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EVENT REPORT 第72回アニメスタイルイベント『ねらわれた学園』の作画と演出

 2013年5月8日、新宿ロフトプラスワンにて第72回アニメスタイルイベント「『ねらわれた学園』の作画と演出」が開催された。平日の夜ながら、会場はほぼ満席。壇上には、中村亮介監督、キャラクターデザイン・総作画監督の細居美恵子、画面設計の清水健一がゲストとして登場。司会を務めたのは、本誌編集長・小黒祐一郎。多忙により参加できなかったゲストがいたものの、中村監督の雄弁なトークによって、当日会場に集った『ねら学』ファンは大いに湧いていた。
 イベントは3部構成で進行。第1部と第2部では『ねらわれた学園』Blu-rayを上映しながら、生コメンタリーが行われた。中村監督は本作でてらいなく描かれる甘酸っぱい青春描写について「自分の中の恥ずかしさを“圧殺”して、照れずに自分の理想を描いた」と告白。また、タイトルに反して学園がなかなか狙われない件や、ストーリー終盤になっても超能力対決が行われないことについて、自分の考える現代的なドラマツルギーに沿って『ねらわれた学園』の物語を再構築するにあたり、最初からストレートな闘争劇にするつもりはなかったと語った。
 細居美恵子は、爽やかさと色気を併せ持つ本作のキャラクターデザインについて「色っぽさの表現にはこだわったので、そこを評価されると嬉しい」と語り、参考資料として「絶対領域」などの写真集を活用したと証言。「服を着ていてもボディラインが分かる艶かしさ」「ゆりこのガーターベルト風ストッキングがツボ」など、衣装のこだわりについても話題が及んだ。また、A〜Cパートを演出した中村監督と、Dパートの演出を担当した荒木哲郎(中村監督とはマッドハウス時代の同期)のタッチの違いについて、「同じような情念の熱さは感じるけれども、荒木さんはどちらかというと少年マンガ的で、中村監督は少女マンガっぽいのかもしれない」と語った。
 第3部では、6月6日に発売される「完全版資料集 Hybrid Disc」の内容を紹介。その後に行われた質疑応答では、客席から活発に手が挙がり、作品に対するファンの愛情の深さをうかがわせた。

第72回アニメスタイルイベント
『ねらわれた学園』の作画と演出

開催日

2013年5月8日(水)

会場

新宿ロフトプラスワン

出演

中村亮介(監督)、細居美恵子(総作画監督)、清水健一(画面設計)

協力

一般社団法人 日本アニメーター・演出協会、アニプレックス、サンライズ

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撮影/永塚眞也