アニメ『てーきゅう』の話は、7月の第2期放映開始まで、とびとびで話題を繋ごうと思ってるので、また来週でもよいのではないでしょうか、という事で、今回はさっき(この原稿を書いているほんの2時間前)撮影に立ち合ってきた『アークIX』(安井健太郎・著/緒方剛志・イラスト/講談社ラノベ文庫)の話を少々。といっても内容についてはネタバレ厳禁のため、まだ書けませんが。自分は、脚本・コンテ・演出・監督です。キャラクターデザイン・作画監督は羽山淳一さんで、初めてご一緒した大ベテランで巨匠でとても恐縮です。OVA版『ジョジョの奇妙な冒険』が本当にカッコよくて大好きだったので、今回緊張の連続でしたが、羽山さんはとても気さくな方で、板垣の難解な演出指示うぃ作監修正でとても分かりやすくまとめてくださいました。羽山さんの描かれる骨太な大人の男像は、近頃のアニメにはない魅力があります。で、美術監督・池田繁美さんは、初監督『BLACK CAT』でもお世話になったこれまた大ベテラン。近未来の風景はもちろん主人公の生活感あるれる事務所やいきつけの喫茶店、そして教会・図書室・安マンションから警察署と目まぐるしく変わる舞台を、実に緻密に美しく描いてくださいました。ま、あとは本編が発売(原作第2巻に同梱)された後改めて、という事で今日はその最後の撮影立ち合いチェックでした。立ち合いというのは、撮影さんの横に座り込んで
などと指示出しする事です。もちろん大半は普通にタイムシートと撮影指定でリテイク指示を出すんですが、ラスト10数カットくらいになると、撮影さんに直接、口述・指差し確認した方が話は早いんです。あと、やっぱり目で見て初めて分かった失敗に対して「いや、こう指示したのは自分だし、今さら撤回しては監督のコケンにかかわる」などと意固地にならず「ごめんなさい! 指示どおりにやってくれてるけど、やっぱりこれは俺の指示が間違ってるからこうして!」とお願いして修正していただくのも監督の重要な仕事だと思ってます。ダメなもんはダメなんですから!
というわけで、また1本仕事が終わります!
アークIX 2 オリジナルBlu-rayアニメーション付き特装版
価格/3500円(税込)
発売・発売元/講談社
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