんですが、その都度「このマンガ計算されてるな〜」と思うんです。それは端的に言って「ネタ削れね〜」って事です。たぶんルーツ先生に言わせると「いや、なんとなく描いてるんです」とおっしゃると思うし、実際ご自身も自然と描かれてるのかもしれません。でも、ある人間(作家)個人の感性・生理というのは、ある程度の経験値・統計などに基づいてるもの(と思う)ので、実は計算されてるものです。つまり第3者を笑わせるには「こうこうこうでこう落とす!」とルーツ先生なりのオチの作り方に則ってるのだと思います。そのルーツ先生のギャグが回を増すごとに面白い! というより

巧い!!

と感じるようになってきて、最近では

この漫画は俺に対する挑戦状ではないか!?

と思ってます。「これ90秒におさめられます?」的な。受けて立とうじゃありませんか!!

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http://te-kyu.com/

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