1978年は、松本零士作品を筆頭にSFアニメが花盛りとなった年である。
前年の劇場版『宇宙戦艦 ヤマト』の成功を受け、プロデューサーの西崎義展は完全新作の続編を企画。東映動画を現場に『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』を製作し、8月に公開した。本作は邦画興行収入第1位を塗り替えるヒットを記録。10月からは、西崎のアカデミー製作を現場に、TVシリーズ『宇宙戦艦 ヤマト2』も開始した。一方、東映動画も永井豪原作中心の体制から松本零士原作への転換を明確に打ち出し、『宇宙海賊 キャプテン ハーロック』『SF西遊記 スタージンガー』『銀河鉄道999』を相次いで製作した。
本年は2月に「未知との遭遇」、7月に「スターウォーズ」という大作が公開され、日本にSF映画ブームが巻き起こった年とも重なっていた。そのことが、アニメブームをさらにSF寄りに導く相乗効果ともなった。
宮崎駿の初監督作品『未来少年 コナン』が放映されたのもこの年である。NHKとしては初の30分シリーズであり、その内容がSFだったことも含め、アニメブームの思わぬ副産物といえた。
ブームの熱気は、虫プロ倒産以来、マンガ家業に専念していた手塚を再びアニメ作家へと返り咲かせた。日本テレビの「24時間テレビ」枠内で放映される『100万年地球の旅 バンダーブック』の監督を依頼されたのだ。TVアニメ初の2時間スペシャルであり、常に“初”にこだわる手塚にとっては、復活第1弾らしい快挙だった。
アニメブームは、出版界や音楽業界へも波及した。6月には徳間書店が、月刊アニメ専門誌の第1号「アニメージュ」を創刊。各レコード会社もアニメや特撮ファン向けにドラマ編や交響組曲などを続々と発売。アニメを中心とする声優ブームも本格化し、男性声優によるバンド“スラップスティック”の活動などが人気を呼んだ。
この年、地道に作品数を増やしていたジャンルとして、水島新司原作の野球アニメにも触れておきたい。76年に始まった『ドカベン』が3年目に突入するなか、『野球狂の詩』『一球さん』がスタート。梶原時代の後、70年代後半のスポーツものを支えた存在であり、いずれも製作は日本アニメーション。特に『野球狂の詩』は、前年末の特番の好評を受けてシリーズ化。1ヶ月に1話、1時間放映という変則的なスタイルが話題となった。
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