COLUMN

第198回 番外編 海賊船、ふたたび!

いやはや、ここのところ原稿落としまくっててすみません。またしても本業の方が超絶追い込みモードなのです。3年ぶりに海賊船に乗ってます。年末(!)、12月15日全国一斉公開の劇場版『ONEPIECE』最新作、『ONEPIECE FILM Z』に参加しております。
で、その制作の超絶追い込みで、もうしばらく連載お休みさせていただくことになりそうです。楽しみにしてくださってるみなさま、ごめんなさい。もうちょっと待っててね!

あの大ヒット御礼の前作『STRONG WORLD』から3年ですって! 早いなあ。で、その3年で、いろんなコト、とりわけ技術面で劇場作品を取り巻く状況が大きく変わっておりました。
世の中「DCP上映」であります! DCP=デジタル・シネマ・パッケージ。映画1本分の映像+音声データをギュッと圧縮してサーバーに収め、それをプロジェクターで上映する、というシステムです。そう、フィルムじゃないんですよ。映画館の上映もすでにデジタル上映の時代に移行しております。もうね、デジタルレコーディングでネガつくってフィルム焼く、とかいう行程もなくなっちゃうんですよ。TV作品同様に撮影データをモニターでチェックして、編集してつないだもの見てOKテイクの確認して、納品。カラコレやって終了。
そんな時代の流れもあって、大手のフィルム会社も映画用フィルムの生産を終了とのニュースも聞きましたね。
僕らくらいの世代にはやはり「フィルム」に対するこだわりとか思い入れも多々ありますが、これからの子供たち、若い世代にはもういきなりデジタルが全てな感じになっちゃうのですなあ。それが時代ってものなのだよなあ、とも思います。
ただね、これは哀愁だとかってことではなくてなのですが、手にとって確認できるものがどんどんなくなっていくんだなあという、ちょっと不安な部分もあったり。電気と機材がないと何にも見られない、何にも確認できない世の中になっていく。大丈夫なのかなあ? という漠然とした不安な感じは、これだけデジタル機器に囲まれて、デジタルな環境で映像作ってる僕ですが、なかなかまだまだ払拭できずにいたりはしてます。
でも、やはりデジタルになっていくことで受ける恩恵は途方もなく巨大で、可能性がどんどん拡がっていってるのも確か。時代に置いていかれないよう、というか、時代に乗って走って行けるよう、一所懸命お勉強してる今日この頃です。新しい知識はいつも楽しいものなのですよ(笑)。

そんなこんなで戦いまっただ中の海賊映画『ONEPIECE FILM Z』であります! ちなみに、今回の封切館、全国で何百スクリーンって規模での公開だそうですが、DCP上映じゃないのはわずか20館ほどだそうです。それらの映画館向けにはその本数分だけポジフィルムを焼くらしいです。
その20本ほどのポジフィルム、もしかしたら文化遺産として残っていくのですかねえ。